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<title>中国特選精力剤</title>
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<description>中国-精力剤 - 精力剤、媚薬、ダイエットの人気商品</description>
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<title>少女は損をする性の知識の大全書</title>
<description>(1)愛の性があって、称してセックスします;これに反して、性交といいます。  (2)一夜情、性が気ままにするのは違法ではありませんて、しかし有害な健康。  (3)どのように//自分のMMをあやしてベッドに入ることをだまします勧めますかを尋ねないでください;このようにみんなにあなたの行為が性的衝動にただ制御するだけと感じさせます;ただ愛情(人情)を持つだけ濃い時まで(へ)、すべてやっとすべて当然です……  (4)調和がとれて幸せで円満な性生活は幸せな婚姻の不可欠な構成部分です。...</description>
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<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-07-29T12:32:35+09:00</dc:date>
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(1)愛の性があって、称してセックスします;これに反して、性交といいます。<br /><br />　　(2)一夜情、性が気ままにするのは違法ではありませんて、しかし有害な健康。<br /><br />　　(3)どのように//自分のMMをあやしてベッドに入ることをだまします勧めますかを尋ねないでください;このようにみんなにあなたの行為が性的衝動にただ制御するだけと感じさせます;ただ愛情(人情)を持つだけ濃い時まで(へ)、すべてやっとすべて当然です……<br /><br />　　(4)調和がとれて幸せで円満な性生活は幸せな婚姻の不可欠な構成部分です。<br /><br />　　(5)性、多くの時更に承諾、責任を意味します;あなたが自分の肩が十分な重さを引き受けることができることを確定する前に、このことを慎重に考慮して下さい。<br /><br />　　(6)性行為の前で、注意深く避妊するべきかどうかを考えてみて、ただどのようにだけでないでくださいを考えているのが更に楽しくなることができます;さもなくば、楽しみの(以)後で日、苦難だけあります。<br /><br />　　(7)初回性生活の4項目は注意します：動作のやさしくて、適切な場所は、衛生、避妊に注意します。<br /><br />　　(8)あなたの性愛の旅を始めるつもりな前に、とても十分に多い性の知識を備蓄して下さい&#8212;&#8212;このようにやっと自分でどうしても失敗した後すぐ補わなければならない立場を強いることようなことはありませんを。<br /><br />　　(9)男子学生達に送るひと言、少しがold：女の人が永遠に忘れることはでき(ありえ)なくて、甚だしきに至っては一生自分の第一個の男の人を愛することができ(ありえ)ます。<br /><br />　　(10)正しくて、1つ注意するのは少し役に立ちません：14歳以下の女の子と性行為が発生して、女の子は賛成しますかどうかに関わらず、すべて違法犯罪です。<br /><br />　　“処女/に関して男性につきあいます”<br /><br />　　(11)処女膜ただ一層のもろくて弱い結締組織;初回性行為は赤いことに会っていないで、それではとても正常です。性行為の以外、あります多くの原因はすべて処女膜が破裂・決裂することをもたらすかもしれません。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >早漏治療薬</a><br /><br />　　(12)女性の乳首、曇る唇が出すのは暗くて、あれは色素の堆積の結果で、処女がいかなる関係がないのではありませんかと。<br /><br />　　(13)試みないでください体つきと顔かたちの外観の上から1人の女の子処女かどうかを判断して、いかなるこのような方法はすべて科学的な根拠がありません。きっと判断しますか？医者を探すのは役に立ちません……<br /><br />　　(14)あなたはもちろん男性の筋につきあう処女/があることができて、これはあなたの自分の選択で、過度に非難すべきほどでもありません;しかしあなたにひと言を送ります&#8212;&#8212;“が要らないでお上に放火するようにことだけを許して、庶民があかりをともすことを許しません”。<br /><br />　　(15)女子学生達に更に送るひと言：できるだけGGにあなたのかつての過去を教えないでください方がよいです;彼が決してあなたを気にかけないかも知れないのが処女ではありませんて、しかしあなたについて、過去のすべてを忘れるのは夫の最大の忠誠に対してかも知れません。<br /><br />　　“避妊しますに関して”<br /><br />　　(16)安全の期限は安全でありません。<br /><br />　　(17)毓tingは特効薬ではありませんて、はかない拠り所ではありません;生命を大事にして、健康を大切にして、用心深く毓tingを使います。<br /><br />　　(18)毓tingを服用した後に、導いてその後数ヶ月間内の月経の乱れていることを申し上げるかもしれなくて、そして月経期の不規則な腟に非血を流すように引き起こすことができます;しかも、これただ毓とティンの副作用のほんの少しの外在する態度。<br /><br />　　(19)コンドームは安全の効き目がある避妊方法です;同時にとても効き目があり性病とエイズをも予防します。<br /><br />　　(20)コンドームは大規模のスーパーマーケット、薬屋などですべて買えることができることができます;使用の質の良いコンドームに応じて、隻図が要らないで安くて劣る商品を買ってきます。;また正しい使用方法を採用することに注意するべきです。<br /><br />　　(21)方法を身に付けてセックスしてレーンコートを着て入浴しますようだと言わないでください&#8212;&#8212;しっかり覚えて、MM長い時間に避妊薬を飲ませることは不完全な体からMMを譲るのです!<br /><br />　　(22)現在の医学の科学的なレベルの下で、いかなる種類の経口避妊薬はすべて副作用があります!<br /><br />　　(23)体外が射精するのはとても安全でありません：性生活の中にすぐ流れ出す少量の精液があって、しかも、男性が高潮まで(へ)時に容易ではありませんコントロールの動作。<br /><br />　　(24)避妊して環をします未婚は、女性を育てていないことに適しないで、推薦しません;同様で、結さつする術は未婚は、男性を育てていないことに適しないです。<br /><br />　　(25)へりの性行為は確かに妊娠を引き起こすかもしれなくて、しかし確率の非常の小ささ。<br /><br />　　“妊娠するかどうか？”<br /><br />　　(26)もし月経はすでに来るならば、それなら十分に妊娠すると説明します。(もちろん、妊娠がその後少量の腟がも現れて血を流すかもしれません、しかし外観の上から判断しやすいです、明らかに月経で区別します)<br /><br />　　(27)もし危険な(妊娠を引き起こすかもしれません)の性行為ならばの後で、月経は期限を過ぎて、直ちに早く妊娠の試験紙を使って(あるいは直接病院に行きます)を検査することを下さい。28月経は遅らせる日を始めてすぐ試験紙で検査して妊娠するかどうかことができます;妊娠の後のでため、この時の尿液の中のhcg値はピーク値を達成します;正しい使用方法に注意して、そしてできるだけ使って朝小便をする方がよいです。<br /><br />　　(28)ふだんの月経とても規則の女性について、たまにの一回の月経はその前の7日間以内遅らせますかます持って、すべてとても正常な現象で、女性の月経の要素のとても多い(例えば天気、飲食、情緒、体の状況など)に影響するためです;この遅らせますかます延長した期限は普通は14日を上回ることはでき(ありえ)ません。<br /><br />　　(29)もし月経はすでに14日以上遅らせて来るならば、そんなに試験紙は結果をテストしてどのようですかに関わらず、すべて病院を招いて系統的な検査を行って、意外な思い(事故)の情況が現れることを免れます。<br /><br />　　(30)食などの早い妊娠の反応に吐き気がして、嘔吐して、飽きて普通は妊娠の5-6週間の(つまり少なくとも1週間を通じて(通って)止まります)の後でやっと現れるかもしれません;これがいいかげんに推測するないでくださいため、早く妊娠の試験紙を使うことを覚えていて下さい。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >早漏防止</a><br /><br />　　“性の衛生・性の健康”<br /><br />　　(31)包皮の垢は男性のペニスの癌とその配偶者の子宮頸癌の重要な原因を引き起こすのです;これは所有する包茎と包皮の長すぎる男性に包皮の原因を切除するように提案しています。<br /><br />　　(32)注意する外に陰部の清潔衛生を頼んで、ふだんいつもきれいに洗うべきで、特に男性!性生活の前は更にこのようです。<br /><br />　　(33)女性の腟はとても強い清潔な能力からがあって、非尊の医者の指示のようです、腟を濫用して液体を洗わないでください。(陰門が液体を洗うのが使うことができるのです)<br /><br />　　(34)かばって別に最も良くない選択を敷くことを使います;綿の本質的な内のズボンを選んで、まめに内のズボンを交換して更に女性の陰門の清潔衛生に利益があります。<br /><br />　　(35)女性はよくこしけの変化の情況に注意するべきです;もし明らかな異常なにおい、色、性状の変化が現れるならば、婦人科の炎症があることを疑うべきで、できるだけ早く病院に行って治療を検査することを下さい;自分で薬品使用は治療を遅らせてそして病状を強めるかもしれないかもしれません。<br /><br />　　(36)性生活の後で腰の酸、背が現れて病状をかわいがって、体力が使うのが大きすぎると説明して、この時多く休みに注意するべきです;これは性の保健の最も基本的な要求です&#8212;&#8212;力に応じて行います。<br /><br />　　(37)性の心理の健康も重視の一方に値するのです;自分がもし性の心理の方面の困惑があることを発見するならば、自分で解決し始めるのがとても困難で、できるだけ早く専門の心理の医者に問合せするべきです。<br /><br />　　(38)性はとても正常な1種の行為なことを空想して、しかし行き過ぎな依存性に返事をしないで達成性が満たすことを空想することに注意するべきです。<br /><br />　　(39)性が(例えば物の癖に恋して、曇る癖などをのぞきます)からそれるのは1種の心理の疾病で、系統的な心理療法を行わなければなりません。<br /><br />　　(40)性の心理と性の生理の健康な態度、人の満ちあふれている活力に持つことができます;自分の性の需要を正視して、追求性健康は提唱するべきな行為で、どんな“きまりが悪いです”の事ではありません。<br /><br />“お流れになりますに関して”<br /><br />　　(41)それとも人の流れかは薬は流れるかに関わらず、ある種類の意義の上から言います、すべて女性の心身の健康に対する壊すことです;生命の重さ、あなたの耐えることができるのですか？と。<br /><br />　　(42)人の流れの術は妊娠の14週間以内で行います;もし14週間を上回るならば、更に苦痛な分娩誘発の術をすることしかできません。<br /><br />　　(43)薬は流れて妊娠49日以内に行います;薬が流れていつもの情況でないを流すことをもたらすかもしれなくて、そのようにまだ苦痛な掻爬手術を行わなければなりません。<br /><br />　　(44)何度もお流れになって(人の流れはそれとも薬が流れるのに関わらず)が子宮の壁を薄くなることができ(ありえ)て、不妊をあるいは習慣流産もたらします。<br /><br />　　(45)お流れになった後に、普通の30-40日は月経を回復します;お流れになった後に応尊の医者の指示は時間どおりに病院へ再検査しに行きます。<br /><br />　　(46)お流れになった後に、1ヶ月以内は絶対に性生活を厳禁します!!!(このところが私が3つの感嘆符を使うことを許します、実は私がまた使いたいのがもっと多いです)<br /><br />　　(47)薬物のお流れになる応用のは処方薬で、くれぐれも医者の指示を経ていないで自分で薬を操作して流れてはいけません;さもなくば、結果は想像に堪えないものがあります。<br /><br />　　(48)現在の広範な展開の無痛の人の流れの手術、一定の程度の上で人の流れの術の女性に持つ苦痛を下げることができます;不幸にももし妊娠する需要はお流れになるならば、これは多くて苦痛な選択の中で互いに比較するとの最優秀方式だかも知れません。<br /><br />　　(49)流産の術の後で十分な休み適切な養生に注意するべきでとおよび、いくつか後遺症を残さないようにします。<br /><br />　　(50)もし妊娠を確定するならば、流産の手術の行う早ければ早いほど良くなります;そのためきっとよく情況に注意して、もし試験紙は陽性にヒントを与えるならば結局、すぐ病院まで(へ)最終的に診断した後に、お流れになる件を連絡します。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >ペニス増大</a><br /><br />　　“妊娠・赤ちゃんを生みます”<br /><br />　　(51)あなた達は1人の赤ちゃんが要りましたか？ほほほ、おめでとうございます;でも、先にその他を禁煙して、禁酒して、解除して精子、卵子の品質の不良な生活習慣に影響するかもしれません。あります、体を検査します!<br /><br />　　(52)妊娠期のその前の3ヶ月間とその後3ヶ月間性生活を禁止するべきです;その間の性生活の動作も返事をしないのがあまりにも激しいです。<br /><br />　　(53)全体の妊娠期間にすべて合理的な食事に注意するべきです、適切な活動、十分な休み、あります気軽な薬品使用。<br /><br />　　(54)医者によって求めることに応じて定期的に病院に行って検査して、全体の妊娠の時母子の健康を保証します;多くいくつか妊娠が保健の書籍を産することを見て、多く医者に教えてもらってと経験の老人がいます。<br /><br />　　(55)出産します!苦労して、親愛なる嫁さん、私は産室の中であなたに付き添うようにしましょう&#8212;&#8212;今たくさんの病院はすべて夫が付き添って出産を許します。<br /><br />　　“性が私のイタリアに従います”<br /><br />　　(56)あなた達気ままな気が狂ったセックスすること;しかし静かで心地良い場所を探さなければならなくて、夜のとばりに包まれていないでください運動場、同じ部屋達静かに眠っている寝室……<br /><br />　　(57)生まれつきSEX大家なことに人がいません;伴侶とゆっくりと慣らし運転して、練習だけあって、ni們性はやっと日に日によくなります。<br /><br />　　(58)あなた達は部屋を取りに行きますか？双方がすべて身分証を身に付けなければならないことを覚えています&#8212;&#8212;結局まだ社会主義の国家です。<br /><br />　　(59)あなたはSMを遊びたいですか？肛交か？できて、でも先にできるだけ伴侶の同意を求める方がよくて、その上、安全、衛生に注意します。<br /><br />　　(60)性愛し合う人の間の楽なゲーム;要らないでいつも永久に変わらない方式を使います&#8212;&#8212;種類を換えてみて、よけいに発明と創造、あなた達はhighは極限に達することができ(ありえ)ます。<br /><br />　　(61)ベッドを叫びますか？ほほほ、思いきりの叫ぶこと、恥ずかしがると感じないでください;あなたの男の人にあなたの楽しみを知っていさせます&#8212;&#8212;これは彼の最も良い方式を励ますのです。<br /><br />　　(62)女の子の性の趣はGGが開発に行ったことを必要とするのです;絶えず探求して、ゆっくりとあなたの彼女の入る性を連れることができ(ありえ)る神秘的な花園。<br /><br />　　(63)相手を拒絶することをマスターします&#8212;&#8212;思わない時自分を無理強いしないでください;同様に相手をも無理強いしないでください。双方のすべて能動的で親切な投入だけあって、このような性は活力があります。<br /><br />　　(64)精液は無毒で、出し入れはあなたのから。(へへへ、ただ少し説明するだけ、あるかも知れないMMがまだ受け入れません、これがどちらでも良いです)<br /><br />　　(65)多くなく言って、性は“私”のイタリアに従います&#8212;&#8212;だから、あなたたち自身の方式の最優秀方式に適します;自分の経験はやっと最も重要です! <br /><br />　　“性病・愛が噴きます”<br /><br />　　(66)現在、中国の政府の報道のエイズギャリアーすでに1百万近く;何をするべきですか？何をするべきでありませんか？自分ではっきり考えます。<br /><br />　　(67)エイズの伝播の方式の血液、体液と母子は垂直に広めます;エイズのひどい携帯者の正常な日常の接触とまったく伝染することはでき(ありえ)ないのです。<br /><br />　　(68)清潔ではありません性生活の後で、自分に対して夫と責任を負う態度から、病院に行く検査しますに性病とエイズに感染してかどうかもらいます。<br /><br />　　(69)性病が治療しやすいと思わないでください：たとえ今の医療の条件の下でですとしても、一部の性病はやはり治愈することができません!たとえば3号の梅毒は死に至ることができ(ありえ)ます!<br /><br />　　(70)いくつかの性病も非性の道を通じて(通って)伝染するかもしれません。<br /><br />“よくある問題”<br /><br />　　(71)生理痛の治療は大規模の漢方医院まで(へ)、長い時間の保養(処理)を行って、長期にわたりただ薬をかわいがって病状を緩和することを服用することができません;しかし多くの原発性の生理痛、ずっと結婚して、出産しますまで(へ)要した後にだんだんある程度ようやく好転することができます。<br /><br />　　(72)男性の亀頭、冠の形の溝のつきあう小さい米粒の大きさの痛くもかゆくもない小さいはしかで現れて、真珠の形の丘疹といいます;性病ではありませんて、伝染しないで、体に対して無害です。<br /><br />　　(73)性生活の後で腟は出血しますか？可能性は婦人科のため炎症、性の動作があまりにも激しく原因を待つので、自分で少し判断します。(婦人科の炎症の明らかな徴候の1つがこしけの変化です)<br /><br />　　(74)性生活の中に痛い現象がありますか？可能性は：最初に何度(か)の性生活の処女膜が不完全に破裂・決裂します、婦人科の炎症、前劇があまり不足を潤滑にすることを招かません。<br /><br />　　(75)あなたは“A切れ”を見ますか？それではとても正常で、私も見ます;でもしっかり覚えて、A中は多くの落とし穴が存在して、A切れは性の知識に等しくなくて、あれと真実な情況はとても大きい開きがあります。<br /><br />　　(76)中国の男性の中で、ペニスが勃起した後に長さの平均値は8-12cmです;あなたは8cmを上回るのでさえすれ(あれ)ば、それならペニスが小さくありません。<br /><br />　　(77)XXのすばらしいかどうか決定的な要素を決定して、愛です、性の技巧です、あなた達の協力です、と男性のペニスの“型番”は必然的に(正常な範囲内でだけが必要です)を連絡していません。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >ED改善</a><br /><br />　　(78)あなたのMM性は冷淡にあしらいますか？彼女は40歳を過ぎていないでしょうか？それならではない性は冷淡にあしらいます;彼女にすこし聞いて、どんな方式を必要とします&#8212;&#8212;多くの時、女性の必要とするもっと多さはやさしくいたわるので、1晩中のひっきりなしに続く性交ではありません!<br /><br />　　(79)あなたのMM腟は緩みますか？彼女は40歳を過ぎていないでしょう、出産したことがないでしょうか？それならではありません;しっかり覚えて、性の技巧と2人の暗黙の了解が協力するのは最も重要です&#8212;&#8212;問題を出してMMへ手元(体)におさないでください!<br /><br />　　(80)あなたのインポテンツか？早漏か？偶然の何度(か)はいかなる問題がありません!私達はこのような年齢ほとんど才能と気性性の病理の変化が現れることがあり得ません;気持ちをリラックスして、自分を信じます&#8212;&#8212;性、もともとゲームです。<br /><br />　　(81)性が自らを慰めるのは自身性の抑えるずっととても正常な方式を緩和するので、いかなる悪い所がありません&#8212;&#8212;は極端ではありません;要らないでそのため心理の負担を背負います!<br /><br />　　(82)正常な生活、学習、仕事に影響しませんのでさえすれ(あれ)ば、そんなにどんな性生活の周波数はすべて正常です;すべての人の体質は異なっていて、性の受ける能力はすぐ異なっています。<br /><br />　　(83)あなたの腎臓はびくびくしますか？いいかげんに勘ぐってはいけなくて、病院に行く検査することを頼んだ後に更に結論をおります;腎臓の広告を補って天地を覆い隠しますが、しかし、あれは私達のこれらの20数(何)歳、血気盛んな大きさの組のに対してそうではありません!<br /><br />　　(84)あなた達の性生活は調和がとれていませんか？伴侶の感銘を聞きます!彼に/彼女がどんな方式が好きなことを聞きますか？性はあなた達の2人の事です!<br /><br />　　(85)膣炎の治療は医者の指示に従って行って、同時、最も良い男女の双方の1つの薬品使用;しかも治療する時できるだけ性生活を免れるべきです。<br /><br />　　(86)子宮外妊娠の発病率はまだとても低くて、特に産婦について;もししかし性生活の1-2週間ぐらいならばの後で、突然激しく腹痛して、寒気がして、発熱して、激しく吐き気がして嘔吐して、激しく頭が痛いことが現象現れて、直ちに病院に行って検査を下さい!<br /><br />　　(87)アベックルームのは親密に男性の睾丸、下腹部の痛みにと調子が悪く思うように引き起こすかもしれないことに接触して、これは正常な現象に属して、休んですぐ好転することができます。<br /><br />　　“性の禁忌”<br /><br />　　(88)媚薬、偉の兄……あなたは食べたいですか？もしあなたは従事性サービス業ではありませんならば、このようにしないでください&#8212;&#8212;あれは健康に対して利益は何もありません。<br /><br />　　(89)いつもわざと射精する時間を遅らせるために精密に発射しないことを我慢することが要りません&#8212;&#8212;体が疲れることをこのようにもたらして、時間が長くなってまた射精しない病気と逆行して射精する病気をもたらすかもしれません。<br /><br />　　(90)女性も性の耐える極限があって、この点を理解するのはとても重要です;適当なところでやめて、極点に達すると逆の方向へ転化します;自分の感銘を聞きます聞きますMM……<br /><br />　　(91)肝機能のよくない人は計画に基づく管轄の性生活に注意するべきで、疲労を免れます。<br /><br />　　(92)たばこを吸って性生活に対して不利な影響をもたらすことができ(ありえ)ます;表示を調査することがあって、たばこを吸う男性のインポテンツの発病率は明らかなのはたばこを吸わない者より高いです。<br /><br />　　“私のMMを愛します”<br /><br />　　(93)MM月経の時に更に多く、思いやり、配慮に関心を持ちます;重要な1時(点)、月経期は性生活を禁止するべきです。<br /><br />　　(94)使って式の衛生的なスライバーを内蔵します良くありませんて、感染をこのように誘発しやすいです;1種の適当な生理用ナプキンを使うのは最優秀選択です。<br /><br />　　(95)セクハラのMMがくれぐれも恐れないでくださいに出会って、たとえ本当に恐れるとしても大胆で、力強い反撃をします;何度もの我慢は、逃れてあれらの下品な男性に一を得て二を望むことしかできません。直接の1の足がけるのは相手に次に最も良い先んずれば人を制すことです!<br /><br />　　(96)胸部の比較的に小さい女性はあまりにも心配する必要はなくて、結婚、出産後に乳房はある程度の再度の発育があることができ(ありえ)ます;盛んです胸の手術についてまた慎重に考慮してもらいます。<br /><br />　　(97)人為的な変化の月経の周期の行為は取る価値がありません;もし必要ならば、病院に行って下さい、医者の指示に従った後に更にいくつか薬物を服用して月経の周期を変えます。<br /><br />　　(98)避妊薬を信用して青春の天然痘のデマを治療することができないでください!たとえこのような効果がありますとしても、あれもただホルモンの役に立つ結果;長期にわたり避妊薬を服用して不完全な体からに違いありません。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >ED助勃</a><br /><br />　　(99)女性はよく乳房の腫れている塊の情況に注意するべきです;もし腫れている塊が現れて明らかに増大して、持続的に痛く消えてなくなりませんならば異常現象、直ちに病院に行って検査するべきです。<a name="more"></a>

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<title>encounter</title>
<description>夜のバスターミナルは、人で溢れかえっていた。色とりどりのキャリーバックを引きながら行き交う人を、並んだ列からぼんやりと眺める。もうあと数時間で日付が変わろうとするこの時間帯に、彼らはどこへ向かうのだろう。明らかに出張帰りという風情のビジネスマンらしき男性や、ショッピングバッグを両手にぶら下げた若い女性もいる。どこかのテーマパークで遊んできた様子の学生達は、輪になって談笑している。長距離の移動に備えてだろうか、売店で食べ物を買っている親子連れもいる。頭上を流れるアナウンスでは、...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-06-15T12:01:51+09:00</dc:date>
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夜のバスターミナルは、人で溢れかえっていた。色とりどりのキャリーバックを引きながら行き交う人を、並んだ列からぼんやりと眺める。もうあと数時間で日付が変わろうとするこの時間帯に、彼らはどこへ向かうのだろう。明らかに出張帰りという風情のビジネスマンらしき男性や、ショッピングバッグを両手にぶら下げた若い女性もいる。どこかのテーマパークで遊んできた様子の学生達は、輪になって談笑している。長距離の移動に備えてだろうか、売店で食べ物を買っている親子連れもいる。頭上を流れるアナウンスでは、有名な観光地に混じって聞いた事のない地名が飛び交っていた。私はといえば、帰省先から学校の寮へ戻るという、月に一度の日常を過ごしているにすぎない。それも、距離的には大した事はなかった。もともと、大学へはかろうじて電車で通える距離なのだが、運賃が高いのと移動の便を考えると、寮へ入ったほうが都合が良かったのだ。こうして月にたった一度、実家と寮を往復するだけでも少々面倒だと思ってしまう私にとって、寮という存在は非常にありがたいものだった。荷物は肩にかけたバッグのみという軽装は、どうもこの場に似つかわしくない。それでもここへ来る度に、何故だか自分までもが旅に出るような気分になってしまう。<br /><br />23時ちょうど発の最終バスが停留所に到着すると、まだドアも開いていないのに、列が僅かに進みだした。私はカバンの中に手をやり、古びた革の小銭入れから、小さく折り畳まれた紙片を取り出す。狭いカード入れの中に無理に押し込んだものだから、端はよれて折れ曲がり、かすかに毛羽立っていた。５枚つづりになっているその一片を切り取り、残りは再び、学生証だとか運転免許証だとかの間に適当に差し込む。やがて、圧縮された空気が漏れるような音を出しながらドアが開き、列はその中へと飲み込まれていった。週明けというのに、下り線は随分と混んでいた。前から３番目の左側の席の窓際に座り、外の様子を眺めていると、次から次へとこのバスに人が乗り込んでくる。いつの間にか、空いていた隣の席も埋まっていた。急に、車体が小刻みに揺れだし、エンジンがかかる。扉が閉まったかと思えば、すぐに再び開き、駆けよってきた人が乗り込んで座席に着くのを確認した後、バスは発車した。しばらく一般道を走り、道路脇に唐突に現れたインターチェンジを通る。加速路に入ると、まるで滑走路を走る離陸直前の飛行機のように速度を上げ始めた。そのことに何故か胸騒ぎのようなものを感じ、いつもは絶対にしないのに、慌てて腰の辺りを探り、引っ張りだしたシートベルトを閉めた。滑るように本線に合流すると、バスはようやく軌道に乗る。昼間は常に渋滞している辺りだが、深夜は気持ちがよい程、空いていた。<br /><br />車窓を流れていく夜のラブホテルはどこか神秘的だ。高速道路の脇に、思い出したようにポツリと現れるそれは、昼間に見ると随分と安っぽい。白い外壁は排気ガスで薄汚れ、ネオンの消えた看板が物悲しく、まるで場末の遊園地にあるお城のようだった。しかし、辺りが夕闇に包まれてライトアップされると、木立に囲まれたそこは、どこかの古城のような風格を漂わせはじめる。そう。夜の闇は、私が行った事も見た事もない、異次元の景色を見せてくれる。クネクネとした銀色のパイプが複雑に絡み合った何かの大きな工場は、まるで映画の中にでてくる遠い未来の宇宙ステーションのよう。道路を添うように流れている黒い川は、その静かな川面に何百という夜の灯りを映しだし、夜空を閉じ込めていた。このバスは、私をどこへ連れて行こうというのだろう。ふと、隣に座っていた人が、カバンの中をごそごそとやり、一冊の本を取り出した。さりげなく横目で盗み見るそれは、どこかの観光ガイドのようだった。地名までは読み取れないのを良いことに、私の妄想はどんどん広がっていく。「どちらからいらしたのですか？」その問いかけに、私の心臓が一瞬大きく跳ねた。その人の手元から慌てて顔を上げると、穏やかな笑みを浮かべた初老の紳士と目が合う。<br /><br />「あ、東京からです」そう答える私を見て、彼は、おや？　とでもいうように首を上品に傾げて、眉をひそめた。同じ場所から乗ったのだから、この質問は少し妙じゃないか、と疑問に思いながら、慌てて考え直す。どこからやって来て、どこへ向かうかなんて、あのバスターミナルでは、それこそ千差万別だろう。「トウキョウ……」そう独り言のようにつぶやくと、彼は驚いたように目を見開いて、私をじっと見つめたまま、口を閉じてしまった。単身赴任のように週明けに上京するのならともかく、下るのだから、珍しいといえば珍しいのだろうか。だが、このバスは、私のように寮に入っている学生がよく利用するので、やっぱり取り立てて珍しいものとは思えなかった。「どうかしました？」不思議に思って口に出すと、彼は意外だとでも言いたげな顔になった。「……あぁ、13区のことですね。いや失礼。その呼び名を聞かなくなって久しいものですからつい」再び彼は、穏やかな笑みにどこか嬉しそうな表情を浮かべながら口を開いた。「珍しいですね。あなたのようなお若い方がその呼び名を知っているのは」これは一体、どういう意味だろう。なんて返したらよいのか分からず、戸惑っている私を見て、彼は不思議そうな顔になった。もしかしたら、少しおかしな人なのかもしれない。何だか怖くなって何も言えないままでいると、彼はまたハッとし、少し早い口調で聞いてきた。<br /><br />「もしかしてあなた、8区の大学の学生さんですか？」無視をするか、もしくは運転手さんに言った方がいいのかもしれないと思いつつ、彼があまりにも切実な様子で話しかけてくるので、つい、口を開いてしまった。「８区とはなんのことでしょう」小さな声で答えると、彼は納得したような顔になり、「やっぱり」と口の中で呟いた。「どうも、迷われたようですな」その言葉に心の中で首をかしげるも、やっぱり怖いので何も言えない。「随分と前に、あなたと同じように迷われた方がいましてね。その方もそこの学生さんでしたよ。あぁ……何て言ったかな。古い呼び名が思い出せない」更なる混乱をもよおす話に、目を白黒させながら黙り込んでいると、彼は気の毒そうな顔で、再び口を開いた。「ごく稀にいらっしゃるんですよ。そういう方が。座標が近いせいで移転装置にバグが生じてしまうことがあるんです。だから私は、書き換えた方がいいと何度も支局に言っているのですが……」彼はそう言うと、一度言葉を切った。「ほら、外を見てごらんなさい」彼は、穏やかな声でそう言いながら、ゆっくりとその方向を指差す。私は、言われるがままに首を左に回して、窓の外を覗き見た。漆黒の空間に、青く輝く球体。どこかで見たことのあるそれは、ピンポン球のように小さく、精巧な模型か何かじゃないかと思うくらい、まるで現実味がない。すぐ側には、バレーボールよりももっと大きな、真っ赤な球体が浮かんでいた。よく見ると、表面がチラチラと揺れていて、火の竜が飛び跳ねているようだった。異様な光景から目が離せないでいると、男性が耳打ちしてきた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/zjyrubjzz.html" target="_blank">RU486</a><br /><br />「素晴らしい眺めでしょう。何度見ても美しい」「あの青くて丸いのは……」「心配はいりません。ちゃんと元の時代に戻れますから。次の駅で一緒に降りましょう」にっこりと微笑まれ、私は訳が分からないまま、そっと頷いた。それを合図に、車体が揺れ始める。驚いてまた外を見るも、先ほどの不思議な光景とは打って変わって、何故か、真っ暗で何も見えない。「着陸の際は遮光されるんですよ」突然、バスの下の方で、何か大きな機械音がした。「さぁ、着きましたよ」車体の揺れが収まるなり、彼が私に声をかけた。もう一度窓の外を覗くと、そこは、ごく普通のバス停だった。頼り無さげな街灯に照らされた簡素な看板には、25という数字のみが表示されている。乗客を数人降ろすと、バスはごく普通に走り去っていった。迎えに来た人との再会を喜び、抱き合ったり、握手をしたりしている人がいる。乗り継ぎをする人は、側にあった時刻表らしきものと時計を見比べている。やがて、それぞれの目的地へ散り散りになっていき、辺りはシンと静まり返った彼に促され、私は目の前の古びた建物へと向かう。中に入ると、待ち合い室になっているようで、簡素な木のベンチが何本か並べてあった。時間が時間なので、腰掛けている人はごく僅かだ。バックパックを枕代わりにして寝ている人もいれば、会社帰りのサラリーマンらしき人もいる。その前を通り過ぎようとしたとき、ふと、男性が足を止めた。<br /><br />「おや」その声に顔をあげた、男性というよりは青年といった顔つきのスーツ姿の会社員が、少し驚いたような表情で、こちらに目を向けた。「こんな時間に会うとは」「僕も驚いたよ」「お前も遅くまで大変だな」「父さんこそ、これから次の便に？」「あぁ、そのつもりだったんだが」そこまで言うと、男性は掌を私に向けて、紹介するような身振りをした。「例の大学の学生さんでね。また迷い込まれたようなんだ。困ったもんだな」「またか。それは困ったな」二人は、困った困ったと言いながらも、いたってのんびりとした口調で話し始めた。そこからは、さして困ったような雰囲気は微塵も感じられない。「あのバス停の座標はよろしくないと、私はもう何度か支局に言っているんだがね」「変更するとなると、近隣の方から苦情が来るんだよ」「まぁ、そっちも大変なのは分かるけどなぁ」「それに、上はなかなか腰をあげないんだよ」「今の所、目立った被害は起きていないからな」「……そうだね。元の時代に戻っても、夢だと思って忘れてしまうようだから」二人はまるで、平和な世間話でもしているかのように、呑気そうにそう言う。どこか腑に落ちない私は、被害者として何か言うべきだと思い、口を開きかけると、こちらに振り向いた青年と目が合った。<br /><br />「今夜はもう遅いから、僕の家に泊まるといいよ」親しみやすい、優しげな笑みを浮かべる青年に、頷きそうになって慌てて留まる。どこか、遠いところへ来てしまったらしいことは確かだが、だからと言って、見ず知らずの人の家に泊まるなんて、どんなところだろうと危険なことに変わりはない。「あの、ご迷惑なので……」そこまで言いかけて、ふと黙り込む。この見ず知らずの土地で、どうしろというのだ。宿に泊まるにしても、持ち合わせはごく僅かだし、一人になるのはもの凄く心細かった。運良く親切そうな人に出会えたのだから、好意に甘えたいというのが本心ではあった。「あぁ、警戒させてしまったね。でも、泊まるにしても、この辺りは宿がないからなぁ」青年は、ぼやくようにそう言って、少し気まずそうな顔になると、恥ずかしげに笑った。男性は、不安そうな顔をしている私を覗き込み、穏やかな表情のまま口を開いた。「これは私の不肖の息子ではありますが、一応、支局直属の計算師として働いているので、心配しなくても大丈夫ですよ」そうは言っても、私のいたところと勝手が違うのだから、何を基準に信用すればよいのか分からない。頷くわけにもいかず、どうすれば良いのか分からないまま黙っていると、男性は再び口を開いた。「私の家にお招きすれば一番良いのかもしれませんが、実はこれから出張でして」男性は申し訳なさそうに、頭に手をやりながら説明をする。私は急に、寂しいような気持ちになった。<br /><br />「彼の家はこの近くですし、そうすれば明日には帰ることができますから」どちらにせよ、今の私に与えられた選択肢は二つだった。ここで夜を明かすか、青年の家に泊まるか。「狭い家だけど、一応客室はあるから安心していいよ」青年は、屈託ない笑顔でそう言うと、腕時計に目をやった。「あぁ、時間だ。最終便が来るから急ごう」そう言ってベンチから立ち上がり、戸惑っている私の背中を、促すように軽く叩いた。「それではお嬢さん、またいつかお目にかかりましょう」男性は、初めて会ったときと同じように、穏やかな笑みを浮かべながら手を差し出した。私は、無意識のうちにその手を握り、彼と目を合わせる。「さようなら」私は、青年に腕を引かれながら、建物の外へ出て行った。バスには、私と青年しか乗っていなかった。何の変哲もない、ごく普通のバスだったが、窓から見える景色も、いたって普通の住宅街だった。所々に立っている街灯の黄色い灯りが、ぼんやりと辺りを浮かび上がらせていた。「ご飯はもう食べた？」「はい」「遠慮しないでいいよ。今日は疲れたでしょう」「いいえ。大丈夫です」男性は心配しなくていいとは言ったものの、未だに緊張が解けない。家を出るときに軽い夕飯を食べてきたこともあったが、胃の辺りがもたれたように重くなっていた。とても、何かを口にする気にはなれない。「ごめんね。迷惑をかけてしまって」ふと青年が、ぽつりと口を開いた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/mmzd.html" target="_blank">MaxMan</a><br /><br />「昔はね、こういうことがあると歴史が変わってしまうって、大騒ぎしていたこともあったんだ。ほら、確か古い映画にあったよね。そういうの」多分、あれのことかな、と、私のお気に入りの映画のひとつのことを思い浮かべる。「でもね、今、僕がいるこの世界は、君の世界の未来とは少し違うんだよ」そう言った彼の表情は、何故か少し寂しそうだった。「あるとき一人の学者が論文を発表して、過去と未来は繋がっていないって実証したんだ」彼は、膝の上で手を組み、遠くを見るように前を向く。私は、彼の口元のあたりをぼんやりと見つめた。じっと耳をすませると、彼の柔らかい声の後ろから、静かなエンジンの音が聞こえてくる。「例えば大昔の話で、たまたま僕たちの祖先が生き残ったから今の僕たちがいるんだって思うでしょ。でもね恐竜達が生き残った別の世界も存在するってことなんだ」「行ったことあるんですか？」思わずそう聞くと、彼は笑って首をふった。「ないよ。理論上の話だからね。座標が分からないから行くことはできないし、行けたとしても向こうに移転装置がなければ戻ってくることができない」何となく、彼の言っていることが分かるような気がして、曖昧に頷くと、彼は困ったように笑った。５つ目の駅を過ぎてしばらくすると、彼が停車ボタンを押した。車内のアナウンスもないのに、よく降りる場所が分かるなと、少し感心する。<br /><br />「そりゃ、毎日乗ってれば分かるよ」バスが止まると、彼は少し慌てた様子で財布の中から回数券のようなものを数枚引っぱりだした。「これ、この子のぶんです」彼は運転手に定期券のようなものを見せながら、先ほど取り出した紙片を降車口脇にあるボックスに差し込む。「小銭を持っていなかったから少し焦ったよ」「あぁ、私もよくやります」少しだけ、二人で笑い合う。「こういうところは何故か進歩がないんだよね」照れくさそうに笑う彼を見て、何故か私は安堵した。自分のいた時代と何ら変わりないそのやり取りが、不思議と心地よかった。25－6とだけ書かれた停留所のすぐ目の前には、４階建てくらいの平たいアパートが、規則正しく何棟も連なっていた。コンクリートのような壁面が、灯りに照らされて鈍く光っている。団地と様子が似ていたが、こちらの方が間取りが広そうだった。「ここまで来れば、土地がいくらでも余ってるって思ったんだろうな」アパートに向かって歩きながら、彼は話し始めた。「そんなに人口が増えたんですか」「そう。だから余裕でいられたのは最初の頃だけ。庭付き一戸建てなんて夢の話だよ」少しおどけた様子で、彼は夜空を指差す。「せっかくこんなに遠くまでやってきたのにね」その言葉に、私は急に鼻の奥がツンとして、どうしてだか涙が出そうになった。６と壁に大きく書かれた棟に入り、私達は金属製の古くさい螺旋階段を上り始めた。静かな空間に、カンカンと二人の足音が響きわたる。3階まで一気に上ると、少し息が切れてしまった。<br /><br />「大丈夫？　ここは新しいタイプの住宅地だから、エレベーターがついてないんだ」気遣うような彼の言葉に、私は肩で息をしながら無言で頷く。「新型なのに、ついてないんですか」「うん。予算をケチったんだよ」なるほど、と荒い息を吐きながら、私達はまた少し笑い合った。ようやく4階の、一番奥の扉の前までたどり着き、彼が鍵を回す。「はい、どうぞ。お疲れさま」そう言って扉を開けると、何かのセンサーが自動的に作動するのか、照明がパッと付いた。「すぐに何かいれるね。お茶でいい？」「あ、どうぞおかまいなく」白熱灯に照らされた空間は、おどろくほど所帯染みていた。12畳程度の広さの部屋に、変わったところなど何も見当たらない。中央には、一人がけのソファと足の低い小さなテーブルが置かれていた。壁一面に備え付けられた大きな書棚には、本や雑誌だけでなく、よく分からない細々としたものがあちこちに放りこまれていた。毛足の長いベージュのカーペットの上に、ちゃんと靴を脱いであがり、彼の様子を観察する。こじんまりとしたキッチンは小綺麗に片付けられていたが、朝食に使ったのだろうか、パン切りナイフと、使いこんだ感じの木の板が無造作に置かれていた。彼は、コンロの上にあった銀色のケトルを掴むと、蛇口を捻り、勢いよく流れ出る水に注ぎ口をあてがった。<br /><br />「そこのソファにかけてて」そう言って私を促し、カチリとコンロの栓をひねる。「それは、ガスですか？」ボウッと音をたてている青白い炎を、少し遠巻きに見つめながら、彼に聞く。「そうだよ。ここは資源だけは無駄に豊富でね。電気より安いんだ」ふと、右隣の書棚を何気なく見やると、ちょうど目線の位置に立てかけてある、透明の板に気がつく。その間には、何か小さな白い紙片が挟まっていた。「僕の母は、君の大学の学生だったんだ」彼はこちらに歩み寄ると、私の視線の先を見てその板を手に取り、差し出してきた。よく見ると、白いと思った紙の端は黄色く褐変し、所々に小さな染みにようなものができている。「これ、28年前の学生証です」そう言って私は自分のカバンの中を探り、小銭入れから一枚のプラスティック製のカードを取り出した。目の前にあるものと見比べると、変わっていないのは校章だけで、押された朱印の形が違っていたり、学部の名前が編成前のものだったりと、随分と様変わりしていた。「母も、君と同じくらいの歳にここに迷い込んできた」彼は、学生証から目を離さずに、ポツリと呟く。「父と出逢って、結婚して、僕が生まれた。でも、僕が12才のときに、もとの時代に戻ってしまったんだ」急に、彼のお父さんの言葉を思い出した。随分と前に、ここに来た学生とは、彼女のことだったのだろうか。剥がれかかった白黒の写真から、髪の長い綺麗な女性が、少し緊張した眼差しでこちらを見つめていた。「きっと、故郷が恋しくてたまらなかったんだね」彼は、そっと、写真に語りかけるようにして呟いた。それは、どこか不思議な話だった。ここは、驚くほど私のいたところと似ている。どちらが私の世界なのか、分からないくらいに。<br /><br />「いくら似ていてもね、母さんにとっての故郷は、ずっとあそこだったんだと思う」私の心の中を読んだかのように、彼は続ける。「ごめんね。嘘をついた。本当は、僕の一存で座標を変えることはできるんだ」彼は、少し申し訳なさそうな声で私に言う。「それが仕事だからね」学生証から顔をあげると、彼はやっぱり申し訳なさそうな顔をしていた。「でもね、23時発の前から３番目の左側の窓際に座っていればいいわけじゃない。色々な要因が重なり合って、偶然としかいえないような確率で、君はここに来たんだよ」そう言って、彼はぎこちなく笑ってみせた。私も、つられて笑おうとしたが、うまく笑えなかった。「それでも僕が座標を変えないでいるのは、いつか会えるかもしれないと、未練がましく期待をしているから」「お母さんは、きっと後悔してると思います」彼が今にも泣き出しそうだったので、つい、口に出してしまった。だが、こんなことを言ってもどうにもならない。彼女は、もう二度と、ここには戻れないのかもしれないのだから。「ありがとう。でもね、たぶん、僕は母さんを見ることができるんだよ」彼は少し嬉しそうな顔で私を窓辺に連れていった。生成りの薄手のカーテンをさっと引き、窓を開ける。「ほら、あそこにある光は、とても古いものだから」そう言って、彼は夜空に瞬く無数の星を見上げた。<br /><br />突然、思い出したようなタイミングで、シュンシュンとお湯の沸く音が後ろから聞こえてくる。慌てて彼は窓を閉めると、キッチンへ駆け込み、コンロの火を消した。「コーヒーと紅茶、どっちがいい？」「紅茶がいいです」少し大きめの声で、奥から話しかける彼に、同じように声を張って答えてから、私は窓際を離れた。翌朝、控えめなノック音で目が覚めて慌ててリビングに行くと、机の上には既に朝食の準備が整っていた。「おはよう。よく眠れた？」「すみません。寝坊しました」彼は、昨日とは違う色のスーツを着ていて、今にも出勤できそうな様子だった。遅刻させてしまったのかもと思い、不安に思いながら側にいくと、彼は紅茶の入ったポットを手渡してきた。「気にしないで。今日は遅番だから。早番だったら叩き起こしてたけどね」楽しそうにそう言って、彼はキッチンからスツールを引っ張りだし、席につく。私は、ポットから二人分のお茶を注ぎ、一人がけのソファに座った。「いただきます」焼きたてのトーストには、厚切りのバターが乗っていて、じわじわと下のほうが溶けはじめている。小さなティースプーンでそれを塗り広げようとするが、上のほうがまだ硬く、うまくいかない。お腹の空いていた私は、もどかしくなってスプーンを置き、端からかじり付いた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/yyj.html" target="_blank">夜夜堅 </a><br /><br />「君の分も焼くね」私の食欲を見て、彼はパンをもう２枚切り、トースターにセットする。昨日感じていた胃のつかえは、ぐっすりと眠ったせいか、すっかり消えていた。カーテンの間から差し込む日差しは温かく、柔らかで、とても心地良い。様子がまったく違うのに、まるで自分の部屋にいるような錯覚すら覚える。「ごめん。今、お米を切らしてて、パンしかないんだ」「パンは好きです」「良かった。納豆もあるけど、上にかける？」思わず私は、最後のひとかけらを口に放り込むのをやめて、彼の顔をじっと見つめた。「パンの上にかけて海苔と一緒に食べると美味しいんだけど」彼は、私の表情を見て言わんとしたことが伝わったのか、少し自信なさげにモゴモゴと呟いた。「その食べ方は、初めて聞きました」「あれ、おかしいな……」朝食を終えると、彼は、机の上にごろりと転がっていた果物を剥いてくれた。分厚い皮を剥くたびに、細かな黄色の飛沫がとび散り、あたり一面を爽やかな香りで満たしていく。それは、ごく普通の、少し酸味の強い夏みかんだった。「お土産に持っていくと良いよ」部屋を出るときも、そう言って彼は、私に一個、投げてよこしてきた。手にしてみても、やっぱり何の変哲もないただの夏みかんだったが、何故か、とても大事なもののように思えてきて、カバンの中にそっと仕舞いこんだ。がらがらに空いたバスに乗り、昨日来た道を戻る途中、私は彼に話しかけてみた。「やっぱり、私のいた時代は、あなたの時代に繋がっているように思えるんですが」彼は、少し驚いたような表情になり、「そう？」と言って優しく笑った。<br /><br />「うまく言えないけれど、私達が、変わらないままであり続けたから、ここが在るような気がするんです」「そうだね。もしかしたら、どこかで繋がっているかもしれないな」私達は、昨日と同じ、25とだけ書かれたそっけないバス停で別のバスに乗り換えた。外の景色を眺めていると、住宅街の中に、少しだけ高い建物がちらほらと見えはじめてくる。やがてバスは、一際古そうな、大きな建物の前でとまった。その停留所には、25－30と書かれていたが、彼の家からどのくらい離れているのかはよく分からなかった。建物に近づくと、茶色の外壁は所々剥げていて、修繕中なのか足場が組まれている。警備員さんに挨拶をして中に入り、正面に設置された古いエレベーターに乗り込む。彼が6と書かれたボタンを押し、「閉」ボタンを押そうとすると、扉の向こうから駆けてくる人が見えた。「あぁ、すみません」「何階ですか？」「8階をお願いします」彼が8と書かれたボタンを押すと、扉はガタガタと音をたてながら勝手に閉まっていった。「そちらは」後から乗ってきた中年の男性は、私を見ながら彼に問う。「例の、23時発の被害者ですよ」「これは珍しい。とんだ災難でしたね」その人は、私に向かってにっこりと笑いかけると、急にいたずらっぽい目つきになった。<br /><br />「ここで見たことは、誰にも話してはいけませんよ」「なに言ってんですか」青年が、少し呆れたような口調で口をはさむと、彼は笑い声をあげた。男性と別れて6階で降りると、そこは、ごく普通の事務所のようだった。青年より少し年齢が上に見える一人の男性が、パソコンのようなものに向かって何かしていたが、私達が通ると、顔を上げてきた。「よう。そろそろ交替の時間か」「あぁ、でもその前に、9号室を使わせてもらうよ」「珍しいな」「これを期に、座標を書き換えようと思ってるんだ」彼は、珍しいと言うわりには、取り立てて驚いた様子もなく、私を見るとニヤリと笑った。「いいのか？」「何が？」「俺はてっきり、お前が座標を変えないのは何か如何わしい理由があると思っていたんだが」「うるさいよ」青年は、笑ってあしらうと、私を奥の部屋へと連れていった。「そこに立って」部屋の中は、まるでどこかの研究室のように、重厚な機械で溢れかえっていた。無数の配線が壁と床を這い、ピカピカに磨かれた銀色のそれらは、古いタイル張りの床の上で、異様なコントラストを成していた。言われた通り、彼が指差した所に立つが、別に何かの印があるわけでもなく、ここからどうやって私は元の時代に戻るのだろうかと、不思議な気持ちになった。「あぁ、これだ」彼は、机に設置された大きな画面上に映しだされた無数に並ぶ数字の配列をしばらく見つめると、納得したような声をだした。<br /><br />「ほら、ここにバグができてる」そう言って、私の方を見て画面を指差すが、私には何のことだかさっぱり分からない。「今から座標を割り出すから少し待ってて」再び、彼は数字の配列に向き直り、何やら打ち込みはじめた。私は思わず、その後ろ姿に向かって話しかけた。「座標は、変えてしまうんですか」「うん。君が無事に戻ったらね」彼は打ち込む速度を緩めずに口を開く。「変えないでください」口から出た声は予想に反して随分と大きく、少し強い調子だったので、驚いた様子で彼がこちらに振り向いた。「その、今の所、目立った被害は起きていないから……」気まずくなって慌てて付け足すと、彼は、少し困ったような、でも口元には淡い笑みを浮かべながら、私をじっと見つめた。しばらくの間、奇妙な沈黙が続いた。相変わらず彼は、優しげなまなざしで私を見つめたまま何も言わないので、とても居心地が悪い。「そんなことを言われると、どうしていいのか分からなくなるよ」やがて彼は、やっぱり困ったような笑みで小さく呟くと、くるりと画面に向き直り、素早く何かを打ち込んだ。「これでよし。さぁ、そこに立って。もっと奥だよ」彼は、声の調子を少しだけ変えて私を促すも、そこにあるのはただの床だから、どこに立てばいいのかいまいち分かり辛い。「その辺りでいいよ。うん。さてと、準備はいいかな。忘れ物はない？」その言葉に、肩からさげたカバンの中を念のため覗いてみるが、大したものは入っていなかった。私が頷くのを確認すると、彼は、また素早く何かを打ち込んだ。その瞬間、周囲の機械がうなりをあげて起動をはじめ、そのかすかな振動が、床から私の足の裏に伝わってくる。<br /><br />「あの、これでもうお別れなんですか？」少し騒がしくなった周囲の音に負けないように、私は声を出す。彼は、そっと首を横に振った。「また朝ご飯を食べにおいで。今度はご飯と塩鮭を用意しておくよ」「でも」「もしかしたら僕は、そっちに行くかもしれない。いつかね」確かにそう言って微笑む彼に、私は大きく頷いた。すると、辺りは突然、巨大なフラッシュでもたいたように強い光に包まれる。私は、眩しさのあまり強く目を瞑ると、その光は瞼の内側まで入ってきた。目の前が、白に浸食されていく。気がつくと、私は車窓をぼんやりと眺めていた。バスは既に高速道路を降りていて、人気のない深夜の一般道を走っている。ふと前を向くと、時刻はちょうど、0時を少し回ったところだった。道路が空いているため、昼間よりも随分と早く着くことに、少しだけ得をしたような気持ちになる。ふわりと、唐突にそれは漂ってきた。「いい香りですね」急に話しかけられたのでびくりとして隣をみると、一人の女性と目が合った。私の母親よりも少し若そうなその人は、どこかで見たことのあるような顔をしていて、それが何故だか思い出せない。不思議に思って、まじまじと見つめると、彼女は優しげな微笑みを浮かべた。「とても、懐かしい香りだわ」彼女はそう言って、少しの間目を瞑り、小さく溜め息をついた。私は、カバンの中からその香りの元を取り出した。「よかったらどうぞ」「あら、いいのかしら」女性は、まるで少女のように顔をほころばせて喜んだ。「えぇ、私はもう食べたので」彼女は私から夏みかんを受け取ると、そっと顔を近づけた。「本当に、良い香り」再び私は車窓に目を向ける。そこから見える景色は、見覚えがあるようでいて、でも、何かが違っていた。バスは、夜の道路をひっそりと走っていた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qumei.html" target="_blank">曲美</a><a name="more"></a>

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<title>ジゼル</title>
<description>うちの家族は基本的に何故か全員俺に甘い。例えばそれが両親がはやくに離婚して父子家庭となったので、仕事で忙しい父にかわって他の兄弟が寂しがらないようにと末っ子を甘やかす、というような状況ならばまだ納得が出来る。実際両親がはやくに離婚しているし、父もそこそこ有名な会社の社長なんて肩書きを持っているので多忙を極めてはいるのだが。だけど・・・だけど、ひとつ普通と違っているのは、甘やかされているのが３人兄弟の次男である俺だという事。普通こういう場合、甘やかす対象って一番年齢の低い三男じ...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
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うちの家族は基本的に何故か全員俺に甘い。例えばそれが両親がはやくに離婚して父子家庭となったので、仕事で忙しい父にかわって他の兄弟が寂しがらないようにと末っ子を甘やかす、というような状況ならばまだ納得が出来る。実際両親がはやくに離婚しているし、父もそこそこ有名な会社の社長なんて肩書きを持っているので多忙を極めてはいるのだが。だけど・・・だけど、ひとつ普通と違っているのは、甘やかされているのが３人兄弟の次男である俺だという事。普通こういう場合、甘やかす対象って一番年齢の低い三男じゃないのか？「忠実、携帯いじりながらご飯を食べるのはよくないよ。」「んー、わかった。ごめんなさい。」父、弘人（ひろと）が、三男 忠実（ただみ）に優しく注意する。それに、反抗する事無く可愛らしく舌を出して返事を返す忠実。それを見て苦笑しながら家族全員のご飯をよそる長男 和巳（かずみ）、そして、そんな光景をぼけっと見つめているのが俺、次男の七海（ななみ）。穏やかな時間が流れる皆川家の朝の風景だ。温和で優しい父親、家事全般をこなす母親のような役割を担っている兄の和巳、やんちゃで人懐っこくて愛らしい容姿の末っ子忠実。そんな家族に囲まれている俺はというと、一言で「微妙」良くて「普通」の高校生。家事が出来るわけでもなく、弟のように愛想がいいわけでもなく、本当に普通。それが俺。なのに。 <br /><br />「・・・七海？全然 箸が進んでないけど・・・煮物口に合わなかった？」食事を始めてから１０分ほど経っても、まだ眠気が取れきれずぼーっとしていた俺に兄が心配そうに声をかけてくる。「・・・え、ああ、平気。」それに生返事を返すと、すかさず弟が口を挟む。「なな兄、さっきから全然食べてないよ！もしかして調子悪いの？病院いく？」きゅーん、と子犬のように目を潤ませて心配そうに見つめる忠実。犬だったら耳がへにゃりとなっていそうなほど眉を八の字にして俺を見つめている。「七海君、大丈夫？学校、休んでもいいんだよ？」そしてさらに、今まで黙っていた父までもが俺を気遣わしげに見つめてくる始末。・・・ちょっと、眠気が覚めてないだけでこの心配・・・。過保護すぎるだろ！「あ、のさ、別に調子悪いとかじゃないから。大丈夫。ちょっと眠かっただけ！兄貴の作った煮物、美味しいよ！」慌てて、この三人に大丈夫だと主張して、ようやく納得したのか食事を再開する３人。・・・すげぇ、疲れるんだけど・・・。こう、目に見えて家族から甘やかされるのって何か腑に落ちないんだよなぁ。けれど、こうやって甘やかされて育てられた結果なのか、何なのか、俺は何故だか父さんに甘いらしい。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dlshi.html" target="_blank" >多楽士コンドーム 超薄型</a> <br /><br />自分では自覚がないので分からないけど。俺は断じて父親に甘えたいバカ息子とかじゃなく、純粋に父親を慕っている。ただ、父さんがあまりにもぼえぼえしてて、ちょっと天然が入ってて、優しくてカッコイイから、その、放っておけないんだ。それを友人に以前話したら「お前、それをファザコンって言うんだよ！」とつっこまれた。失礼な。まぁ、違うと言い切れないから切ないんだけど・・・。俺が父に甘い原因は父自身にあると俺は思う。父は３０代後半とは思えないほどの美形で（たまに本当に血がつながっているのか疑問に思うことがある）、しかも物凄くおっとりした性格。会社社長とは思えないくらい物腰が柔らかいし。でも、これを父をよく知る長年の友人であり、父の秘書である松永さんに言うと大爆笑される。何でも、昔の父は相当悪かったらしい。松永さん曰く「ヤクザか殺し屋にでもなればよかったのに」らしい。父が今のように性格が丸くなったのは俺が生まれた頃あたりからなのだとか。それを松永さんから聞いたとき、俺は純粋に２人目が生まれて家族の大切さがさらに分かったから優しくなったんじゃないですか、と言った。すると松永さんは腹を抱えて笑い出して「なぁ、七海。面白い事教えてやるよ。弘人の嫁が１人目を生んだ時、弘人が周りに何て言ってたか知ってるか？　―――不慮の事故で女が孕みやがった、って言ってたぜ。」楽しそうに言った松永さんに俺は衝撃を受けたのを覚えている。きっと松永さんは俺をからかったんだろうけど、冗談にしてもたちが悪い。本当に、何で父はあんな性格の悪い人を秘書になんかしたんだろう。と、まぁ、俺は松永さんの話を全く信じちゃいなかった。「・・・ごめん、七海。俺、もう我慢できないんだ。」 <br /><br />・・・何、この状況。それは、ある休日に起こった。その日は、忠実が部活で朝早くに出かけ、更に父が突然仕事が入った、と会社に行ってしまい、兄貴と２人で昼食をとり、のんびりリビングで寛いでいたはずなのに・・・何故、俺は兄にソファーの上で押し倒されているのか。「・・・兄貴？あの、重いんだけど・・・。」どいてくれ、と兄貴の身体を手で押すも、びくともしない。優男な雰囲気の癖して、兄貴は意外と力が強い。「・・・七海、お前が可愛くて仕方がないんだ。もう、我慢できない・・・愛してるんだ。」そう言って切なそうに眉を寄せる姿は、さすが高校時代モデルの仕事をしていただけあるな、と関心せずにはいられない。けれど・・・頭、大丈夫かコイツ。「・・・はぁあ！？ちょ、変な冗談やめろって、兄貴っ！」必死に兄貴の下で暴れるんだけど、非力な俺ではどうにもならない。「・・・冗談なんかじゃないよ、七海。ずっとお前が好きだった。」「・・・好きだったって、俺達兄弟じゃねぇかよ！！おいっ、服、脱がすな！！！」何て事ぬかしてんだ、バカ兄貴！目を覚ませ！と必死に叫んでいたその時、ドサッ・・・リビングの入り口で、何かが落ちる音がした。そこには、部活動カバンを床に落とし、放心したようにこちらを見つめる忠実の姿があった。「・・・忠実、お前、部活は・・・？」ちっ、と舌打ちしながら視線だけを忠実に向け問う兄貴。「・・・今日は、午前で終わりだよ。・・・それより、何やってるの、カズ兄。」そりゃそうだ。実の兄弟がソファーでこんな体制で組み合っているのだ。驚かないわけがない。いい所に帰ってきてくれた、忠実！このアホ兄貴をどうにかしてくれ！俺がそう叫ぼうとした瞬間、忠実は恐ろしい形相で兄貴を睨みつけながら、怒鳴った。「ずるいよ、カズ兄！！抜け駆けは絶対なしだって約束したじゃないか！！！」・・・え？「俺だって、ナナ兄に触りたいの我慢してたのにっ！誰も居ないとき狙ってナナ兄に手出すなんて最低だよ！！」そう言いながらズカズカと俺と兄貴が居るソファーに向かってくる忠実。「ふん、油断してたお前が悪いんだろう。それに、俺は約束なんかした覚えはないぞ。邪魔が入らないこんなチャンスを逃すわけないじゃないか。」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dls.html" target="_blank" >多楽士コンドーム カラー型</a> <br /><br />・・・頭がくらくらしてきた・・・。「・・・カズ兄ばっかりずるい！俺もナナ兄に触るっ！！！」・・・何でそうなるんだよ！？「おい、兄貴っ、忠実、冗談はもうやめろっ！」俺は必死に手足をばたつかせて俺に乗っかっている兄貴を振りほどこうとした。しかし、兄貴の手が俺の手を簡単に封じこめ、挙句に弟の忠実に足を押さえつけられ一切身動きが取れない状況に陥ってしまった。「おい、忠実。お前は邪魔だ。向こうに行ってろ。」「ふざけた事言わないでよ、カズ兄こそ、邪魔だよ！」何なんだよ、こいつら・・・急に、何でこんな事・・・「も、う、やめ・・・っ」俺がパニックに陥りかけたその時、リビングの端からのんびりとした父の声が響いた。「お取り込み中申し訳ないんだけど。」この状況を見ても、いつもと変わらない父ののほほんとした態度に俺は泣きたくなった。「・・・父さん、会社・・・」驚いたように眼を見開く兄貴に、同じように忠実も驚いていた。「仕事が思いのほか速く片付いてね。・・・それより、七海を放しなさい、和巳。」いつもの穏やかな口調なのに、絶対に逆らってはいけない雰囲気を出している父に、さすがの兄貴も逆らう事ができなかったのか、俺の上から身体を離した。「・・・七海、こっちにおいで。」父が、余りにも優しく、ふわりと笑ったから。俺は、半泣きで父の元へ足をもつれさせながら走った。縋りつくように父に抱きついた俺を、父が優しく抱きとめてくれた。そして、到底今までの父とは思えないような凄みのある形相で、父が兄貴と忠実を睨んで言い放った。 <br /><br />「・・・自由にさせていれば、ふざけた真似しやがって、ガキ共が。」・・・え？父さん・・・？今まで聞いた事もない低い声を発する父に、驚いた俺は、ばっと顔を上げた。「・・・と、さん・・・？」俺が怯えているのが分かったのか、父はさっきとは打って変わって優しい表情で俺に微笑んだ。「ん？どうしたの、七海君。」兄貴達を相手にするのとは、全然違う優しい声色に俺の頬が熱くなるのが分かった。「真っ赤になった。可愛いね。」なんて耳元で囁く父さん。「ちょっ、耳やぁ・・・っ」「七海君は耳が弱いんだね。」なんて嬉しそうに呟くから。俺は、兄貴達に手足をつかまれたときみたいな抵抗なんて全くできなくて。そんな俺を嬉しそうに見つめた後、父が急に俺の身体を抱き上げた。「え、父さんっ！？」吃驚する俺に、優しく笑いかけて、それから父は視線を悔しそうに唇を噛んでいた兄貴達に向けた。「金輪際ふざけた真似はするな。七海は俺のものだ。今度、七海に触れたら・・・殺すぞ。」そう言い放つ父の表情が今まで見たこともないくらい怖くて、支配者の瞳で睨まれた兄貴と忠実の身体が恐怖に震えた。余りの恐怖に、２人の膝がガクガクと揺れていたのを見て、俺はようやく松永さんの言葉が事実だった事を理解した。 <br /><br />そして <br /><br />抱きかかえられたままの俺は、何故かそのまま父の寝室まで連れて行かれてしまった。それから、優しくベッドに降ろされた。「・・・どうして抵抗しないの？和巳たちにされてたときみたいに抵抗しないと、襲うよ？」いいの？と聞いてくる父に、今日一日で許容量を遥かに超えてしまっている俺は、父の言っている事の大半を理解しないまま、それでも、父になら何をされてもいいと思ってしまっていた。「・・・七海、可愛いね。」余りにもいろんなことがありすぎて。余りにも兄貴と弟に言われた言葉の数々にショックを受けすぎて。だけど、父のこの優しい表情をみた瞬間　―――すごく安心したんだ。「・・・ひどいこと、しない？」「しないよ。俺が七海に酷い事した事あった？」クスクス笑う父に、ドキドキしてしまって。「・・・父さんなら、いいよ。」「愛してるよ、七海。」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/duoleshi.html" target="_blank" >多楽士コンドーム 潤滑型</a><a name="more"></a>

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<dc:creator>ads by Seesaa</dc:creator>
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<title>コドモアツカイ</title>
<description>――ヴ―ン、と、耳に響く小さな振動音が感情の麻痺をいよいよ確実にしようとしてる時、扉の向こうで鍵が落ちた。「ただいまー。外、風強かったー」スニーカーを脱ぐ音、重い扉が閉まる音。男と一緒に部屋の中に入ってきた風が湿った肌を撫で、少女は身を震わせた。「丁度時間帯が悪かったなあ。朝メシて思ってたおにぎり売り切れてたよ。高菜のヤツ。まあ明日早目に出ればいいか。あ、でもこれはちゃんと買ってきたから。プリン。ほら。ぜーたくに生クリーム乗ってるやつにしたよー・・・椰智？」黒いソファの上に横...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
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――ヴ―ン、と、耳に響く小さな振動音が感情の麻痺をいよいよ確実にしようとしてる時、扉の向こうで鍵が落ちた。<br /><br />「ただいまー。外、風強かったー」<br /><br />スニーカーを脱ぐ音、重い扉が閉まる音。男と一緒に部屋の中に入ってきた風が湿った肌を撫で、少女は身を震わせた。<br /><br />「丁度時間帯が悪かったなあ。朝メシて思ってたおにぎり売り切れてたよ。高菜のヤツ。まあ明日早目に出ればいいか。あ、でもこれはちゃんと買ってきたから。プリン。ほら。ぜーたくに生クリーム乗ってるやつにしたよー・・・椰智？」<br /><br />黒いソファの上に横たわるのは、桃色のキャミソールを着た少女。<br />シーツに半分巻かれている状態で、目隠しで視界を遮断され猿轡のために唸りに近い声を漏らし、後ろ手に包帯で両手首を巻かれて、股の間の刺激に身体をひくつかせている。腿を伝う液体は、根元に溜まったのもが緩やかに流れ落ちているものだ。<br />コンビニエンスストアのビニール袋を提げた男はダイニングテーブルにそれを置き、中からプリンだけを取り出し冷蔵庫に仕舞って再びリビングに戻ってきた。片方の手をソファにかけて、シーツを摘み上げた。<br /><br />「どのくらいいった？」<br /><br />真平らな声で少女の耳元で呟く。噛ませた布を口から外して、唾液で汚れたタオルを腹の上に置く。苦しそうに息を吐き続ける唇に触れて、右手を内股に滑らせた。<br /><br />「ひぁうっ！」<br /><br />ぐちゅ、と、振動し続けていた、少女の陰部に挿し込まれていたバイブレーターを掴んで押し上げる。そこの肉を拡げて擦り上げて、舌先で転がした。暴れる脚は肩に掛けられ、目隠しの下で目をぎゅっと瞑る。喉から出るものを抑えられず未加工の声が上がる。<br /><br />「はっ、や、あっ、す、おう、くッ」<br /><br />片手で秘裂を弄び、もう片方で絹の上から膨れた胸の頂を指で挟んで強めに捏ねる。少女の身体は激しく震え、股の間はしとど濡れ溢れ水音は更に響き、挿入されて感覚を麻痺させていただけの異物は膣を熱くさせ、小さな足の指が反り、息が詰まった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >精力剤</a><br />高みまで昇り切って、びくんと撥ねる。<br /><br />「あ、・・・う、あ、周防、くん・・・すお・・・」<br />「やっぱちゃんとイジってあげないとダメみたいだね。一度にこんなになっちゃった」<br />「お願、めかくし、とって・・・変、いつもより」<br /><br />それから、両手を縛る布も取って欲しいと、仰向けになって痛いと哀願する。<br />彼は手についた愛液を舐め取り少女の臍から曲線に撫ぜつけながら、どうしようかな、と返す。<br /><br />「っつ、いじわるしないで・・・コレやだ・・・はずかしいよっ」<br />「椰智が良いよって最初に言ったんじゃん」<br />「だっ・・・て、ちょっとだけって、周防くん言うからぁ・・・」<br />「俺しかいないのに」<br />「！っ、あ！」<br /><br />未だ挿入されたままになっていた器具の振動の激しさが増した。<br />流石にそっちはすぐ抜いてくれると思っていたから言わずに我慢していた。彼のでないそれは、戻ったら直ぐ取ってあげると言っていたから、断ったら別なものでもっと酷い事をされそうな気がしたから渋々承諾したのだ。だから、<br /><br />「うっ・・・そつきぃ・・・」<br />「え、何？感じるって？・・・椰智ホントはこういうやつの方が好きなんじゃない？」<br /><br />一度達して一層敏感になった内壁をこれまで以上に擦られ掻き回されれば誰だっておかしくなる。少女はかぶりを振った。喋れば舌を噛んでしまいそうだった。会話がまともに出来なくなりただ喘ぐ彼女を少しの間見下ろしていた男は半身を屈め、先程よりも丁寧にそこに舌を這わせた。<br />腹部に熱が集中する。まだ午後４時半を過ぎた頃だったが、厚いカーテンが陽の光を塞いだ狭い闇の中の更に深い、けれど明るい闇の中で、摩擦されて彼女は啼いた。男の肩に掛けて組んだ脚が力無く崩れ落ち、バイブレーターが引き抜かれると同時に熱い迸りが走るまで無遠慮な声はおさまらなかった。そこでようやく目隠しが外された。そして今日初めての『まともな』深い口付けがなされた。溶けきった表情で頬から耳を舐められるままにされていたが、「こんなになるの初めてだね」と、耳朶を甘噛みしながら言う声に不意に正気を取り戻し、震える膝をくっ付けてうまく回らない舌を必死に動かした。<br /><br />「・・・や、っつ・・・わたし」<br />「おもらしまでしちゃうなんてさ」<br /><br />理性が流した涙が顎まで到達しない間に、濡れたシーツごと彼女の身体は浮き上がった。抱きかかえたままキッチンを横切る。<br /><br />「周防、くん」<br />「このまま風呂で洗濯しようね。その方が手っ取り早いし」<br /><br />１時間前に見た顔が異様に懐かしく、しかしまたその整った優しい顔で彼女の小さな身体を玩んだ男の内面に慄然とするが、先に見える密室で容赦ない扱われ方をされると思うと震えが止まらなくなる。無論悦びが多く含まれたそれに、その恍惚に逆らえる訳がなかった。<br /><br />積み上げられたビデオテープ。音楽ＣＤ。<br />それらはすべて少女の要望からその部屋の床に重なった。彼は「彩り」と言った。<br />彼の生活空間に踏み入れること。緊張やら、申し訳なさやら、不安やらが大部分占めていたが、しかしやはりこの上なく嬉しかった。はっきりと「初恋だ」と自覚してしまった時の動揺は、今まで感じたことの無い、掴み所のない、まずどうしたらいいのか分からない感覚を持たされた少女らしいものだった。<br />細かい事が気になりだし、朝の登校時、彼の出勤と重なり進行方向からスーツを着た彼がやってきて、屈託のない笑顔で「おはよう」と言ってそれに返すだけで、今日はちょっと声が上擦ったかな、ちゃんと笑えてたかなと、その日の午前中いっぱい気にしたりした。それはマンションの合鍵を渡してもらえるほどの間柄になって暫く経つまで変わらなかった。歩み寄りが深まるにつれ、感じる不安も増していた。『無理をしている』。彼がどんなビデオが見たいかと言った時、ちょっと昔の恋愛ものがいいとリクエストして借りてきてくれた所謂トレンディドラマで、『彼女が彼に相応しくない理由』でそんな台詞が出てきた際にはハッとしてしまった。けれど一緒にそれを見ていた彼はまるで気にならないらしかった。<br />時折、自分は彼の前で挙動不審と思われる態度をとっているが、彼には元から引っ込み思案気味だと思わせているから、むしろ対人関係を学ぶためにあそぼうと言ってくれているくらいなのだから、「無理して」なんて言い出しはしない。けれど当り前ながら、１個の“女”と思われてもいないのだとも思った。なら懸命に年の離れた妹の振りをしよう、それで傷つかずに済むならと、一種の開き直りが出来たのは彼に出会って２年目、恋の芽生えから半年ほど経過した頃だった。<br /><br />数日置きに入り浸るのも習慣になったある日、いつも通り学校から帰って宿題を済ませてから彼の部屋を訪れた時、鍵穴に差し込んだ合鍵の回り方がいつもと違うのですぐ引き抜き、ノブに手を掛けた。<br />連続ドラマのビデオを纏めて借りてきてくれていて、それが彼女の興味をそそる話だったので、なら俺が居ない時でも勝手に上がって来ていいよ、と許可をくれたので、まだ家主が帰宅しない夕方に部屋に入らせて見させてもらっていた。鍵の感じが違うと思ってドアを押すと、やはり扉は開いていた。今時マンションなのにオートロックにもなっていないのに、開けっ放しなんて無用心だと独り言を漏らしながらも、玄関の仕事用の革靴を見て、私が今日も来ると確信していたのかな、などと、こそばゆい気持ちになった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >男根増長素</a><br /><br />「おじゃましまーす・・・」<br /><br />それほど広い部屋ではない。入ったらすぐに声は届く筈だが、返事は返ってこなかった。リビングの隣を覗くと、水の流れる音がした。シャワーを浴びている。彼女は少し迷ったが、結局ソファのいつも自分が座っている位置に腰を下ろした。テレビをつけた。いいよねいつもと同じだもの、以前ほど彼に対して神経質にならなくなっていた彼女はビデオデッキの電源を入れた。前に来たのは２日前だったから、ささっているビデオが続きだと、再生ボタンを押した。しかしそこに映し出されたのは、ドラマの前話のダイジェストではなかった。<br /><br />「・・・あっ、　え？」<br /><br />そこに表れたのは、裸の男と女が絡み合っている場面だった。<br />女が下になり、男の腰に脚を巻きつけて、緩慢な動きでふたつの体はぶつかっていた。ああ、と、苦しそうとも嬉しそうともつかない喘ぎ声が上がる。彼女は硬直した。すぐにはその状況を理解できなかった。ブラウン管内の肉の戯れから目を逸らす事も出来ない。こんなものは見たことがない。けれど、身体がだんだん火照っていくのを感じる。緩慢だった動きが激しくなって、女の悲鳴のような声もだんだん短くなる。少女は見入った。喉が鳴った。<br />画面の女は、断末魔の如き詰まった声をあげた。<br /><br />「・・・・・・あ・・・・・・」<br />「・・・やっちゃん？」<br /><br />ガタン、と、テーブルに足がぶつかった。心臓が飛び出すかと思うほど驚いた。自分の名前を呼ぶ声の方を、恐る恐る振り返った。<br /><br />「周防くん・・・あ、あの、わたしッ」<br /><br />泣きそうになって目をこすってから、慌ててテレビのリモコンに手をかけた。<br /><br />「ごめんなさい・・・！わたし、ビデオ・・・ドラマのやつだと思ってて、その、確かめないで、こ、こんなの」<br /><br />ジャージのズボンを穿いて、上半身裸で頭にタオルをやって、彼は平素よりは困ったような表情で立っていた。しかし彼女の狼狽振りにむしろ冷静な顔になって近づき、リモコンを持った手の首を掴んだ。<br /><br />「ごめんなさいって？」<br /><br />先ほどまで湯を浴びていたはずなのに、男の手は冷たかった。停止ボタンを押そうとした指が動かず、彼女は頬だけを染めて、額を青くさせて俯く。<br /><br />「これが何だか分かるんだ、椰智」<br />「わかっ・・・あ、わたし、が、」<br /><br />テレビ画面の男女は、今度は体の位置を変え、女が男に馬乗りになって同じように腰を振っていた。サッと目を伏せる。<br /><br />「・・・わたしが見ちゃいけないのだっていうのは、分かる」<br />「ああそうだね。――でも、感じるところはあるでしょ、コレ見て」<br /><br />からかう調子ではない。手首に力が加わる。耳に女の喘ぎ声が響く。<br />尋常ではない事態に、取り乱すまいとするだけで必死だった。<br /><br />（周防くんは、こんなもの、見てる）<br /><br />バレンタインデーにチョコを渡した時、さり気ないのを装って恋人の有無を尋ねてみた。<br />「それがさ、俺全然モテないんだよね」。<br />彼女がいるのなら自分をこんなに気に掛けてくれたりしない、それは分かっているが、いつ鍵を返してくれと言われるかもわからない。だからホッとしながらも、次の瞬間には不安になっていた。そんなことばかりだった。けれど勇気を出して積極的になった所で相手にならない、困らせるだけなのは目に見えている。<br />しかしやっぱり彼は“男”だった。学校の男子ともまた違う。<br /><br />「・・・わっ」<br />「えっと、フロイトだっけ」<br /><br />掴んだままの手を引かれて、グイと後ろから抱き締められて、ソファの上で、彼の膝に座らされた。裸の胸を背に押し付けられて、ぞくりとした。<br /><br />「小児・・・幼児性欲論ってさ、幼児にも性的な感受性があるってやつ。・・・それにあるんだから椰智に無いわけないよね」<br />「なっ・・・え、か、からかってる、のっ？」<br />「ん、や、訊いてるの。無いの？体が変に疼く時」<br /><br />服の上から胸を撫でる。太腿に触れる。内股に滑らせる手を思わず掴むが、その手をどかせられず、ただその手の動きに沿う形になってしまった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/tts.html" target="_blank" >天天素</a><br /><br />「何・・・周防くんどうしたのっ・・・」<br />「勿論いるんでしょ、好きな奴くらい。クラスなんかに。こういうところ触って欲しいって思った事一度も無いの」<br /><br />顎を捉まれ、無理やり正面に向かされる。絡み合い縺れる男と女。ひとつの場所で繋がり合っている肉の塊。<br />どうしてこんなことが、<br /><br />「・・・ないよっ！がっ、学校に、好きな人はいない・・・」<br />「・・・そっか、じゃ、そいつのこと考えててなんて苦し紛れも言えないか」<br /><br />少女の凹凸の無い、ただ細いだけの腰がぐっと引かれた。男は脚を広げ、少女を更に深く座らせる。彼女は身動き取れないまま、股の間に硬い感触を受ける。ショーツの上から割れ目をなぞる指を感じる。映像の男女は陰毛同士をくっつけて、混ぜ合わせる動きをする。悲鳴は喉を通らなかった。<br /><br />「――ほら、見てみなよ。汚いだろ。醜いよね。あんな風にハダカで抱き合ってさ、滑稽だよね。・・・でも感じてこない？この辺り、熱くなってこない？」<br />「ふっ・・・」<br /><br />谷間の肉を捏ねるようにして擦り合わせた。そして彼女を膝に乗せたまま少し腰を上げてジャージのズボンを下げた。今まで見た事のないグロテスクな肉の塊が突き出される。確かにそれは恋をしている相手の一部分だと認識したが、拒絶の言葉が喉を通る。<br /><br />「なっ・・・いや！だめ！周防く・・・」<br />「なかなか濡れては来ないね。初めてなら当たり前かな。――ねえ、やっちゃん、俺のこと嫌い？こんなの気持ち悪い？」<br />「そん・・・周防くんが、きっ、きらいなんて・・・」<br />「本当はこんな済し崩しっていけないと思ってたんだけどさぁ、俺が嫌いじゃなければ少しだけ我慢して。・・・そしたら、俺、を、」<br />「周防くん！！」<br /><br />耳朶に触れるか触れないかの距離に口唇を寄せて囁く言葉に耐えられなくなり、彼女は思わず声を張り上げた。様子を見ながら触れていた手の動きが強張る。<br />彼女は彼のズボンの腿の部分を掴んだ。<br /><br />「なん・・・なにそれ・・・ずるいよ、ひどいよ。なんでっ・・・そんな言い方するのっ！？」<br />「なら他にどんな言い訳すればいい」<br /><br />ソファが軋んだ。後ろから小さな身体を抱く腕に、力が入った。<br /><br />「椰智みたいな子とこんな風にさ、したくなったって、どう言ったらいい？年の差なんてカンケー無く愛してるって言えば応えてくれるの？それで納得してくれるの？」<br />「え、や・・・だって、そんなの一度も・・・」<br />「無いよ。言える訳ないだろ。他の解消もなくてこんなの見てるよ。・・・悪い？誰も傷つけてなかったよ？」<br /><br />いくらか枯れて聞こえる声に所謂社会に対する罪悪が篭っていた。<br />今までは、少なくとも彼女といる時は良識的な大人と言いきれない振る舞いを見せる男の、思ったよりも大人な、それでいて臆病な側面を感じた。<br />こんなものを晒しておいて何を言っているんだろうと、怖さが和らいできた。<br />喉を鳴らして、ズボンから手を放す。<br /><br />「・・・ね、周防くん。わたし学校には好きな男の子なんていないよ。学校にいない、から、・・・だから、ちょっと無理してでも会いたい男の人なら、いる」<br /><br />そう言って、そっと脚の間に手を伸ばした。人間の最も人間らしい部分の、奇怪で正直な肉の塊を両手で包んだ。先端の膨らみをやさしく指で押してみた。<br /><br />「椰智」<br />「わたし、そのひとのなら、して・・・っで、できる、よ」<br /><br />そこまで言ってしまうと、頬が一気に燃えるように熱くなった。そして彼の体から、石鹸の匂いが少し強く香った。自分は今、どんな匂いなのだろうと、首筋に顔を埋める男に訊きたかったが、訊かなかった。<br />代わりに、どうすればいい、と彼に問う。<br /><br />「扱いて。・・・って、・・・両手でこう、握って・・・擦って」<br /><br />それだけ違う意思を持つかのような熱い棒状の肉塊を、なるべく根元に近い部分から撫で上げるように、言われたように扱った。やりすぎたら痛いのかと思ってやさしく触れていたが、いくらも経たないうちに「もっと強く、」と、片手を添えて握り締められ、血管の浮き出ているそれを、その形と感触を、嫌だと言ってしまいたくなるくらい、知らされた。<br /><br />「ふぁ！？」<br /><br />肉棒の先端から滲み出ているものをぼんやり見ていると、少しだけ弄られて放って置かれた彼女の秘部に指が滑り、今度はショーツの脇から、３本の指の腹で肉の谷間を揉み、探る動きをした。くちゅり、と、ビデオからいつまでも聞こえてくる喘ぎの中、聞こえない水の音を聞いて彼女は眉根を寄せた。<br /><br />「やだ・・・わたしがっ、今、すおうくんにしてるのっ・・やめて。できなくなっちゃ・・・」<br />「駄目。ここでイかせて」<br /><br />彼女はぞっとした。陰毛と陰毛が絡みつく映像が脳裏をよぎる。今も２人は繋がったまま、背中からのアングルで映っている。いつまで続くのか、段々永遠に終わらないような気になってきた。そして自分の手の中のものを見る。益々膨張してきたそれを、自分のこの部分に挿入するなんて、死ぬのではないかと思う。扱く動きは止まらないが、恐怖と不安で一杯になる。少女のその心境に気づかない筈は無いが、彼は遠慮のない手つきでショーツをずらした。亀頭が花弁に押し付けられる。しかし彼女は掴んだままの手を放せない。<br />広げた股がビクリとなって、気持ちの分腰が浮いた。<br />割れ目が肉棒に吸い付き、そのまま５、６度擦り合った。<br /><br />「・・・っ、はッ」<br />「す、・・・ん、あっ！」<br /><br />陰核を潰され、彼女の身体は撥ね、彼は少女の胴に腕を巻いたまま達した。<br />精液がショーツの中に満ち、尻の方にもどろどろした液体が向かうのを感じる。<br />そして自然彼女の両手も汚れたが、あまりの事にそのリアルな体液も、ビクビク動き次第に小さくなっていく肉塊の感触も、頭が真白になった感覚も、逆に非現実的なものに思えて、荒く息を吐きつつそれを目で確かめられずにいた。<br />顔と陰部は熱いのに、そのほかの部分は血が引いていく。勢いだけで、もう引き返せないことをしてしまったと、不意に冷水に打たれた気分だった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/nanbao.html" target="_blank" >男宝 </a><br /><br />「椰智」<br /><br />しかし後ろから自分を抱きしめている男を非現実にはしたくなくて、か細い声で彼の名前を呼んだ。<br /><br />「周防くん・・・そっ、あの、・・・だいじょうぶ？」<br /><br />大丈夫かなどと訊いて、もし大丈夫じゃないと言われてもこれ以上何をどうする事も出来ないと思いながらも、そんな風にしか言えなかった。<br /><br />「これでいいの・・・？わたし、まちがえなかった？周防くんこれで、よくなった？」<br />「良かった」<br /><br />彼女の手が外れた。<br />汚れた両手は拳を作り、その置き場に困った。しかし上半身を傾けられ、彼の胸板についてしまった。彼は口付けを止めなかった。口唇を捉えてすぐに舌を差し入れ、短い舌と絡ませた。<br /><br />「・・・甘い」<br /><br />接吻しながら聞こえたそれに、家を出る前にプリンを食べてきたことを思い返した。<br />とろける食感の、カラメルの無いただ甘いだけのプリンだった。<br />足や腕が、冷えていた部分が温度を取り戻し、その温かさを求めて、それが初めてのキスだという認識のないまま懸命に口唇を貪った。彼の舌は何の味もしなかったが、深くなればなる程、口の中が甘く満たされていった。<br /><br />気づいた時にはビデオは止まっていた。そしてはじめて、部屋に木霊する甘ったるい女の声は、自分の喉から出ているものだと知らされた。<br /><br />「んああッ！」<br /><br />狭いバスタブの中、秘部を右手親指でぐいぐいと刺激され、乳首を吸われる。背中が滑りそうになるが強く押し付けられているので大きく開いた脚が宙に浮く。<br />既に洗い場でボディソープを泡立てた手で全身を揉まれ、意地の悪い言葉を吹き掛けられ、覚えているだけで４回は小さな死に追いやられた。<br /><br />「こんなにちっちゃいのに、ヤラシイ身体だね。折角洗ってあげてるのにいつまでも下のクチは涎垂らして」<br />「もうやっ・・・めだよぅ・・・すおうくんの、いっ、れて・・・」<br /><br />後ろ手の包帯は巻かれたままだった。キャミソールは捲り上げられる所まで捲られていて、湯を含んでぐっしょり濡れている。<br />抱きつく事も拒むことも出来ない。――というよりも、「したくない」、のだが。<br /><br />「ホントは外せる、んでしょ」<br />「・・・・・・」<br /><br />少し癖っ毛で、いつもは外に跳ねている長めの髪が湯をかぶって真っ直ぐだらりと垂れている。彼を見つめているだけでおかしい程胸が高鳴り、顔を背ける。<br /><br />「ちょっとカタ目に縛ってるって言っても蝶々結びだよ。少し隙間もあるし。ホントに嫌ならもがいて指使って外しなよ。後ろ手は痛くて辛いんだろ」<br />「・・・それはっ・・・だって、」<br /><br />だって、周防くんがつけたものだから。<br />彼につけられたものは彼に取ってもらいたい。<br />彼に反することは何もしたくない。<br />そんな風にしか思うことの出来ない時が最も溺れている自分を感じる。<br />いくつも恋をする人間が主体のドラマを見た。イゾンする関係がケンコウテキで無い事はそれらを見ていれば自然に分かってくる。具体的な考察をしろと言われたら上手く言葉に出来ないが、すべて相手の思うままになりたいとか、何だってして欲しいという先に幸せな未来はない。けれどそれは望まず今、ただひたすら抱いて貰える喜びを選んだ。始まり方は異様だったが、傍から見たらその全てが異様な関係だ。先の事は考えたくない。このひとの心変わりなんて、息が止まりそうになる。<br /><br />「・・・そーやって俺を甘やかすから。椰智をこんな風に閉じ込めちゃうんだよ」<br />「だって・・・すおうくんだもん・・・すおうくんだからっ・・・好きだから！・・・いいの・・・すおうくん、すき・・・」<br /><br />その時ようやく彼はシャワーのノズルを放して、それよりも太い、血液の滾った塊を彼女の前に突き出した。そして包帯を外して、やわらかく小さな手にそれを掴ませる。今では口に咥えて奉仕することも覚えたが、その余裕はなかった。すぐに挿れて、掻き回して欲しい。亀裂に導いた。そこまでするとようやく男は少女の腰を浮かせて、身を引き寄せた。<br />歓喜の悲鳴は彼の唇にのまれて、両方の口を塞がれ抱き締められて、全身濡れた身体をぶつけ、背中に回した腕に力が入り、爪が食い込んで血が滲んだ。<br />透明な液体が溢れるそこも、初めて迎えた時出血が酷かった。<br />指で馴らして、いくことが出来ていても、男根の圧迫はその比ではなかった。<br />こんなに苦しくて痛いこと好きな相手でなければ絶対に耐えられない。知らない男性に乱暴された、などという事件を耳にして、好きでもない人間にこんなことをされるなんて考えたら、恐怖で身震いがする。――周防くんだけ、周防くんだけ、周防くんだけ。ただひたすらの快楽に転じてからも、当然の心情だ。<br />１度目の射精が済んでも彼女の中に入れたまま、何回もした。<br />流石に限界が来て彼の胸にぐったり凭れていると、せっかくだから少し沈んで上がろう、と、前もって半分くらいまで溜めた湯が温くなっているバスタブを指すので、深く考えることもなく即座にこっくり頷いた。<br />底の栓を抜いて戯れのようにまた愛撫が始まったのは、一息ついて身体が解れかけていた頃合だった。<br /><br />「参っちゃうよね、ニンゲンって万年発情すんだから。・・・何時までも何時までもフラチな事考えて、しちゃうんだから」<br /><br />少女の右胸と左胸の大きさを比べながら、その先端の膨らみを捏ねる。<br /><br />「ま・・・ね、もう、やめよう？つかれたよ・・・」<br />「俺はあんまり疲れてない」<br />「でも、明日も会社だって・・・」<br />「お子様は気にしなーい」<br /><br />不服そうに口を一文字にして彼の手をぐっと押した。子供だと言われて腹を立てることが子供だが、彼女の理は真っ当なものだった。<br /><br />「怒んないでよ。・・・あのさ、昨日急に辞令が出て、来週から出張になったんだ」<br />「え・・・どこ？」<br />「愛知。順調にいっても２週間くらいはかかるから。勿論メールはするよ。でもいつもより長いのは確実だから。ビデオ借りてこられないや」<br />「そんなのはっ・・・いい、けど」<br /><br />彼の分泌液で満ちた身体。もう充分過ぎるほど注がれたのに。欲しがって飲まされて体力の限界を感じていたのに、急に切なくなって抱きついた。彼は背を反らせ、髪を弄くりながら抱き締め返した。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/weigwang.html" target="_blank" >威哥王</a><br /><br />「俺はこの肌を思い返せばそれくらい耐えられると思うけど、椰智は・・・その内我慢出来なくなるんじゃないかと思ってオモチャで試してみたんだけど・・・嫌みたいだね」<br />「あたりまえだよ。いやだよ。・・・周防くんじゃなきゃ、やだもん」<br />「・・・俺、」<br /><br />彼女の尻を掴んで持ち上げる。首にしがみ付いたまま、彼が自分の体を仰向けるまま任せて、底に背中をつける彼と肌をぴったり合わせた。その身体を両手がぐっと捕まえる。<br />顔を上げると、唇が触れてきた。<br /><br />「俺さぁ、こんなの初めてなんだよね。好きになると偏執的になるっていうか、・・・あ、わかるか。で、すぐ欲しくて堪んなくなる。それで逃げられちゃう。だから椰智はモロにタイプだったけど、このまま大きくなってくれるか、いつまでも見ていたいと思った。せめて他のに取られないように、気を引かせるだけでいっぱいだった」<br /><br />少女を起こして腰を引く。馬乗りに跨がせ、小指の先端を割れ目の始まりに滑らせた。<br /><br />「んっ・・・！」<br />「ねぇ、椰智が挿れて？」<br /><br />男の胸板についていた柔らかな手が緊張で強張る。しかしそれも一瞬で、焦れる心が腰を浮かせた。敏感な部分に滾ったものが触れるだけで頂点まで達してしまいそうになる。しかし男の手に支えられながら、愛液が溢れるそこを拡げてゆっく飲み込んでいった。<br /><br />「あっ・・・ん、ぅ、う・・・あ・・・」<br />「・・・分かっているのにどうしてこう上手くコントロール出来ないんだろ。こんなに俺の事好いてくれてるって分かっているのに、教えたのは俺なのに、俺以外に抱かれてたらどうしようなんて、信じきれないなんて、酷い奴だね」<br /><br />手のひらが彼女の両胸に添えられる。乳首が抓られて、下腹部に神経を集中させていた身体は大きく撥ね上がり、まだ奥まで達していない肉塊を中途半端に締めつけた。<br />膣の中が熱い液体で満ちる。半開きで喘ぐ唇から零れる唾液が彼の腹に垂れた。<br /><br />「は、っ、や、だ・・・いやだァ・・・」<br /><br />もう一度腰を揺り動かして快楽を感じて貰いたいと前にのめり込むようにすると、そのまま力が抜けて男の胸に倒れてしまった。<br /><br />「すお・・・」<br />「お疲れ様。・・・あと１回だけさせてもらうね？」<br />「！・・・っつ、あッ」 <br /><br />尻を掴まれ柔肉を揉まれ、同時に腰がグイグイ押し付けられた。<br />より深く、最奥まで潜っては摩られ、激しく打たれ、彼女はひたすら男の名前を呼び続け、啼いた。<br />瞼の裏に、はじめて見たアダルトビデオの映像が表れる。滑稽な、淫猥な、生命に溢れた、吐き気を催すあれだ。手綱を失って暴走している姿だ。<br /><br /><br />「っ・・・あああ！」<br /><br />彼女の内部が彼で満ちる。<br />強制されたものではない。望んだもの、欲しかったもので自分の「女」を見つけだせた。<br />注がれるものを愛しむ。朦朧とした頭で、萎えて引き抜かれた彼自身を撫でる。<br /><br />「・・・周防くん、わたし、うれしいよ？だいてもらうのも、やきもちやいてくれるのも・・・うれしい。だから、困るとか、いわないで？わたし、かわいくなるから・・・すおうくんが好みっておもうように、・・・努力、するから。・・・だから、私、の、こと」<br /><br />眼を合わせると、それ以上の言葉は出なくなった。背中に回された手と、触れるだけの優しい唇に、願望が昇華されるのを感じられた。<br />ぽとりと落ちた水滴は、胸の間を流れて絡まった脚に伝っていった。<br /><br />Ｔシャツにジャージの格好で、薄暗い中本を読んでいる。<br />白っぽいカバーが目立つ。夜になったのに白色灯は点けず、ほの暗い橙の光の中で本の頁を捲っている。彼女は少し離れたテーブルで、少しずつゆっくりプリンを食べている。 <br />何時の頃からか性行為の後の習慣になっていた。<br />外国人の著者名の哲学や自然科学の内容らしい。小難しい文章を追っている目を見つめる。これは、バランスのためなのか。今まで付き合った女の人との間でもこんな風だったのか、訊くに訊けない。 <br />どれほど傍にいても求めきれない、侵すことのできない部分がある。けれどだからこそここにいられる。物分りのいい顔をしたいからではない、と、彼女自身に弁明する。ただ怖いからだ。<br /><br />「周防くん、それ面白い？」<br />「ん？ううん。それほど面白いとは思わない。なんか要領を得ないし。俺バカだから」<br />「読んできかせて」 <br /><br />途中からでもいい？と訊く男に、何も考えないまま頷く。その時何故かふっと笑った。<br />彼女はプラスチックのスプーンを軽く噛んだ。<br /><br />「『・・・私は逃げる。卑劣漢は逃亡した。強姦された少女のからだ。彼女は自分の体内に他の肉体が滑り込んでくるのを感じた」<br /><br />どこまでも事務的な、感情を含まない声。思えば一番最初の、彼に惹かれる要因になったのはこの低いのにきれいな声だったのだと思う。<br /><br />「・・・私のうしろにある、私のズボンの中で掻く、掻く、掻く、少女の泥まみれの指を引っ張る、泥水からでてきた私の指の上の泥、指は静かにまた落ちる、指はぐったりした。卑劣漢に頸をしめられた少女の指を前よりも弱く掻いた、少女の指は泥を掻いた、大地を前よりも弱く掻いた、指が静かに滑る、頭が最初に落ち、私の腿を暖かく転がって愛撫する。実存は柔らかく、転がり、揺れる、私は家々の間で揺れる、私は在る、私は実存する、われ思うゆえにわれ揺れる。私は在る。実存は地位を失った失墜だ、地位は失われないだろう、失うだろう、指が開口部を掻く、実存は不完全なもの。紳士。立派な紳士は実存する。紳士は自分が実存することを感じている。いや、傲慢で昼顔科植物のようにふわふわした、道をゆく立派な紳士は自分が実存することを感じない』」<br /><br />そこで言葉が切れた。<br />彼は手招きをした。<br /><br />「プリン、もらってもいい？」<br />「え？・・・うん。でも、あと少ししか残ってない」<br />「いいから」<br /><br />数時間前まで少女を拘束していた黒いソファに本を投げた。プリンの容器を差し出す手を強引に自分の胸元に引き寄せる。――あ、と、発しかけた唇が塞がれる。舌が絡む。全て予定調和。それが、とても心地よい。<br />いつか誰かに密告される恐ろしさを絡みつけて、唾液を飲み込む音を聞き、咽喉仏にそっと指先で触れてみた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/yilishen.html" target="_blank">蟻力神</a><br />彼そのものの形に、触れた気がした。<a name="more"></a>

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<title>花びらの降る朝を</title>
<description>「まったく、何でこんなへんぴな所に引っ越しやがったんだ」青年はまだ遠くに見える家を眺めてそう呟いた。肩の下まである髪を後ろで一つに結わえたこの青年は、名をヴィスリンと言う。普段は仕事で王都に住んでいるのだが、一年振りの長期休暇で故郷の村に帰って来たのだ。幼馴染みに会いに行こうとすると、両親に村外れに引っ越したのだと言われた。場所を詳しく聞くと、本当に村外れでその辺りにはその家しか無い。馬でくれば良かったと思いながらようやく家まで辿り着くと、扉を叩いて大きな声で幼馴染みの名を呼...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-05-21T15:56:36+09:00</dc:date>
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「まったく、何でこんなへんぴな所に引っ越しやがったんだ」青年はまだ遠くに見える家を眺めてそう呟いた。肩の下まである髪を後ろで一つに結わえたこの青年は、名をヴィスリンと言う。普段は仕事で王都に住んでいるのだが、一年振りの長期休暇で故郷の村に帰って来たのだ。幼馴染みに会いに行こうとすると、両親に村外れに引っ越したのだと言われた。場所を詳しく聞くと、本当に村外れでその辺りにはその家しか無い。馬でくれば良かったと思いながらようやく家まで辿り着くと、扉を叩いて大きな声で幼馴染みの名を呼んだ。「アルトゥール！俺だ！」しばらくして扉が開かれ、腰の下まである髪を三つ編みにした青年が顔を出した。「久し振りだな。元気だったか」「ああ、俺の家から此処まで歩いてくるくらいには元気だ。こんな遠くに引っ越しやがって」悪態をつきながらも、ヴィスリンは笑っていた。強い陽射しの照りつける午後に結構な距離を歩いて来たが、それだけの価値がある相手なのだ。アルトゥールと呼ばれた青年は中に入るように促した。「まあせっかく来てくれたのだから、ゆっくりしていけ」「言われなくてもそうする」この家は昔から此処にあった物で、元々は誰かの別荘らしい事はヴィスリンは知っていた。だがもう十年は使われていない。理由は村外れすぎて不便だからだ。アルトゥールは村の中心に自分の家を持っていたのに、わざわざ移り住む必要性が分からない。<br />「こんな所に越した理由は何なんだ。お前の仕事に不便だろうに。馬には乗れるようになったのかよ」「それを説明する前に、紹介したい相手がいる。少し待っていろ」そう言うとアルトゥールは二階に上がっていった。そして降りて来た時、一人の若い娘を連れていた。二十歳前くらいだろうか、可愛いと言える範囲の容姿をしている。だが生気が無いくらいにひどく大人しそうで、それが美貌を半減させているようにヴィスリンには見えた。「スティーナと言うんだ。半年程前から一緒に暮らしている」「……初めまして」娘は礼儀正しくお辞儀をし、見た目に相応しいやけに静かな声で挨拶をした。だが人見知りが激しいのだろうか、アルトゥールの後ろに隠れたそうにしている。一人暮らしだとばかり思っていたのに、女性と暮らしている事にヴィスリンは驚いた。「何だ、お前結婚したのか！？」そうじゃない、とアルトゥールは笑った。古い知人の孫娘なのだが、祖父を亡くして身寄りが無くなったので引き取ったのだと説明した。だがヴィスリンは完全に納得しなかった。小さな子供でもないのに、引き取る必要があるのだろうか、と。「スティーナ、こいつはヴィスリンと言って俺の幼馴染みだ。見ての通り、俺と同じルティアナだ」ルティアナとは種族の名前だ。人間と言えばそうだし、人間では無いと言えばそうだ。この種族の者は皆、青みのある銀髪をしていて、左目は濃い茶色をしている。右目の色はそれぞれ違い、ヴィスリンは薄い茶色でアルトゥールは赤紫色だ。彼等の種族の特徴は他にもある。産まれて思春期頃までは普通に成長するが、それ以降は極端に遅くなる。そしてその分長寿なのだ。ヴィスリンとアルトゥールは外見は二十代後半に見えるが、実際には百歳を超えている。<br />「初めまして。どうぞよろしく」ヴィスリンはスティーナに手を差し伸べたが、スティーナはどこか戸惑っている。その様子を見てアルトゥールが軽く笑った。「スティーナ、こいつの事は信用して良い。だから君を紹介した」「……はい、アルトゥール様。失礼致しました、ヴィスリン様。よろしくお願い致します」ようやくスティーナはヴィスリンの手を取った。握手をしながら、ヴィスリンは不思議に思っていた。誰にでもこの娘の事を紹介している訳では無いようだ。もしかしてこの娘の存在を隠す為に、この家に移り住んだのだろうか。「すぐにお茶の用意を致します。それともお酒の方がよろしいでしょうか」警戒心らしき物は解けたらしく、スティーナはヴィスリンに微笑んだ。お茶が良いな、とヴィスリンが答えると、アルトゥールはくれぐれも火傷などしないように、とスティーナに注意した。スティーナは分かっています、と答えると台所へと向かった。「やけに過保護なんだな。お茶の用意くらいで大火傷なんかしないだろう。もししたってお前ならすぐ治せるだろうに」呆れた口調でヴィスリンはそう言った。アルトゥールは治癒師なのだ。薬の知識も豊富なら治癒術もかなり使える。だがアルトゥールはどこか淋しそうに答えた。「俺には彼女は治せんよ」<br /><br />　居間でアルトゥールとヴィスリンが話し込んでいると、スティーナがトレイにお茶のポットとカップを持ってやって来た。そしてテーブルに並べると、二人の邪魔をしないようにすぐに下がった。部屋の扉が閉められてから、アルトゥールはヴィスリンに聞いた。「どう思う、彼女を」「どうって、そうだな、笑えばもっと可愛いだろうにやけに生気が無いな」率直な感想にアルトゥールは苦笑した。彼女に生気が無いのは、アルトゥールも以前から気にしていた事なのだ。引き取る前はそうでも無かったのだが。それからヴィスリンは疑問をぶつけた。「お前はさっき、彼女が火傷したら治せないと言ったな。どういう事だ。お前は宮廷から仕官するように、要請されている程の腕だろうが」かなり以前から宮廷治癒師として仕官するようにと、アルトゥールには話がきていた。だが宮仕えは堅苦しくて面倒臭いので、適当な理由をつけて断り続けている。その話は国王軍で大隊長を勤めている、ヴィスリンの耳に何度か入っていた。「確かに俺は自分の治癒師の腕には自信がある。俺が宮廷治癒師になったら、地元の連中が非常に困るだろうってくらいにはな。だがな……お前は彼女が人間に見えるか」「人間以外の何だって言うんだ？」スティーナはルティアナでは無かった。それなら他にはこんな姿をした生き物は人間しかいない。不思議そうなヴィスリンに、アルトゥールは自嘲めいた表情を見せた。<br />「彼女は、人形だ」その答えにヴィスリンはすぐに言葉が出なかった。彼女は普通に歩いていたし口も聞いた。瞳や皮膚などどこをどう見ても人間だったし、握手をした時に触れた感触は温かく柔らかかった。「……冗談か？」「人形なんだよ。俺は治癒師を職業にしているが、お前は俺の事を知っているだろう？」何を知っているのか言いたい事は分かったので、ヴィスリンは肯定した。アルトゥールは治癒師だが、本当は使える呪術は治癒だけでは無い。呪術師では無く治癒師を名乗っているのは、その仕事に専念したいからだった。「彼女の祖父ってのは人形を作る職人でな、亡くなった孫娘に似せた人形を作ったんだ。それを俺が呪術で自動人形にしたのさ」スティーナは本当は主に木材で作られた人形で、呪術によって人間に見えているだけなのだと、そうアルトゥールは説明した。説明されてもまだヴィスリンは信じられなかった。あの娘が人間では無いなどとは。アルトゥールの呪術師としての力が結構な物らしい事は、ヴィスリンは昔から知っていた。だがまさかここまでとは思っていなかった。自動人形と言ったが、スティーナは命令されるままに動いているようでは無かった。自分の意思で動き話す事まで出来るのか。「……それで彼女を隠して、此処に住んでいるのか」「そうだ。彼女は歳をとらない。そこまでの呪術は俺にはかけれなかった。だからお前に紹介した時に、彼女は戸惑っていたのさ」人目を避けて住んでいるのに、他人に紹介されるのは抵抗があったのだろう。という事は、彼女は自分が人目についてはいけないと理解しているのだ。一体どこまで人間に近く出来上がっているのだろうか。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sma.html" target="_blank" >司米安</a> <br /><br />「これが俺の近況さ。ヴィスリンはどうだ？」「相変わらず上には嫌われてるさ。騎士階級や貴族階級の産まれでも無い俺が、大隊長にまで昇進してるもんでね。『成り上がりの若造』なんて呼ばれてるが、あいつらの倍は俺の方が生きてるんだがな」陽気な口調でヴィスリンは答えた。平民の自分が何の後ろ盾も無く大隊長まで昇進したのは、それだけの実力があってこそで、充分自分に自信があった。だからヴィスリンはなんと陰口を叩かれようと気にならない。だが昇進は喜ばしいだけの事では無い。それだけ武勲を立てるだけの機会があった、と言う事だからだ。この国はずっと以前から、西の隣国に狙われているのだ。国境付近では何度も戦が起きていて、死傷者の数も結構出ている。西の隣国は無償の傭役（ようえき）制度があり、あまり豊かな国では無い。そして国王は野心家だった。この国は豊かな土壌に恵まれていて、作物が豊富だ。国土を広げるだけではなく、その豊かさを隣国は狙っているのだ。おまけに隣国の国教は他の宗教の存在を認めない。同じ宗教を信仰していないこの国は、滅びるのが彼等の道理なのだ。「俺はこの国が滅ぼうが国王が変わろうが、興味は無い。今の政より悪くさえならなければ、だがな。だがあの土地を荒らされるのは、黙って見てられない。戦えるうちは戦うさ」ヴィスリンが軍人になったのは、愛国心からでは無かった。何度も戦が起きている西の国境付近には、ヴィスリンの妻の故郷がある。その土地に妻は二十年近く前に眠りについた。すでに土に還っていても、このまま静かに眠らせてやりたかった。<br />　ヴィスリンの妻はルティアナでは無かった。異種族の婚姻はあまり祝福される事が無い。何故なら異種族間に子供が産まれた事が、過去に一度も無いからだった。だから一般的には、自然の摂理に反する事のように思われていた。それに成長速度が違う事も、あまり祝福されない原因の一つだった。妻はヴィスリンが青年の姿の間、どんどん年老いていった。だが老婆になっても、ヴィスリンの妻への愛情は欠片も変わる事は無かった。その事に妻の親族達は安堵したが、もし亡くなった時は二人共妻の産まれ故郷に眠らせる事、という条件は変わらなかった。おそらく妻の両親は、ルティアナに娘を奪われてしまうと感じたのだろう。二人の結婚を認める代わりに出された条件に、ヴィスリンは反対しなかった。「隣国は異教徒の俺達を殺す事に、何の疑問も持たない。そう叩き込まれて育ってるんだからな、そう簡単に価値観は変わらないだろう。せいぜい派手に殉死させてやるが良いさ」苦々し気にアルトゥールはそう言った。治癒を生業としているアルトゥールにとって、殺戮と殉死を賛美する隣国の価値観は嫌悪すべき物だった。この国では戦う者は職業軍人だが、隣国では違う。異教徒と戦う者は彼等の信仰する神の使いなのだ。殺戮や強奪を進んでする者が神の使いか、とアルトゥールにすればただ馬鹿馬鹿しかった。「ところでヴィスリン。お前が軍人になると言い出した時の約束は、覚えているか？」うってかわって呑気な口調で聞くアルトゥールに、ヴィスリンは呆れた。忘れたくても忘れられるはずが無いからだ。<br />「お前なあ、これが見えないのか」ヴィスリンは自分の左耳を指差した。そこにはガーネットのピアスがはめてあった。王都に向かう前に、アルトゥールにさせられたのだった。「ちゃんとはめてるな」「絶対に外すなと言ったのはお前だろうが！」ピアスどころか宝飾品に全く興味の無いヴィスリンは、当時随分と嫌がった。結局押し切られたのだが、どうしてピアスをする必要性があるのか、全く説明はされなかった。「化膿するし熱は出るし、そこまでして俺がピアスをする意味は何なんだ」「ちゃんと薬を出してやったし、治癒術もかけてやっただろうが。俺とお揃いで嬉しいだろう？」けろりとした口調と表情でアルトゥールは答えた。確かにアルトゥールの右耳には、お揃いのピアスがはめてある。ヴィスリンにピアスをさせる少し前に、自分で開けたのだ。結局この日もアルトゥールは説明を一切しなかった。<br /><br />　二人は夕食を食べヴィスリンが持参した酒を酌み交わし、懐かしく楽しいと言えるだけの時間が過ぎた。また長期休暇が取れたら来ると約束をして、ヴィスリンは帰る為に立ち上がった。家を出て行く前にヴィスリンは、アルトゥールの肩を抱いて頬に口付けた。「花びらの降る朝を」「ああ。花びらの降る朝を」同じ言葉を返して、アルトゥールもヴィスリンの肩を抱いて頬に口付けた。その様子をスティーナは黙って見ていたが、ヴィスリンが出て行く前に声をかけた。「あの、ヴィスリン様」「ん？」「お二人は恋人だったのですか？」大真面目な質問に、ヴィスリンは腰が抜けそうになり、アルトゥールは声を上げて笑い出した。今二人がした事はルティアナの風習だった。肩を抱くのも頬に口付けするのも、決して恋愛感情からくる行為では無い。相手が友人でも家族でも普通にする。ルティアナは死別で無い限り、別れる時にさようならを言わないのだ。代わりに「良い明日が相手に訪れますように」と言う意味で交わす言葉、それが「花びらの降る朝を」なのだ。それを説明されると、スティーナは何か言いたそうな表情をした。だが自分からは何も言わなかった。それに気付いたアルトゥールが、失礼だろう、とヴィスリンをひじでつついた。ああ、とヴィスリンはスティーナに歩み寄った。「花びらの降る朝を」そう言われて頬に口付けされて、初めてスティーナはヴィスリンに生気に満ちた笑顔を見せた。そしてスティーナも同じ挨拶を返した。家の外に出てヴィスリンを見送った後、アルトゥールは家に入ろうとした。だがスティーナは庭を見て動こうとしない。何を見ているのかと視線をやると、木の下にひな鳥が一羽落ちて小さな声で鳴いていた。巣に戻してやりたいと思ったが、スティーナでは手が届かない。<br />「アルトゥール様、巣に戻してやれませんか」その頼みにアルトゥールは首を振った。戻すべきではない、と。何故なら巣に戻しても、一度落ちたひな鳥は「生存競争に負けた者」として受け入れられず、また落とされるからだ。種類によっては、落ちても親鳥が世話を続ける場合もある。どちらにせよ、自然の摂理に手を出すべきでは無い、とアルトゥールは説明した。「……アルトゥール様」「納得出来ないか？」「それは、アルトゥール様ではありませんか」この家に引き取られる前は、スティーナはよく笑った。そうする事が祖父を喜ばせると、自分はその為に作られたのだと、分かっていた。優しい独ぼっちの祖父の為に、自分の出来る事を精一杯しようと思っていた。その祖父が亡くなり、自分の役目は終わったのだと思った。だから自分はもう存在する必要が無いのだと納得していた。だからアルトゥールが自分を引き取ると言い出した時は、ひどく戸惑った。自分の存在する意味が分からなくて、笑わなくなったのだ。「私も自然の摂理に反している存在です。破棄するべきなのではありませんか」自分を作った事をアルトゥールは後悔しているのではないかと、スティーナはずっと疑問に思っていた。呪術で生命を作ってしまった事、しかも意思を持ってしまっている事。だから自分をこの家に隠しているのではないかと。確かにアルトゥールはスティーナの存在を隠していた。好奇の目で見られるのも嫌だったし、こんな呪術が可能な事も公にしたくなかった。公になった場合、悪用されない保証は無い。例えばいくらでも代用の利く奴隷のように。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/santiniubian.html" target="_blank" >三体牛鞭--三體牛鞭</a><br />「私は自分で自分を破棄出来ません。そのように出来ていますから。ですがアルトゥール様なら、呪術を解くなり崖から突き落とすなり……」淡々としているスティーナの言葉はそこで遮られた。「死にたいのか」「……分かりません」「死にたいと思っていないのなら、生きれば良い」素っ気ない口調でそう言うと、アルトゥールは家に入るように促した。それ以上スティーナはその話題を続けず、大人しく従った。納得したからなのかどうか、アルトゥールには分からなかったが。人形作りの職人では無いアルトゥールには、スティーナがどんな傷を負っても治せない。壊れたらそれで終わりだ。しなくていいと言ってもスティーナは毎日家事をし、それは人形の寿命を確実に縮めている。おそらくルティアナである自分の方が長生きだろうと、アルトゥールは思っている。だから、最後まで側に居てやろうと決めていた。祖父を亡くして独りになった彼女が、二度と独りにならないように。スティーナは台所で夕食の後片付けをしながら、不思議な気分だった。ヴィスリンは自分に友人への挨拶をしてくれ、アルトゥールは自分の側で生きていて良いと言ってくれる。それに対して沸き上る温かい感情がある。人形であるはずのスティーナは、自分は幸福なのだと心の底から感じていた。<br /><br />　ある日の午後、アルトゥールが自室で読書をしている時だった。右耳のピアスが急激に熱を持った。それはある知らせだった。急いでアルトゥールは立ち上がると、戸棚から色んな道具をかき集め始めた。それを袋につめると、大きな声でスティーナを呼んだ。「何でしょう、アルトゥール様？」穏やかに聞くスティーナと正反対に、アルトゥールは急用が出来たから出かけて来る、と切羽詰まった声で告げた。「帰りは何時頃になるか分からない。だが心配しなくて良い」「はい、お帰りをお待ちしています」それだけ言葉を交わすと、アルトゥールは玄関から飛び出して行った。開け放たれたままの扉を閉めようと、スティーナは玄関に近付いた。その時にはもう見える範囲の何処にも、アルトゥールの姿は無かった。相変わらず馬に乗るのが下手なアルトゥールだが、この時使った移動手段は馬では無かったのだ。<br /><br />　その頃、西の国境付近では激しい戦がおきていた。隣国の連中は異教徒を殺せば殺す程、自分達の信仰している神に祝福されると信じているので容赦も迷いも無い。だが大人しく殺されてやる気は、当然ヴィスリンには無い。剣も弓も、ヴィスリンの腕は良かった。だがこの時、ヴィスリンは自分の部隊からはぐれてしまい、孤立していた。身につけている鎧から下級軍人で無い事は、隣国の戦士達にもよく分かった。地位の高い敵を倒せば褒美ももらえるし、神の祝福もより受けられる。そう考えた隣国の戦士達は、一斉にヴィスリンに斬り掛かった。相手にするには多過ぎるな、と考えながら、それでもヴィスリンは勇猛に戦った。最下級の地位の軍人見習いから大隊長にまで登り詰めただけの、実力の持ち主なのだから。それでもやがてヴィスリンの体力はひどく消耗してきた。もう何十人敵を倒したか分からない。体力には自信があったが、戦は昼過ぎから続いておりもう夕刻が近い。背後に敵の気配を感じて振り返った時、傾きかけた陽が視界を奪った。まずいな、と思った時だった。ヴィスリンの身体に敵の剣が刺さり、激しく吹き出した血液は敵の身体をも濡らした。ぼんやりと自分から飛び散る血液を見ながら、ヴィスリンは心の中で妻にすまない、と呟いた。そして急激に意識を失った。そのまま地上に倒れるはずだったヴィスリンの身体を、支えた人物が居た。何時の間に何処から現れたのか、鎧も身につけず剣も弓も持たず、どう見ても軍人には見えなかった。だが敵には違いないだろうと、隣国の戦士達は剣を構え直した。「去ね」その人物が発した声は地の底から沸き上るような、激しく深い響きを持っていた。どう見ても軍人では無い丸腰の男に、隣国の戦士達は圧倒された。そのひるんだ一瞬に、それは起こった。その男から真っ白い閃光が起こり、その場に居た誰もが視界を奪われた。そしてようやく目を開いた時には、二人共戦場から姿を消していた。<br /><br />　ヴィスリンは地面に横たわっていた。その身体の周囲には正五角形に護符が置かれ、色の付いた砂で護符が繋げられ魔法陣が作られていた。それは他者から身を隠し守る為の、二重の結界だった。やがてヴィスリンが意識を取り戻し目を開けると、周囲は真っ白だった。半球の形をした白い何かに包まれている。そして戦場に居たはずなのに、物音も声も何も聞こえない。自分がどういう状況なのか、ヴィスリンはさっぱり分からなかった。「気がついたか」聞き間違えようもない声、その方向に視線をやるとアルトゥールが自分の横に座っていた。ヴィスリンの身体にかざされた両手からは、不思議な何色もの光が出ていた。その光がヴィスリンの身体を包んでいる。「……アルトゥール……どうして、此処に……？それに、この空間は、一体……？」「無理に口を聞くな。体力を消耗する。……以前約束させただろう、絶対に俺のつけたピアスを外すな、とな」無理矢理つけさせたガーネットのお揃いのピアス、それには金具部分に古代の神聖文字が刻まれた、呪術の道具だったのだ。どんなに遠く離れても、ヴィスリンの生命の危険を察知出来るように。優れた呪術師のアルトゥールには、瞬時に駆けつける事が可能なのだ。ヴィスリンはひどく疲れているが、不思議と痛みはそれ程感じていなかった。あれだけ出血したのを、自分の目で見たはずなのに。これはもしかして死期が近付いて、感覚が鈍っているのだろうか。だがそれでもヴィスリンは構わなかった。出来ればもう少しでも長生きしたかったが、今日まで妻の故郷を守る為に戦えたのだから。「ヴィスリン。お前、これで死んでも本望だと思っているだろう」図星を刺されて、ヴィスリンは力無く笑った。だがそんなヴィスリンを見るアルトゥールの目つきは冷ややかだった。<br />「お前が本望だろうが、何だろうが、俺はお前を死なせる気は無い」アルトゥールの両手から出ている不思議な光、それはヴィスリンもまだ見た事が無い、治癒の呪術の一種だった。全身全霊を込めて、アルトゥールはヴィスリンを救おうとしていた。だが用意した呪術道具と自分の治癒術だけでは、足りそうにない。それ程ヴィスリンの傷はひどかった。以前から心に決めてはいたが、アルトゥールは最後の手段に出る事にした。今二人は結界の中に居るので、誰からもその姿は見えない。だが周囲にはまだ多くの隣国の戦士達が居る。アルトゥールは彼等から生命力を奪う事に決めた。どうせ殉死を賛美する連中なのだ、有効に戦場で死なせてやる。それが正しい事だとアルトゥールは信じている訳では無い。だがアルトゥールにとって、どちらの命が重要なのかは自明の理だった。『東の木、南の火、西の金、北の水、中央の土。青なる春、赤なる夏、白なる秋、黒なる冬、黄なる四季。この者に花びらの降る朝を与えたまえ！』それは古代の神聖語だったから、ヴィスリンには何を言っているのか分からなかった。だがアルトゥールが呪術師としての力を発揮しているのは分かった。次第にヴィスリンを包む光が激しくなっていく。それは結界の外に居る多くの隣国の戦士の、生命力を奪ってヴィスリンに注ぎ込んでいるのだ。当然生命力を奪われた者は死ぬしかない。国が違うと言うだけで、信仰している宗教が違うと言うだけで、殺戮を繰り返す隣国をこれ以上は無い程に忌み嫌っていたのに。今そのアルトゥールもヴィスリンを救う為とは言え、殺戮者だった。自分は死後か何時か、呪術者として何らかの罰を受けるかもしれない。アルトゥールはそう考えていた。スティーナと言う自然の摂理に反した生命体を作り、今こうして他人の命を奪っている。だが他に選択肢など有り得なかったのだ。ひどい出血の為にヴィスリンは再び意識を失っていた。救う為ならば何でもする。例え救えなくても俺の側で死んでくれ。それがどんなに自分勝手な事かは、アルトゥールは理解しているつもりでいた。そして強い願いに涙を流したい衝動にかられながら、長い時間呪術を行っていた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/heibeiwang.html" target="_blank" >超強 黒倍王</a> <br /><br />　やがてヴィスリンは、自分を呼ぶ複数の声で目を覚ました。すでに陽は山陰に隠れており辺りは薄暗く、戦は一時中断となっていた。上に成り上がり者と嫌われているヴィスリンだが、部下からの信頼は厚い。行方不明になったヴィスリンを、部下達は文字通り必死で探していたのだ。「良かった……ヴィスリン大隊長、ご無事でしたか」部下達の安堵の言葉に、ヴィスリンは自分の身体に手を当てた。致命傷になる程の傷を負ったはずなのに、出血もしていなければ痛みも無い。鎧を着ているので見えなかったが、僅かな傷跡すらその身体には無かった。鎧も顔も手も血で染まっていたが、部下達は返り血なのだと解釈した。ただヴィスリンは気を失っていただけなのだと。地面に寝転がっていた身体を起こすと、やけにヴィスリンは頭が重く疲れていた。アルトゥールが側に居てくれたような記憶があるが、あれは夢だったのだろうか。戦場で独りで死ぬ事になると思っていたヴィスリンは、それが現実だったなら嬉しいのだが、全く現実感が残っていなかった。部下達に身体を支えられて、まだ足に力は入らなかったが、無事にヴィスリンは本陣へと生還した。<br /><br />　その夜、アルトゥールは居間で一人酒を飲んでいた。その様子を眺めながら、スティーナは自分が人形でなければ、飲むのに付き合えるのに、と考えた。それをアルトゥールが望んでいるかどうか分からなかったが。酒の肴をテーブルに並べた後、スティーナはアルトゥールに話し掛けた。スティーナはアルトゥールがヴィスリンを助けに行った事を知っていた。服にも手にも血を付けて帰って来たので、隠しようが無かった。そしてヴィスリンを救えたのを喜ぶ反面、隣国の連中の命を奪ったのを後悔しているのを、スティーナはアルトゥールの態度から分かっていた。「あの、アルトゥール様」「……どうした」「ヴィスリン様を救われた事は、後悔なさる事では無いと思います」それは思いやりからの言葉だと分かっていたが、アルトゥールは自嘲めいた笑みを口元に浮かべた。「隣国の連中は、この国の者への殺戮に何の躊躇いも無い。俺はそれを軽蔑してきた。だが俺が今日した事も、あいつらのしている事と、変わりなどしない」しばらくスティーナは悲しそうに考え込んでいたが、一所懸命言葉を選んで話し始めた。何時も生気の無いスティーナだが、この時は声に優しい熱を帯びていた。「隣国の者達は、侵略し支配する為にそうしています。ですがアルトゥール様は、大切な者を守る為にそうなさいました。私はそう信じています」そうだろうか、とアルトゥールは納得出来なかった。圧力と解放の差はあるとしても、隣国の連中も大切な者の為に戦っているつもりのはずだ。自分のした事が許される事だとは、アルトゥールには思えなかった。<br />「……それから、遅くなり申し訳無いのですけれど」「何をだ？」「有り難うございます、私を作って下さって。私が存在する罪は、それを喜ぶ私が引き受けます。アルトゥール様に罪はありません」心の底からスティーナはそう思っていた。少なくとも自分が存在する事で、身寄りをなくした祖父は幸せな晩年を過ごせたはずだ。正確には人形のスティーナの祖父では無いが、スティーナは祖父の事がとても好きだった。だからアルトゥールに感謝していた。礼を言われてアルトゥールは面食らった。昔なじみの孤独な人形職人の頼みを聞いてやりたかった気持ちは、確かにあった。だが自分の呪術がどこまで通用するか、試してみたかったのも事実だ。優しさだけで、アルトゥールはスティーナを作った訳では無い。<br />　そんな事はスティーナは、実は分かっていた。分かっていて、それでもアルトゥールに好意を抱き、感謝しているのだ。呪術を試してみたかっただけなら、用が済めば邪魔な自分など破棄すれば良いのに、アルトゥールはそうしなかった。こうして側に置いてくれている。「出過ぎた事を色々と申し上げました。お許し下さい」お辞儀してスティーナは下がろうとしたが、アルトゥールはそれを引き止めた。「……しばらく此処に居てくれないか」「私はお酒のお相手も出来ませんが」「かまわない。居てくれるだけで良い」「はい、アルトゥール様」穏やかに笑うと、スティーナは長椅子に座るアルトゥールの隣に座った。弱くて悲しき生き物達。彼等に夜は冷たくは無かったが、それでも朝を待ち望んでいた。自分にも、自分以外の者にも。<br /><br />　居間でアルトゥールは今日届いた手紙を読んでいた。そこへスティーナがお茶を運んで来た。相変わらずしなくていいと言っても、スティーナはこうして家事をしていた。それも必要最低限以上の事を。「どうぞ、アルトゥール様」テーブルにポットとカップを並べ終えると、軽くお辞儀をした。下がろうとしているスティーナをアルトゥールは引き止めた。「君も座ると良い」そう言いながらアルトゥールは持っていた手紙を差し出した。座って読めと言う事なのだが、スティーナは受け取ろうとしなかった。人形の身体は疲れる事を感じず、滅多に座らない。差し出されたとは言え、人の手紙を読んで良いのか分からない。戸惑っているスティーナに、アルトゥールは好意的な笑みを浮かべた。「遠慮しなくて良い。封筒の宛名は俺だが中身は俺と君宛だ」「私にも、ですか」それでは失礼致しますと言ってから、ようやくスティーナは椅子に座った。そして手紙を受け取ると、それはヴィスリンからだった。当然の事ではあった、他にスティーナの存在を知る者は居ないのだから。手紙には簡単な近況や、近いうちに休暇が出るので村に戻る事が書かれていた。「お戻りになられるのなら、こちらにいらっしゃるでしょうか」「書いては無いが、来るなと言っても来るだろう。楽しみか？」「はい。ヴィスリン様はお優しい方ですから」口にはしなかったが自惚れても良いのなら、ルティアナの挨拶をしたヴィスリンは唯一の友人だ。祖父の家で暮らしていた時も、スティーナに友人は居なかった。孫娘が亡くなった事は周囲に知られていた為、誰にも存在を気付かれないよう細心の注意を払っていた。<br />　誰にも知られず暮らしているのは今も変わらない。そしてスティーナにとってアルトゥールは、主人であり友人では無かった。自分は小間使いで、それがこの家で暮らす意味だと考えていた。家事をしなくていいと言われても、スティーナには特にする事が無い。それに自分を作ってくれた感謝も込めて、毎日あれこれと家事をしていた。それで自分の寿命を縮める事になろうとも構わなかった。「昇進なされるのですね」手紙には現在の大隊長から将軍補佐への昇進の話がある、と書いてあった。だがアルトゥールはどうだろうなと答えた。現在の大隊長の地位に就く時にも、随分な反対意見があったと聞いていた。しかしヴィスリンの功績は充分大きく、反対意見の者達もそれは認めざるをえなかったのだ。自分の産まれた階級が自尊心を支えている。そんな奴は平民階級産まれの者が、異例の早さで昇進するのは面白く無い。自分より歳下に見える者が自分と同格、もしくはより昇進すれば、更に面白く無い。だから、とアルテゥールは言葉を続けた。「あいつは大抵の上の連中に嫌われてる。もちろん国王は、どれだけ反対意見が出ようが昇進させれる。だがあまり昇進させても敵を作るだけだからな……いや、これ以上はもう敵を作れないか」「そんなにも、嫌われていらっしゃるのですか」感情の変化をほとんど見せないスティーナだが、驚いたような口調だった。会った時間は短いが、人に嫌われるような性格には思えない。階級が高いしかも軍の人間関係の事を知らないので、不思議でたまらなかったのだ。<br />「頭の固い連中にだけな、部下からは随分と好かれてる。まああいつの場合は、本人に昇進願望がたいして無いんだが」「そうなのですか？」「西の国との隣接地域を守れれば、それで良いのさ。あいつは……」そこまで言いかけてアルトゥールは止めた。スティーナが困ったような表情になっていたからだ。面白く無い嫌な話を聞かせてしまっただろうか、と少し不安が沸いた。「どうした？」「あの……私はそこまで立ち入った事を、伺って構わないのでしょうか」その質問にアルトゥールは思わず笑みをこぼして説明した。ヴィスリン本人が隠していない事を、友人のスティーナに話しても少しも構わないと。そして軍人の志望動機についても。友人と言われてスティーナは僅かに、照れくさそうな嬉しそうな表情を浮かべた。ヴィスリンがスティーナを友人だと呼んだ事がある訳では無い。だがそう思っていないのなら、今回の手紙を自分宛だけにしたはずだ。だからアルトゥールは当然の事として、自分達二人共がヴィスリンの友人だと考えていた。「今でも奥様を愛していらっしゃるのですね」「大恋愛だったし、今でもあいつは恋愛中だ」昔の仲睦まじい様子を思い出しながら、アルトゥールはそう答えた。自分でポットから二杯目のお茶を注ごうとして、ふと手が止まった。つい先程までとは打って変わって、スティーナが沈んだ表情をしていたからだ。<br />「どうした？スティーナ」「アルトゥール様は……ご結婚なさった事がおありなのですか」無い、と簡潔に答えられると、スティーナの表情は更に沈んだ。その表情の変化を見て、アルトゥールは訳が分からないでいた。自分に結婚の経験が無い事が、スティーナにどう関係すると言うのだろうか。本当にずっと独身で居るが、それを不満に思った事は一度も無い。「どうしてそんな顔をする？」「……私がこの家に居る事が、ご結婚の妨げなのではありませんか」スティーナの中には自分を優先させる発想が無い。以前アルトゥールは、死にたいと思っていないのなら生きれば良い、と言った。そう言ってくれたのだ、人形でも生きていて良いのだと。それをとても嬉しく思っていた。だが自分の存在が妨げになるのなら、破棄されて構わないとも思っていた。「そんな事は無いさ」「不便な村外れで暮らしていらっしゃるのも、私のせいです」アルトゥールは立ち上がると、スティーナの座る椅子の手すりに座った。そしてうつむいているスティーナの顔を覗き込んだ。そうされると増々スティーナは深くうつむいてしまった。生きる事に前向きになったと思ったのだがな、とアルトゥールは心の中で小さく溜め息をついた。スティーナを引き取ったのも、その為に村外れに越した事も、全て自分で決めた事だ。生活を乱されて困ると思わなかったし、事実そうなっていない。<br />「そんなに俺を結婚させたいか？」「私はアルトゥール様の邪魔になりたくないのです」「なっていないさ」「ですが……」更に言葉を続けようとするスティーナの口を、アルトゥールは手で軽く塞いだ。驚いて口を塞がれたまま、スティーナは顔を上げてアルトゥールへ向けた。視線の先には優しさに溢れた視線があった。「それならスティーナ、君が俺の妻になってくれるか」その言葉にスティーナは目を見開いた。冗談にしては表情も口調も真面目過ぎる。だが真面目な話にしては非現実的過ぎる。自分は人間では無いのに、感情はあっても人形なのに。「嫌ならそう言ってくれ、今聞いた記憶を呪術で消す。その方が暮らし易いだろう？」「私は小間使いの自動人形です」そう言うスティーナの口調は震えていた。どうして震えているのかは本人にすら、はっきりとは分かっていなかった。だが少なくとも求婚に対する嫌悪では無いと、アルトゥールは漠然と感じていた。もちろんスティーナは嫌悪など感じていなかった。もっと別の事を感じていた。「俺は君を小間使いだと思った事は無いし、そうだとしても関係無い」「それでも人形です。子供を産む事も出来ません」「俺は子供が欲しいと言ってるんじゃない。スティーナと結婚がしたいと言ってるんだ」「私は……」それ以上は言葉が続かなかった。その代わりにまだ軽く口を塞いでいるアルトゥールの手に、幾つもの水滴が落ちた。それは確かに温かかった。有り得ないと言えばそうだろうが、そもそもスティーナの存在自体が有り得ない事だ。だがこうして生きている。ゆっくりとアルトゥールは手を離した。「返事を聞かせてくれないか」「……妻になります……アルトゥール様、喜んで……」「有り難う、嬉しいよ」まだ涙をこぼしているスティーナを、アルトゥールはそっと抱きしめた。誰にも祝福される事は無く、知られる事さえも無く。唯一人ヴィスリンを除いては。それでも二人は心からそうしたかったのだ。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/tbwys.html" target="_blank" >天宝五夜神カプセル</a><a name="more"></a>

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<dc:date>2009-05-21T15:56:36+09:00</dc:date>
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<title>短編曖昧な関係</title>
<description> 読んでいた本に影が差した。 顔を上げれば、いつもの顔。 渋面を作った年下の――といってもほんの数ヶ月だけの差。学年は一緒だ――従弟が近くに寄ってきていた。 また別れてきたのか。 彼はいつも付き合っていた彼女と別れるたび、あの表情をしてここに来るのだ。いい加減表情を見るだけでわかるようになってしまった。 全くご精の出ることで。 お付き合いなんて面倒だと思うのに、彼は飽きずに彼女をころころ変えつつ女と遊び歩いている。早ければ半日。長くても数ヶ月単位で切り替わる彼女達。 もっとき...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-05-14T12:59:50+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
　読んでいた本に影が差した。<br />　顔を上げれば、いつもの顔。<br />　渋面を作った年下の――といってもほんの数ヶ月だけの差。学年は一緒だ――従弟が近くに寄ってきていた。<br />　また別れてきたのか。　彼はいつも付き合っていた彼女と別れるたび、あの表情をしてここに来るのだ。いい加減表情を見るだけでわかるようになってしまった。<br />　全くご精の出ることで。<br />　お付き合いなんて面倒だと思うのに、彼は飽きずに彼女をころころ変えつつ女と遊び歩いている。早ければ半日。長くても数ヶ月単位で切り替わる彼女達。<br />　もっときっちり一ヶ月とか一週間とか決まっているならカレンダー代わりになるのに、と思ってしまう。<br />　見習いたいなんて思わないけれど、少し感心する。<br />　私は、特に彼氏が欲しいと思ったことは今までないし、それで特に困った覚えもない。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >滋養強壮</a><br />　きっと、彼の女遊びは一種の病気なんだろうなと私は思う。<br />　誰かが傍にいないと、きっと耐えられないのだろう。<br />　だから、こうして彼女と別れると、彼はここに来る。人を求めて。<br />　私は本を閉じると座っていた位置を少しずらして、彼のために場所を空けてやった。<br />　今日はもう本を読む時間はないだろうな、と思いながら。<br /><br />　<br />「また、泣かしたの？」<br />「初めにいってあったのに、約束を破るあいつが悪い。」<br />「ずいぶん勝手よねぇ。あんたってば相変わらずなんだから。」<br />　少しくらい許してやればいいのに。<br />　彼は約束を破られるというのを異常なまでに嫌う。環境を考えるとそれはわからないでもないのだが、少し度を越しすぎていると思うのは気のせいではないだろう。<br />「俺はちゃんと言った。お前のことを一番に考えてやれないし、好きになれるかもわからない。それでもいいかって。」<br />「それで、彼女はそれでもいいと言ってたのね？」<br />　いいと言っていた、つまり今は違うことを言われたんだろうという意味を含めてあの子を見ると、彼は頷いた。<br />「自分だけを見て欲しいとか、好きになってくれとか言ってきたんだ。――約束したのに。」<br />　彼女にとっては約束ではなかったのだろう。<br />　その時は違っても、彼に好きになってもらえる自信があったに違いない。だから頷いたのだ。彼にとっての『約束』であるというのも知らずに。<br />　そうして、『約束を違え』て、彼に別れの言葉を告げられたのだろう、多分ついさっき。<br />　今その彼女は泣いてるだろうか？怒ってるのだろうか？<br />　彼の表情を見た限り前者かな、と思う。怒っていたのなら、むしろせいせいした顔をしていそうだ。<br />　元々冷たく整った顔立ちの口元の辺りが少し歪み、眉間に皺がよっていた。<br />　やれやれ。可愛い女の子の泣き顔でいらだつなんて女好き――傍から見れば――の風上にも置けない。<br />　まぁ、小さい子がどんなに可愛くても、鳴き声が煩く感じるのと同じようなものなのだろうか。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >強精剤</a><br />「――皺ができるよ。」<br />　彼の眉間を撫でるように指を滑らせた。不機嫌な時の彼を触っても怒られないのは私だけの特権だ。<br />　それが、少しだけ嬉しいと思っているのはここだけの秘密。<br />　なんだかんだでしょうがないとは思っていても、可愛い弟のように思っている。ひょっとすると私にはブラコンの素質があるのかもしれない。<br />　彼は従弟であって弟ではないけれど、似たようなものだろう。<br />「せっかくあんた綺麗な顔してるんだから。もう少し大切にしなさいよ。」<br />　このご面相だからとっかえひっかえしていても女の子が寄ってくるのだろう。<br />　人間外見だといいたくはないが、しかし見た目で得することが多いのも事実。眉間に皺なんてよっていたら、そのうち彼をもてはやす女の子達もよってきてくれなくなるのではあるまいか。<br />「香乃姉（こうのねぇ）･･･」<br />「何よ、聞いてるの？」<br />　せっかく忠告してあげているのに、忠告損は勘弁して欲しい。<br />「聞いてる。･･･ねぇ。」<br />「･･･････またなの？」<br />　私より背が高いはずの彼が少し身を丸めて、こちらを伺うように上目遣いでこちらを見た。<br />　甘えるような媚びるようなそんな仕草で。<br />　ため息をついた。呆れた為ではなく、諦めを込めて。<br />　ああ、私も大概彼に甘い。<br />　本当のことを言えば、彼のためにも自分のためにも断るべきだとはわかっているのだが、どうにも彼のこの視線に弱い。<br />　小さい頃、実の母親に捨てられた彼の姿が重なる。<br />「この女好き。」<br />「そういうわけじゃない。･･･ただ、安心するんだ。」<br />　お願い、と彼は私に請う。不機嫌で近寄りがたい印象は拭い去られ、どこかほっておけない弱弱しさを漂わせながら。<br />「今回だけだよ？」<br />「･･･････。」<br />　私は何度となく繰り返した「今回だけ」の言葉をまたしても沈黙で返された。今回だけだ、に対して彼が頷けばそれは『約束』になってしまうから、彼は何度繰り返しても頷こうとしない。<br />　ああ、ため息が出る。――彼を拒否できない自分の弱さに。<br />「しょうがないなぁ･･･いいよ。おいで。」<br />　私は上半身を後ろに倒して、横たわる。<br />　直ぐに彼の重みがのしかかってきた。背中にあるのはスプリングの利いたわたしのベッドだから痛くはないけれど、重い。<br />　そっと確かめるように彼の腕が私の体に回り、少しづつ少しづつ身に着けていたものが剥がされていく。<br />露になっていく白い肌を、まるで他人事のように私は見ていた。<br />　何回繰り返しただろう？こういうことを。――もう数えるのはやめてしまった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >精力剤</a><br /><br />　初めて彼とこういうことになったのは何年前だったか。<br />　２年か、３年前だろうか？<br />　その頃は女遊びなどしていなかった彼だが、代わりに物凄く精神的に不安定で。私は人を一人支えられるほど精神的に成熟しているわけでも、強くもないから、代わりに身を投げ出した。一種の安定剤代わりに。<br />　何回か彼を慰めているうちに立ち直ったように見えたので、もう大丈夫だろうと手放してみたら――いつの間にか女の子達と遊ぶようになっていた。それでも表面上は大丈夫そうに見えたから放って置いたのだが、ある日、彼はこうして私の前に来て言った。<br />「彼女と別れた」と。<br />　そうして今みたいに希った。その時了承してしまった私が悪いのか。以来彼は『彼女』と別れるたびに私の元に来る。<br /><br />　私の体を抱き枕か何かと勘違いしているのだろうか？それともやっぱり安定剤か何かだろうか。<br />　彼は優しく大事なものを触れるように触れる。あんまり優しくされると勘違いしてしまいそうになるから、抱き枕だと思っているのなら、もっとそれなりの態度を示して欲しい。<br />「気持ちいい？」<br />「･･･ぅ･･･ん･･･。」<br />　彼のくれる蕩けるような感覚は好きだ。気持ちいい。<br />　甘さに酔って、意識が遠くなるような、そんな快感が身の内を走る。<br />「もっと気持ちよくなっていいよ。」<br />　彼の愛撫は本当に絶妙で。<br />　自分本位でことを進めることもなく、相手の快感を追及してくれる。かといって押しが弱いということもなく。<br />　ちょうどいい具合。<br />「ん･･･ぁ････ふ････も･･･ダメ･･･」<br />　私が音を上げるとふんわりと笑った。体勢を変えて、体を重ねてくる。<br />　彼と私は一つになった。<br /><br /><br />　きっと、明日には彼には又新しい彼女ができているのだろう。<br />　でも、きっと暫くしたら別れて、またこうして私と彼は抱き合っているのだろう。<br />　彼が私を必要としなくなるその時まで。<br />　愛なのか同情なのか憐憫なのかよくわからない、複雑な感情を胸に抱きながら、急速な眠気に襲われて私は眠りに付いた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/" target="_blank" >男根増長素</a><br /><br /><br />だから。<br />「後、何回この手を使えるかな？」<br />という彼の呟きは耳に届かなかった。<a name="more"></a>

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<item rdf:about="http://ryokuzai.seesaa.net/article/118962936.html">
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<title>月光</title>
<description>それは、夢か現か幻か。（1） わたしはゆっくりと目を開けた。どれくらいのあいだ、眠っていたのだろう。頭がぼうっとしてはっきりしない。きっちりと閉めきられたカーテンの下から、部屋の中に月の光が忍び込んできている。学校から帰ってきてすぐに横になったから―――随分と長いあいだ眠ってしまったようだ。辺りは無音だった。風の音も、庭の木が揺れる音も、何も聞こえない。まるでこの世界には自分しかいないような気がしてくる。別にそれでも良いと思っていた。人間は決して孤独では生きていけないと言うけ...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-05-09T11:02:59+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
それは、夢か現か幻か。<br /><br />（1）<br /><br />　わたしはゆっくりと目を開けた。どれくらいのあいだ、眠っていたのだろう。頭がぼうっとしてはっきりしない。きっちりと閉めきられたカーテンの下から、部屋の中に月の光が忍び込んできている。学校から帰ってきてすぐに横になったから―――随分と長いあいだ眠ってしまったようだ。辺りは無音だった。風の音も、庭の木が揺れる音も、何も聞こえない。まるでこの世界には自分しかいないような気がしてくる。別にそれでも良いと思っていた。人間は決して孤独では生きていけないと言うけれど、死ぬときは誰だって独りになるのだから。そう、思っていた。彼に逢うまでは。「十夜」高くもなく低くもない声が耳を打った。とおや。それはわたしの名前。十日の夜に産まれたから、十夜なのよ、と。いつだったか、わたしを産んだ人から教えられたような気がする。ぼんやりと天井を映していた瞳を横にずらすと、彼はいた。「由良」名を呼べば、彼は儚げに微笑んでこちらに手を伸ばしてきた。わたしはそれを拒むことなく受け入れる。冷たい手だった。「いつからいたの？」「ずっと」薄い唇が、囁くように言う。<br />「起こしてくれれば良かったのに」「とても気持ち良さそうに眠っていたから」わたしは顔をしかめた。まぬけな寝顔をずっと見られていただなんて。そんなわたしの思いを知ってか知らずか、由良はその長身を折って、わたしの髪にそっと口づけをした。まるで、いとおしくてたまらないというように。わたしは思わずくすくすと笑い声を漏らしながら、華奢に見えて実はしっかりした背中を腕に抱きしめた。由良はくすぐったそうに身をよじり、同じようにくすり笑って、耳元で囁いてくる。「ああ、十夜にさわれる」確かめるように、わたしの髪を何度も何度も撫でる。それが何ともいえず心地よくて、わたしは目をつむった。「十夜は温かいね」「由良は冷たい」まるで、氷のように。「それでも、十夜のぬくもりを感じることはできる。それだけでも、感謝しなければならないんだろうね。あの、窓の外の月に」「………うん」「綺麗だね、月は。不思議で、魅力的で。まるで、十夜みたいだ」「…………」そんな恥ずかしいことを臆面もなく言ってのけるところが、彼のすごいところだと思う。赤く染まった頬を見られないように、わたしは彼のまっ白いシャツに顔を押しつけた。<br /><br />　それから長いようで短い時間が流れ、由良はふらりと顔を上げて、ひどく残念そうに呟いた。「そろそろ、行かなければ」わたしを抱きしめていた腕をほどき、長い指でわたしの頬に触れる。その感触がやっぱりどうしようもなく冷たくて、わたしは哀しくなる。「泣かないで」ひどく困ったような顔をして、由良は言った。いつのまにか、わたしは泣いていた。ぽろぽろと目から溢れて止まらないそれは、彼の指を容赦なく濡らしていく。それによって、彼の白い肌がいっそう透明度を増したかと思うと、由良の身体は本当に透き通り始めた。まるで溶けていくかのように、浅い闇の中へと消えていこうとする。わたしには、どうすることもできない。由良は静かに微笑んで、わたしの唇に唇で触れた「また、明日」そう言って、名残惜しそうに唇を離す。そして、由良の姿は完全に闇の中へと飲み込まれた。わたしに、何ができただろう。ゆるゆると涙を拭いながら、窓の外に目をやれば空は薄暗い。夜が明けるのも時間の問題だ。彼は、由良は不思議な存在だった。夜にしか、彼に会うことは叶わない。それも、月の出る日に限られる。昼間はもちろん、月の出ない日には声を聞くことも姿を見ることもできない。儚く、脆い存在。月が見せる、まぼろし。「ゆら」確かめるようにその名前を呼ぶ。いまだ由良の感触が残る唇にそっと触れた。そう、それでも彼はたしかに存在しているのだ。わたしの名を呼び、わたしを抱きしめ、優しい口づけをくれるのだ。夢なんかでは、けっしてない。それだけで、充分だった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/shbyy.html" target="_blank" >マーベロン(Marvelon)事後避妊薬</a> <br /><br />（2）<br /><br />「ああ、十夜。とても綺麗だよ。まるで」「言わなくていい」照れるから、と。機嫌を損ねたふりをして、ついとそっぽを向く。由良はくすりと笑った。「だって、綺麗だよ。ほら、十夜はこんなにも」長い指が、わたしの頬を撫でる。あ、と気づいたときにはもう遅かった。頬をすべり落ちた白い指先はとどまることなく、淡く口紅をひいた唇をゆるりとなぞっていった。「もう、せっかく塗ったのに」赤く染まってしまった彼の手をとって、やんわりと遠ざける。すると、由良は悪びれることもなく笑って、何を思ったのか、自らの唇にそれをひき、悪戯っぽく片目をつむってみせた。「おそろい、だね」「…………っ！」女のわたしよりも男の由良の方が似合っているなんてひどいと思う。けれど、赤く艶やかなその色は、由良の白い肌に映えていて、ぞっとするほど美しかった。「さぁ、そろそろ行こうか。僕らにはあまり時間がないからね………？」<br /><br />　由良に手を引かれてやって来たのは、家の近くにある神社だ。いつもは静かすぎるくらいのこの場所は、今日は所狭しと屋台が並べられていて、とても賑やかだ。今日は年に一度の、夏祭りの日なのだ。「嬉しいなあ。十夜と浴衣デート、なんて」心底嬉しそうに、由良は言った。さきほどから由良がわたしを誉めちぎっているのはそのせいだ。今、わたしは浴衣を着ている。由良が好きだと言った桜の花びらが、黒地の布に散りばめられているそれは、綺麗だけれどわたしには少し大人っぽすぎて似合わないと思うのに、わたしよりもずっと美しい由良が白い頬を染めてわたしを見るものだから、なんだかその気になってしまって困る。それに対して、由良は出逢ったときから変わらない、薄出の白いシャツと黒いズボンといういたってシンプルな格好にも関わらず、それだけで道行く人々を振り返させる。それだけのものを、彼は持っていた。「へい、かっこいい彼氏。お嬢ちゃんに良い所見せたくない？」射的の屋台の前を通り過ぎるとき、陽気なおじさんが声をかけてきた。つられて棚に並べられた賞品をなんとはなしに見てみると、プラモデルやお菓子などの中に行儀よく座っている可愛いくまのぬいぐるみが目についた。すると、由良はにっこり笑って、「とってあげるよ」「本当？」わたしの顔は、ぱあっと輝いたと思う。<br />「ほい、二回で五百円だよ」おじさんの言葉に、わたしは財布から五百円玉を出して払った。本来ならそれは由良の役割なんだろうけれど、月のまぼろしにそれは無理というものだ。由良は銃を構えた。背筋をピンと伸ばして、まっすぐ前を静かに見すえる姿は、結構さまになっている。次の瞬間、パンッと軽い音が響いて、くまが棚から落ちた。「お見事！」おじさんは手を叩いて笑って、わたしにぬいぐるみを手渡してくれた。わたしは嬉しくなって、ついいつもの通りに由良に抱きついた。 だけど、由良の嬉しいような困ったような笑顔を見て、すぐにぱっと離れた。おじさんは「熱いねぇ」と笑い出すし、わたしはもう恥ずかしくて、うつむいて、もらったばかりのくまをぎゅっと抱きしめた。次の玉はなぜか狙いから大きく外れた。<br /><br />「あ」いくつかの屋台を通り過ぎてしばらく、ライトに反射してキラキラ光るそれを見つけて、わたしは思わず立ち止まった。お祭りに来るとなぜだか無性に食べたくなる、赤くて甘いりんご飴だ。「食べる？」少しかがんでわたしの顔を覗き込んでくる由良。由良は背が高く、わたしに話しかけるときはよくそうする。「でも、たくさん並んでるし………」たしかに、りんご飴の屋台の前には六、七人の行列が出来ている。食べたいとは思うけれど、並んでまでそうしたいかと考えると少し迷う。子供ではあるまいし、ここは素直に諦めて通りすぎようとすると、由良が繋いだわたしの手を引き止めた。「僕が並ぶから、十夜はその辺で待ってて」「え、でも」「良いから」綺麗な顔でにっこり微笑まれてしまうと、わたしになす術はなかった。 由良が言ったとおり、少し辺りをうろうろしながら待っていると、見知った顔と出くわした。ピンク色のハイビスカス柄の浴衣をだらしなく着こなした彼女は、わたしと目が合うと、次の瞬間、ばかにしたような目つきで嗤った。よりにもよってなぜ彼女が、と。わたしは由良と一緒に並ばなかったことを心から後悔した。<br />「あれ？　鈴木じゃん。こんなところで一人で何してんのー？」そのニヤついた顔がたまらなく不愉快だ。濃い化粧では隠しきれない悪意が容赦なく降りそそぎ、思わず身をすくめる。「え？　なになに？　誰この子」彼女の連れらしい甚平を着た派手な男が、品定めをするようにじろじろとわたしを見る。居たたまれなくなって、腕の中のくまをぎゅっと抱きしめた。「学校でさぁ、可愛がってやってんの。ねぇ？　あたしたち仲良しだもんねー？」キャハハと耳ざわりな笑い声が頭の中にこだまする。（ああ）胸の奥に冷たいものが流れる。その内それが心ごと凍りついて、衝撃を受けても傷つかないようにと心の動きを止めるのだ。目の前が、真っ暗になろうとした、まさにそのとき。「十夜」澄んだ声音は、わたしの中の闇を一瞬にして追い払った。「ゆ、ら」もしかすると拳くらいの大きさがありそうなりんご飴を持って現れた由良は、わたしの震える声を耳にして、眉をひそめた。「どうしたの？　何かあった？」「――――っ」嗚咽がのどにつまって、何も言えない。すると、由良はようやくわたし以外の存在に気づいた。そちらに視線を向け、すうっと目を細める。「十夜に、何を？」その絶対零度の壮絶なまなざしに射ぬかれて、先ほどまで傲慢な態度で見下してきた彼女とその連れは、ひぃっと声にならない悲鳴を上げて逃げるようにその場を去っていった。「ごめん」しばらくの沈黙があって、由良は本当にすまなそうにうつむいた。「何で、あやまるの？」「十夜を一人にするんじゃなかった」すすり泣くわたしの頭をなだめるように撫でる。「そろそろ、帰ろうか」由良の言葉に、わたしはただコクンとうなづいて、腕の中のくまをそっと抱きしめた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/ps.html" target="_blank" >プロコミルスプレー-procomil spray</a><br /><br />（3）<br /><br />　由良の冷たい手に引かれながら、ゆっくりと来た道を戻っていく。一歩、また一歩と足を進めるたびに、凍りかけた心がじわりじわりと溶けていき、麻痺した感覚が戻ってくる。涙が乾いて、目元がひりひり痛い。せっかく背伸びをして、慣れない化粧をしたのに。きっと、今のわたしの顔はいつも以上に不細工だ。由良はわたしを綺麗だと言うけれど、由良の方がわたしなんかよりずっと、何倍も綺麗。そう言うと、由良はやっぱり「十夜がいちばん綺麗だよ」と言って笑うのだけれど。「ねぇ、十夜」わたしの手を引いて少し前を歩く由良が、ふり向かずに静かに言った。「………なに？」「この世界は、十夜には少し、生きにくそうだね」先ほどの出来事を思い出して、ズキンと胸が痛む。「………そう、かもしれない。けど、今は由良がいるから、へいき」どんなに嫌なことがあっても、夜になれば由良に逢えるから。この冷たい手が、全ての傷を癒してくれるから。（だから、だいじょうぶ）「じゃあ、僕がいなくなったらどうするの？」由良が何気なく言ったその言葉に、わたしは戦慄した。思わず立ち止まってしまったわたしの手を、由良が怪訝そうにぐいと引く。だけど、駄目だった。動かなかった。どうしたって、それ以上足は一歩だって踏み出せはしなかった。<br /><br />（いなくなったら）たった、それだけの言葉が。こんなにも痛く、辛く、重く、心にのしかかる。「十夜？」いつのまにか透き通った二つの目が、わたしの顔を心配そうに覗き込んでいた。「十夜、どうしたの」「いかないで」すがるように、その目を見つめる。やっとのことで絞り出した声はかすれて、ちゃんと伝わったのか自分でも分からない。けれど、由良は目を瞠って、それからふわりと微笑んだ。「僕は、どこへもいかないよ。ただ、ちょっと考えただけ」由良は遠くを見るように目を細めて、月を見上げた。そうすると、わたしは怖くなる。由良が、どこかへ行ってしまいそうな気がして。「僕がいなくなったとしたら、十夜は、どうするのかなぁって」「死んじゃうよ」死んじゃう、と。念を押すようにもう一度つぶやく。由良はわたしの答えを予想していたのか、ほとんど驚くことはなく、わずかに顔をしかめただけだった。「それは………哀しいなあ。十夜が僕のせいで死ぬなんて」「せい、じゃなくて、ため。わたし自身のため。同じ死ぬでも、意味が違うよ」「それでも、十夜が死ぬことには変わらない」わたしの手を包む冷たい手に、少しだけ力がこもる。どうしようもなく、涙が溢れた。<br />「だって、それしかないんだもの」由良の手を離して、両手で顔をおおう。「由良のいない世界なんて、生きてたってしかたがない」膝を折り、うずくまる。見渡す限り暗闇だったわたしの世界。それを月光のように優しく照らしてくれたのは由良だ。由良は、今のわたしの世界の全てだ。それがなくなって、どうして生きていけるというのだろう。「………ごめん。また泣かせるつもりはなかったんだ」肩に、そっと手が置かれる。「僕は、どこへもいかないから。だから、泣かないで」「うそつき」とっさに口から出たその言葉。分かっていた。知っていた。本当は。由良がいつか、わたしのそばから消えてしまうことくらい。ただ、信じたくなくて、認めたくなくて、考えようとしなかっただけ。顔を上げて、由良を見つめる。由良はいつもと同じように微笑んで、わたしを優しく見つめている。胸が、痛かった。「嘘じゃ、ないよ。僕が十夜を置いてどこにいくっていうの？　僕は、どこへもいかない。いつまでも、十夜と一緒にいるよ」信じて、と。微笑みながら平気で嘘をつく。ごまかすようにふっと綺麗な顔が近づいてきて、人目も気にせずついばむようなキスをされた。唇に触れたそれは、途方もなく冷たくて、哀しくて。「十夜には、いつだって笑っていてほしいんだよ」耳元で、優しく諭すように囁く由良。わたしに、うなづくこと以外の何ができただろう。信じること以外に、わたしにできることは何もないのに。<br /><br />（4）<br /><br />　家に着いたとたん、わたしは着替えもせずにベッドに倒れ込んだ。枕に顔を押しつけて、声を上げずに泣く。静寂の中に、くぐもった嗚咽だけが響いて、ひどく虚しい。「十夜」いたわるような声で優しく名を呼ばれる。いつもならそれにこたえてすがりつくのに、今はどうしてもそうすることができない。この声が、いつかわたしを拒絶して、置いていくのだと思うと、哀しくて淋しくて苦しくて。「十夜」もう一度、呼ばれる。枕の端を握りしめた手がぴくりと震えた。「泣いているんだね？」そう言った由良の方がよっぽど泣きそうな声をしていて、胸が痛くなった。返事をするかわりに、こらえていた嗚咽をこぼすと、止まらなくなる。「ふっ、うっ………っく」「泣かないで、十夜」ぎしりと、ベッドが軋んだ。長い指が髪に触れる。赤ん坊を寝かしつけるように、わたしのあまり肉付きが良いとは言えない身体にぴったり寄りそって、由良は何度も何度も優しく頭をなでてくれた。わたしの抵抗はからくも崩れ落ち、溺れて助けを求めるようにその広い胸にぎゅっとしがみつく。とくとくとく、と。規則正しい音を感じて、高ぶった感情が少しだけ落ち着いた。なだめるようにぽんぽんと背中を叩かれて目線を上げると、困ったような笑顔で由良が見下ろしている。<br />「十夜、お願いだから泣かないで。十夜が泣くと、僕も哀しい」そうして、本当に哀しそうな顔をしたので、わたしは言われるままにこくりとうなづいたけれど、流れる涙は止まらない。すると、由良がふっと顔を近づけてきて、何をするのかと思ったら、頬に柔らかな感触を感じて、目を瞠る。「くすぐったい」恥ずかしさに頬を染めて弱々しく抗議の声を上げると、由良は伏せていたまつげをわずかに上げて、じっとわたしを見つめる。もう、由良は笑わなかった。表情を隠すように両目を伏せて、涙で濡れた唇をおもむろにわたしの首筋へとすべらせる。わたしはぴくんと身体を震わせた。思わず逃げようとした手は、やんわりと絡めとられてしまった。そうしているあいだに、しゅるりと、着つけるときにはあんなに大変だった帯が、あっさりとほどかれてしまった。もう、どうしようもなくなって、されるがままでいると、ふいに由良が耳元で熱っぽく囁いた。「十夜、誰よりも愛しているよ」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/vivid.html" target="_blank" >ビビッドビリリティ vivid女性用</a><br /><br />「………う、ん」わたしはゆっくりと目を覚ました。どれくらい眠っていたのだろう。頭がぼうっとしてはっきりしない。けれど、ふとした違和感を感じて、気だるい眠気をまといながら、おもむろに起きあがる。かけられていたシーツがはらりと落ちて、裸の肌がざわりと粟立った。「由良？」ぽつりと呟いたそれは、静かな空間に異常なほどよく響いた。朝日に照らされたシーツの上に、求めた姿はどこにも見い出せない。眠っているわたしを起こさないように、ひとり静かに行ってしまったのだろうか。そう思うと、寂しくもあり切なくもある。「ゆら」もう一度、呼んでみる。むろん、返事はない。昨夜、寂しいとむせび泣くわたしを、由良はいやと言うほど強く抱きしめて、「大丈夫」と、「僕がいるから」と何度も何度も耳元で囁いた。嵐のような口づけを受け入れながら、冷たい手が肌をなぞるのを感じながら、わたしはそのとき、これ以上ないと言うくらい幸せで、安堵感で一杯だった。いっそこのまま死んでしまえたら良いと、そう心から強く願った。それなのに、無情にも朝は来ていた。月は去り、太陽が昇る。わたしにはどうすることもできない。もどかしい。ただ、涙がこぼれた。<br /><br />（5）<br /><br />　時間は残酷なほど早く、わたしだけをとり残して駆け抜けていった。今、わたしのそばに由良はいない。あの夏祭りの夜を最後に、あとかたもなく消えてしまった。信じられなかった。信じたくなんかなかった。前日の夜、あんなに何度も「そばにいる」と誓ってくれた由良が、次の日にはまるで何ごともなかったかのようにわたしをひとり置いていってしまったなんて。だから、わたしは由良を待った。気が狂うような夜の静寂の中を、一睡もせずに由良の訪れを待って、待って、待ち続けた。なのに、どれだけ待っても由良が現れることはなかった。もう二度と、わたしに逢いにやって来て、笑ったり、抱きしめたり、口づけてくれることはなかった。そして、わたしは生きる気力を一切失ってしまった。由良はわたしの全てだったのだ。由良がいなくては、わたしはもう生きてゆけない。真っ暗な闇の中、一人ぼっちで立ちすくむわたしを光のもとへと導いてくれる、あの冷たくて優しい手は消滅したのだ。右も左も分からない空間で、たったひとり。立ちつくしたまま、一歩も動くことができないおろかなわたし。とてつもない恐怖だった。たえられるはずがなかった。<br />　だから、由良に言ったとおりに死んでしまおうと思った。由良は哀しいと、笑ってほしいと言ったけれど、笑顔を見せたい相手はどこにもいないのに、どうやって微笑むことができだろうか。死ぬのは怖くなかった。どこでもいい。地上を見下ろせる高いところならば、学校の屋上でも、ビルの天辺でも。柵を乗り越えて、あとは一歩踏み出すだけだ。そうすればきっと、由良のところへいける。そう思った。だから、怖くなんかない。由良がいない世界に比べれば、そんなものはどうってこともなかった。それなのに、どうしてだろう。あと一歩というところで、わたしの足は動きを止めた。何度踏み出そうとしても、地面に張りついた足はなぜかびくともしないのだ。他にも死ぬ方法はいくらでもあったけれど、いつも最後の瞬間になると、まるで由良に抱きしめられているかのように身体が言うことをきかなくなってしまうのだ。とうとう死ぬことも生きることもできなくなってしまったわたしは、やがて痛みも苦しみも感じられなくなり、残ったものは傷跡だらけの醜い身体だけだった。後にも先にも動けなくなり、どうして良いのか分からないまま、ただ時間ばかりが過ぎていった。<br /><br />　そんな時だった。身体に異常を感じたのは。ゆっくりと密かに、けれど着実に進んでいたそれは、今ではその存在をはっきりと主張していた。来るべきものが来ず、ほとんど何も食べてはいないというのに、腹部がそうと分かるほど膨らんでいる。それらが意味するものの意味が分からないほど子供ではなかったわたしは、悩んだ末にひっそりと病院へ向かった。そうして検査が終わり、一人でやって来たわたしに何かわけありと見たのか、やや複雑な表情をした医師が伝えた結果は予想どおりのものだった。「あなたは妊娠しています」その事実はあまりにも自然にわたしの中にすとんと入り込んできた。（わたしが、妊娠している？）震える手でそっと膨らんだ腹部に触れてみた。とくとくとくと、規則正しい心音が感じられた。まるで、由良の胸に縋って泣いた、あのときのよう。「由良」ぽつりと名を呼んだ瞬間、それにこたえるようにわたしの中の小さな命がかすかに動いた。と同時に、空虚な胸にせき止められていた想いがどっとあふれ出す。（ああ、そうだ）そういうことなのだ。由良が残してくれた、たった一つのもの。由良の分身。だから、由良だった。由良そのものだった。<br />（わたしの中に、由良がいる）どんなに探しても見つからなかったのに。由良は、こんなにも近くにいたのだ。どこにも行かず、ずっと、わたしのそばに。『ずっと、そばにいるよ』思い浮かぶのは優しい笑顔。そうして彼は口づけをくれたのだ。ああ、どうして今まで気がづかなかったのだろう。由良が約束を破ったことなど、ただの一度もなかったのに。由良は、消えてなんかいない。由良は、ここにいる。生きている。今、ここに。わたしの中に！「早く、早く生まれてきて、由良。そして、わたしをその手で抱きしめて………っ」もう、月のない夜に逢えないと嘆くことも、夜を待ちわびて昼に心を殺すこともないのだ。いつのまにか両目からこぼれ落ちていた涙を拭い、わたしはふわりと微笑んだ。もう、わたしは泣かない。だって、わたしはひとりじゃないのだから。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/gergir.html" target="_blank" >ドイツ女郎.Germany.Girls</a><a name="more"></a>

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<item rdf:about="http://ryokuzai.seesaa.net/article/118227777.html">
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<title>ｎａｔｕｒａｌ ｔｈｉｎｇ.</title>
<description>ずっと一緒でいられないことは、わかっていた。 我ら妖精族は、１８の春に家族を作ることを義務づけられた種族だから。そして、その決定が出るまでの１年――１７の春から１８の春までの間に。我らは、我らのできることの全てをもって。 与えられた使命を果たすために、全力を尽くさねばならないこと。この１年は、提示されたプログラムをこなす努力をして、その先に続く人生をあやまたずに生きていくための最終確認をする大事な時期であるということ。そういうことは、全部。 １６の春に、修了課程に入った段階で...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-04-28T14:04:42+09:00</dc:date>
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ずっと一緒でいられないことは、わかっていた。 我ら妖精族は、１８の春に家族を作ることを義務づけられた種族だから。そして、その決定が出るまでの１年――１７の春から１８の春までの間に。我らは、我らのできることの全てをもって。 <br />与えられた使命を果たすために、全力を尽くさねばならないこと。この１年は、提示されたプログラムをこなす努力をして、その先に続く人生をあやまたずに生きていくための最終確認をする大事な時期であるということ。そういうことは、全部。<br />　１６の春に、修了課程に入った段階で、すべて知らされていたはずで。それに対して異を唱えようと想うことはもちろん、納得できなかったわけでもないのに。 いざ、決定への最初の判定を目の前にしたとたん、自分は。決まっていたはずのことに、うろたえずにはいられなかった。さきほど、教室で渡された一枚の紙には、１年後の――ほぼ確定された自分の就業先と、性別が記されている。そう。性別。ほかの種族がどうかは知らないが、我が種族は、１８の春に性別が確定するのだ。つまり、それまでの１７年の間は無性別――中性というわけで。そういうこともあって、１８の朝に成人するまでは、性別を示唆するような「私」「あたし」「僕」「俺」などといった、一人称で自分を表すことも禁じられている。自分のことを限定することは、可能性を狭めることだと何代もまえの長が決め、それが今に続いているらしいが、詳しいことはよくわからない。歴代の長になるものだけが、歴々と続くその意図を引き継ぐとされている。我ら庶民に対して、個別限定禁止令のはっきりとした意図は公開されないし、死ぬまで公開されることはない。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/fyuanchun.html" target="_blank">福源春</a><br />　我らの種族は、いくつかある妖精族の中でも、もっとも存在が稀とされている。 それを証拠に、毎年、何千という個体が生まれるが、実際に個体として１年間生き延びることができるのはわずか十数程度。我らは生まれたばかりのころが一番弱い。肌がもろく、ちょっとした傷から死に至ることも少なくない。ゆえに、男女のプログラムもきっちり組まれることになったと言われている。１７の春。性別が決まる重要な１年を前にすると、それまでの段階で訓練してきたことの最終確認に入ると同時に、その者がもっとも適していると思われる就業先を、長老会がいくつかピックアップしてきてくれる。就業先は、１年を通して多少の補正はあるものの、残り半年を切った頃になると、一つにしぼりこまれてくる。訓練状況を見ている「命の糸」という組織が、性別のほうをほぼ確定してくるためだ。長老会と、組織「命の糸」は綿密に会議を重ね、本人の意思とは関係無しに、最終決定を１８の春に本人に告げる。ふたつの組織の決定は絶対で、例え本人であろうともそこに反論の余地が与えられることはないと聞いている。 <br />　そして、今まではそれに対して間違いが起こったこともなかった。だから、みな安心してこの組織の発言に従い、生活している。というか、生まれたときから。 最初の１年間を生き延びることができた、その瞬間から。それにしたがうことはあまりにも当たりまえのことだったから。まわりにいる同じ年頃の妖精はみな平等で、仲間だ。もちろん、そうはいっても気の合う合わないは出てきてしまうから、ある程度親しくする仲間とそうでない仲間がでてきてしまうことはある。まあ、気の合わないものは仕方ないとして、問題は前者の場合になるわけだが。そういう場合でも――特定の一個体とだけ関係を深めることには繋がらないように、本人たちには気づかぬように長老会がうまくコントロールしているのか、１８の春を迎える前に、個体同士が問題を起こすようなことはないのだ。自分も、そんな事件など今までに聞いたこともなかった。 <br />　…１７の春。自分は、将来に対する得体の知れない不安を抱えて、ひとり。配られた紙を、ただじっと凝視していた。「自分が…雄体…」そう。目の前の紙には、雄体――すなわち、男である――と。１年後の自分の性別がそう、はっきりと印字されていた。自分はそれを――そのとき同じように告知を受けた者たちと同様に――それまでの１６年間、比較的親しくしてきた妖精仲間のうちの三人に打ち明けた。一人目は、ハル。ガラス玉のように透明な瞳を持つ、繊細な妖精だ。ハルのまわりは、いつもやさしく、あたたかい。肩まで伸ばした髪を、軽やかにさらさらと風になびかせている。「へえ。ルネも男か」「ああ。そうみたいだ」「リンの告知は、もう聞いた？」「いいや」「そう。…リン」「呼んだ？」名前を呼ばれたリンが、転がるような声と共にハルのほうをふりかえる。 <br />　リンは、足首まで伸びた長い髪をファサリと背中に押しやると、上品な笑みを浮かべてこちらを見た。「あら、ルネ。ルネはどうだったの」「ああ。雄体だって。リンは？」「雌体だったけれど」「そうか。…まあ、リンならそうかもしれないな」 <br />「なぜ？」「雌体の成体を見ていると、リンのような者が多いように見えたから」 思い起こせば、ここ１・２年の間に、傍目にもリンの身体は雌体へと近づいているのは明らかだった。自分のことは意識していないから分からないが、ここ１年の間にハルの身体つきが、がっちりした外向きになっていくのに対し、リンの手足は細くその身はほっそりしつつあった。それに、もともとリンは食事のしたくや洗いもの、編み物などを好む内向的な性格でもあった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/mrbkfy.html" target="_blank">美人豹 </a>  <br />（やはり、長老会の出す告知は正しいのだろうな）おそらくは、来年の春にこのままリンが雌体になっても、誰も何の疑問も抱かないだろう。「そんなもの？ ああ、でも」「うん？」「もしこのまま、特に変更もなく、自分が雌体でルネが雄体になったら。もしかしたら、自分たちが１年後に家族になるかもしれないのかもしれないと。そう思っただけ」「そうだね」本当にそうなったら、リンと一生、一緒にいることになるのか。（リンと…か）ずっと仲良くしてきたリンとなら、見知らぬ妖精と家族になることを告げられるよりはずっといいだろう。思ったことをそのまま告げると、リンも納得するかのように、ニッコリ笑って頷いてくれる。 <br />（本当にそうなったら、どんなに気楽だろうか）そう、このときまだ、自分は。ハルとリンの告知を聞いた段階では、それぐらいしか考えていなかった。家族を作ることの意味とその重さを。はっきり実感できていなかったのだと思う。それに、どうせ今すぐに実感できていなかったとしても、そのうち何とかなるとも思っていたし。（…気持ちなんてものは、後付でどうにかなるのではないだろうか） なにより、長老会と命の糸が決めることに、間違いなどあるはずもない。そう信じて疑わなかったから。「ああ、ルネ」不意に名前を呼ばれて、驚いて振り返る。そこには、三人目の仲間がいた。そう――シオンが。やさしい、やさしいシオン。青い目のシオン。 <br />　困ったときに必ず自分のそばにいて、助けてくれたシオン。ハルやリンと心を通わせるよりもずっと前から、常に隣にいてくれたシオン。自分にとってのシオンは、まるで一緒に生まれたかのような――そんな不思議な絆を思わせる仲間だった。シオンの青い瞳は、いつだって自分を支えてくれていた。そんなシオンの告知結果が気になっていたということを、こちらにやってくるシオンを見た瞬間になって、自分はようやく気がついた。「シオン」「ルネ。告知結果はどうだった」 「ああ。就業先は、種の運搬。個体判定は、雄体だったよ」リンやハルに告げたときと同様の感覚で、自分はシオンにそう告げた。それに対してのシオンの態度も、前者二人と同じものであるはずだった。けれど。なぜ、そう感じたのかは分からないが。このときのシオンの瞳孔が、自分には一瞬大きく開いたように見えた。 <br />「そうか」声に震えはない。だから気づかなかったし、不思議とすら思わなかった。シオンの感情に、揺れがあったことを。「シオンは？」「就業先は、花びらの回収と季節の鐘鳴らしだ。…個体判定は、ルネと同じ。雄体だ」「シオンも雄体か」「そう。雄体」「就業予定先が異なると、今までのように会えなくなるのかな」「多分ね」「…そうか。それは寂しいな」思ったことを、そのまま口にしたつもりだった。今までは、朝目覚めてそのままこの訓練教室に来れば、三人に会えたから。１８の春以降。雌体になった者は、家族となった雄体以外に会うことは少なくなる。会ってはいけない規則などはないから、会うこと自体は自由だ。けれど、やがてはその時間も自然と減っていく。だが、それを減らすのは、長老会でも命の糸でもない。当人たちなのだ。突然はじまる慣れない家族生活にとまどいを感じるのは当然だから、最初のうちは１６年共に過ごした仲間に相談を持ちかけたり、一緒の時間を過ごしたりする者もいる。だが、やがては長老会が決めた伴侶の良さに気づき、納得し、受け入れ、個々の家族を大事にするようになる。伴侶となった雄体を思い、気づかう気持ちが増す。その者のことだけを思う時間が増える。別の世界では、これを「恋」と呼ぶらしい。もっとも、婚後に恋をするような種族は、とても稀らしいのだが。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/xbycangyskfy.html" target="_blank">蒼蝿水</a> <br />　まあ、状態はさておき、そうなると自然と仕事以外では昔の仲間と会う機会が減るらしいのだ。自分がまだ家族をもったことがないため、１８の春以降のことは噂などで見聞きした範囲でしか把握できないことは歯がゆいが、こればかりは仕方のないことだと諦めるほかない。（そもそも、自分は雌体向きではないらしいし…）雄体は、外に出て身体を使う仕事が今まで以上に多くなる。そのかわり、今までやってきた料理や洗いものといった身の回りの管理を、ほとんどしなくて済むようになるのだ。そういうことは、伴侶となった雌体がとりもってくれることになっているからだ。雄体個別に与えられている使命は、ただ一つ。伴侶となった雌体を生涯守り通し、新しい家族を作るように努めることだ。守るといっても、具体的に今までとどう違うのかわからないけれど、それも実際に１８を迎えればわかるだろうと思い、このときまだ自分は、１年後のことを深く考えようとは思わなかった。 <br />「ルネ」「なに」「ルネの今言った“寂しい”というのは、どういう意味？」唐突に、思ってもみなかった問いを投げかけられて、面食らった自分は思わずシオンを見返したけれど。その表情から、シオンの考えていることは読み取れなかった。 だから、自分はそのとき浮かんだ言葉をそのまま告げることしかできなかった。「言葉のままだよ。もしかしたら…１６年ずっと一緒だったシオンやリン、それにハルと、この先も今までと同じように、一緒に訓練をするように生活していけないことが、寂しいと思ったのかもしれないな」「それは、そうだね」そう言って、シオンも微笑んで頷いてくれたから。だから。このとき、自分は――このまま何事もなく１年がすぎて、１８の春を迎えるのだと思っていた。（そう。それが自然だ）…すべてがまだ自分のそばにあり、その幸福さに気づいていない。それは、この先――あんな痛い思いをするとは思っていなかった、１７の春のことだった。 <br />――夏のはじまり。虫たちの演奏に誘われて、妖精たちはホタルのひかりにまぎれてダンスを踊る。春先に作っておいた果物酒を持ち寄り、月明かりのしたで、気の置けない仲間を見つけては朝方まで陽気に語り明かす。そういう空気がとりわけ好きだったハルに誘われて、その夜も自分は賑やかな木々の下に飛び出したのだ。そうして、出先ですでにほろ酔いになっているリンと出会って。話したい仲間がいると言うハルとは、あとで落ち合うことにして、自分とリンは、逆にそういう空気を苦手としていたシオンを探して、ホタルのひかりの中を飛んで回った。家の中に閉じこもっていることも考えられたから、そちらを先に訪ねようかと思った。けれど、徘徊している最中にシオンを見かけたという妖精に出会ったから、そのまま木々の合間をぬって飛び続けていたのだけれど。 <br />「ごめん。ちょっと酔いが回って目も回る」いきなりフラフラと降下しながら、リンがリタイア宣言したから。草の葉の柔らかいところを見繕って、リンを休ませることにしたのだけれど。「ルネ。自分はここにいるから。シオンを探してきて欲しい」シオンを含めて三人で、語り合いたいから。あえぎながらも、リンが強くそう言い張るから。「どうしても気分が悪いままだったら、帰ることも考えてくれ」そう言い残して、自分はまた少し飛び続けたのだけれど。ホタルのひかりが弱まりはじめた、深い森との境界で。シオンの姿を見つけた自分は、思わず羽ばたくことを忘れそうになってしまった。 <br />「…あ、」墜落する。そう自覚するのが、もう少し遅かったら、そのまま堅い葉の上に身体を叩きつけていたかもしれない。視線の先に見つけたものが、シオンただ一人だったなら。自分は、そのまま普段のように。「やあ。シオン。あっちで話そうよ」そんなふうに、声をかけたかもしれない。それができなかったのは、シオン以外の――もう一人の。見知らぬ妖精の姿が、目に飛び込んできたからだ。 シオンの傍らにいたのは、明らかに成体――しかも雌体だった。成体で、しかも雌体であった時点で一番最初に浮かぶのは、当然シオンの母親にあたる妖精の存在だったのだけれど、そのときにシオンに寄り添っていた雌体の姿は以前に何度か見かけた彼女とは全然違っていた。…彼女よりも、もっと若い。暗いなか、識別できたのはそれぐらいだったのだけれど。シオンが、同年の妖精でもなければ、母親でもない妖精と一緒にいる姿など想像したことなどなかったから、そのとき自分はひどくうろたえてしまったのだと思う。なんの前触れもなく。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sexdrop.html" target="_blank">SEX DROPS</a> <br />　突然に、それまで感じたことのないような、吐き気に襲われる。思わずそばにあった枝にしがみつくと、額を押さえて息を吐く。唇から漏れる息が、不自然に震えている。まるで、自分の中から何かをこぼしてしまうことを恐れるように、うまく呼吸ができない。目の前が、かすむ。まるで全身が心臓になってしまったかのように、一拍脈打つごとに、全身がきしんで揺れているかのような錯覚に陥る。果物酒を飲んだわけでもないのに、まるで飲みすぎて酔ったときのようだ。胸が苦しくて、泣き出したい――そんな感覚。 <br />（混乱している…？）シオンが教室で、自分達以外の妖精と話す姿など見たことはなかった。だからだろう。今、目の前にある現実に驚いてしまっているのは。そう、思おうとした。成体した雌体が、伴侶以外の妖精と親しげにすることなど、有り得ないと思っていた。だから、相手の妖精の存在に度胆を抜かれたのだと思った。もし、そうでないならば。そうでなければ、今自分が受けているショックの意味がわからない。（シオン。キミはなぜ、我ら三人以外に仲良くしている妖精がいることを、教えてくれなかったのだ）そう思ってしまった自分に驚いて、思わず首を横に振る。教える義務などないし、話す必要がないと。シオンがそう判断したのなら、それは仕方のないことだ。 <br />（そう…。自分はシオンではないのだから、シオンの考え方に文句をつける権利も筋合いもないはずだ）そこまで考えて、自分は息をのんだ。シオンの家族はどう思っているのだろうか。シオンがこうして、よその――伴侶を持つ成体と話していることを知っているのだろうか。そして、それは相手の成体側の妖精に対しても言えることではないだろうか。家族、という単語が浮かんだ瞬間、それは自分の胸を抉るように貫く。そう遠くない未来に、シオンは運命の春を迎える。 <br />（そう…家族を作るんだ…）そのときになっても、シオンのそばにいるあの成体は、今と同じようにシオンと付き合いを続けるのだろうか。今宵と同じように、シオンと会ったりするのだろうか。そしてそうすることを、シオンの伴侶は許すのだろうか。（…よそう。自分が考えても仕方のないことだ）どう考えたところで、自分はシオンではないのだから。それに、自分がシオンの将来の伴侶の心配までしてどうするというのだ。そこまで思って、はたと気がついた。 <br />（自分は、シオンの将来の伴侶の心配までしていたというのか。…まったく、なんと馬鹿らしい）目の前の二人が、たとえば今までに見聞きしたことのないような、種類の感情によって結びついていたとしても、それが来年まで続いているとは限らない。今宵限りの、ただの語り合いの可能性だってある。（人見知りの激しいシオンだから、そうは見えないし思えないが。…このさい、それはひとまず置いておくとして。…今からシオンの伴侶の心配など、してどうなるというのか。自分がシオンの伴侶になる可能性があるというのなら、そういう心配をする理由もあるのだろうが――）自分の個体判定が二度目も雄体であったことを思い出し、自然と唇から自嘲の笑みが零れてしまう。そう、二度目の個体判定の結果、自分はまたしても雄体判定だった。そして、自分以外の三人の個体判定の結果もまた、前回同様の結果だったと聞いている。 <br />　個体判定は、あと１度。２月の最終決議を入れれば、あと二回行われる決まりになっている。けれど、前半の２度の判定は確定したものと同じで、その後も判定がひっくり返ることは稀だと聞いているから、このまま何の問題もなければ、自分は来年の春には雄体として伴侶を迎えることになるはずだ。そう。このままだと、来年の春に自分は雄体になる。それはシオンも同じことだ。そして自分は、そのことに対して、これまで何も感じなかった。どちらになろうが、仲間は仲間。 そう思っていたからだ。時が流れて、もしも会う機会が減ったとしても。それは、自分たち以外の何者かにムリヤリそうさせられるわけではなく、自然とそうなると聞いていた。だから、そのことに対して不安や逆らうような気持ちを持つようなことなどなかった。離れていくことに、苦痛を感じるわけではないと信じていたからだ。（けど、今は違う。そうは思えない…）…嫌だ。このまま、シオンと離れるのは嫌だ。胸に最初に広がったのは、そういう思いだった。そして、その理由を求めて、すぐに一つの答えに行き当たった。 <br />今のままシオンと離れてしまったら、自分はまず間違いなく苦しい思いをする（それだけは、確実だ…）だって、来年の春を思うだけで。雄体同士になってしまい、いつしか疎遠になることを想像しただけで。自分は、満足に息をすることもできなくなる…。このまま自分はおかしくなってしまうのだろうか。来年の春に、成体になる前に壊れてしまうのだろうか。嫌だ、そんなことになるのは絶対に嫌だ。（そうだ、それならば。この気持ちを、消してしまえばいい）けれど、目の前にシオンの顔や、シオンがそれまでにくれた優しさがちらついて、それもできない。それが将来のシオンの伴侶のものになることを想像するだけで、動悸が激しさを増す。でも、だからといってどうするというのか。どうにもできないではないか。そもそも、自分とシオンは、近い将来に同じ雄体になる者同士。それでは、どうすることもできない。そこまで考えて、思わず息をのむ。自分の望みを知って、強い絶望感に襲われる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sfd.html" target="_blank">SPANISCHE FLIEGE</a> <br /><br />　…そうか。そうだったのだ。自分は――否、“わたし”は。雌体になることを望んでいるんだ…。今目の前にいる、シオンのすぐそばにいるあの成体のように、なりたいと。そう、思ってしまっているんだ…。それに気づいた瞬間、気が遠のきそうになる。自分の置かれた立場に、何一つ変化はないはずだった。そしてそれは、明日から１８の朝に向かって続く毎日に対しても同じことが言えるはずだった。…そう。変わってしまったのは、わたしだけ…。 <br /><br />あの日、シオンへの気持ちが分かってしまってから。わたしの、仲間に対する考えかたはガラリと変わってしまった。まず、自分のことを“自分”や“我ら”と表すことをやめた。もちろん、そうすることは罪だったから表立っては言わなかったけれど、心の中ではいつも自分のことを“わたし”と言うようになった。ハルと狩りに出かけることもしなくなった。本音を言えば、狩りに出たくてうずく気持ちもあったけれど、１８の春を思って我慢した。狩りは雄体の象徴でもあったからだ。料理は苦手で、今まではあまりそういう場所には顔を出さなかったけれど、就業予定先への顔出しをしなければいけないとき以外は、極力顔を出すようにした。編み物もリンに教わりはじめたので、今では少しずつだけれど形になってきている。 <br />　突然変わろうとし始めたわたしに、最初はハルもリンも戸惑ったようだったけれど、それも１８の春を迎えるまでに起こる変化の一つだと思ったのか、やがては受け入れてくれるようになっていった。ただ、わたしがどれだけ変わろうとしていても、シオンの態度だけは、それまでと何も変わらなかった。いや、少しだけ変わったかと思える出来事もあった。…あれは確か、わたしを狩りに誘おうとしたシオンを、ハルが引き止めたときのことだ。「シオン。ルネはもう、狩りには行かないって」「そうなのか」驚いたシオンに、わたしは。半分は断ることに対しての、残念な気持ちから。もう半分は、シオンに嫌われるんじゃないかという不安から。思わず『そんなことないよ』って言いたくなったのだけれど。１８の春のことを思って、グッと我慢したんだ。 <br />「…うん、そう。せっかく誘ってくれたのに、ごめん」「そうか、わかった。なら花の蜜を取ってくるから、せめてそれは受け取ってくれるよね」「喜んで」申し出が嬉しくて、そう答えたときに見た――シオンの表情は。あまりにも、寂しそうに見えたから。あのときのあれは。シオンがハルに窘められて、それでもわたしとの仲が気まずくならないように、なんとかひねり出した問答だと信じて疑わなかった。３度目の判定のときに少しでも雄体に近づかぬように、細心の注意を払うように努力をするようになった。…もっとも、こんな努力をしたところで、雌体になれる可能性はほとんど皆無であることはわかっていたし覚悟もしていた。（それに、もし万が一雌体になれる判定が出たとしても、シオンの伴侶になれるとは限らないんだし…）雌体になれたとしても、シオンの伴侶になれない。たった一つ、怖いと思ったのはそれだけだった。 <br /><br />　…そして、迎えた冬。雪の日に。凍る葉の上で、わたしは静かに三度目の告知紙を開いた。震える手で、たたまれた紙を開く。（どうか、お願い…！）これほどまでに、強く願ったことはないと思えるぐらいに。わたしは、切なる思いをこめて、紙をめくったのだけれど。…けれど。そこには、たった二文字。「雄体」…と、いう。あまりにも、無情な判決が記されていたのだった。<br /><br />もう、どうしたらいいのかわからない。やれることは、ぜんぶやったの。努力したし、願うだけ願った。気持ちだって、揺らぐことなかったのに。明日には、シオンと離れるのね。シオンがほかのひとのものになる日がくるなんて。そんなの受け入れられないよ。わたし、雄体になんてなれない。雄体になって、伴侶を迎えて、その人だけを生涯守り通すなんてできっこない。わたしは、シオンと生きたいの。それができないのなら、もう死んでしまいたい。シオンと離れるなんて、イヤ…。 <br /><br />銀世界だった野原とは正反対に真っ黒な気持ちを抱えたまま、わたしは長老会の開く最終口頭決議所に向かって歩いていた。ここで下される発言は、即決定事項となる。そして、決定を言い渡された妖精は――実際に生活を共にするのは１８を迎えてからになるとはいえ――伴侶と共にその日から春に向かって新しい家作りをするしきたりになっている。でも、今のわたしにはその家作りをすることにすら、耐えられそうもない。（シオン以外の伴侶とすごす家なんて、いらない…っ）わたしが、欲しいのはシオンと続く未来。シオンのやさしさ。あの微笑みをずっと、死ぬまで受け続けることのできる権利。１７の春に、はじめて告知書を見せあったことが、今では懐かしい。…あのときはまだ、こんな気持ちで最終口頭決議所に向かうことになるとは思わなかったの。生まれて、物心ついてすぐに訓練所に通うようになって。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/kyjelly.html" target="_blank">K-Y</a> <br />　気がつけば隣にいてくれたシオン。その存在は、あまりにも自然で、当たり前すぎたから。おろかなわたしは、今までシオンが向けてくれていたやさしさを、もらえて当たり前の物だと思っていたの。（馬鹿だ…。本当に）わたしには、シオンが必要なんだ。そのことにもっと早く気づけていたら、告知書を受け取る何年も前から雌体になれるような努力をすることだってできたのに。もう、ぜんぶが遅い。これ以上、できることなんて何もない。明日からは別々になる。 そしていつか、それすら当たり前になる日が来る。「…そんなの、無理」呟いた途端、それまで我慢に我慢を重ねていた涙が、ボロッと零れ落ちた。 <br />「できない。シオンがいいよぉ…っ」一度こぼれてしまった涙を止めるすべを、わたしは知らなかった。こんなに苦しい思いをしたこと、今までなかったから。決議所に行かなきゃいけないと、頭では分かっている。刻限が迫ってきている。さっさと行って口頭決議を受けなければ、それはそれで罪として罰せられることになっているのに、もうこれ以上は歩くことすらできなかった。だから、近くの葉陰によろめきながら駆け込むと、そこでわたしは思い切り泣いた。生まれて初めて、苦しさから解放されたくて泣きわめいた。「シオンっ…、シオンが好きだよぉ…っ、ひぃっく、…シオンに、愛されたいよっ…う、ええええんっ…！」本当は、妖精は泣いてはいけないことになっている。いつでも、楽しく陽気に笑って、周りに幸せを運ぶ存在でなければいけないと、そう決まっている。そうできないのならば、大気となって消えるべしとされているほどに、妖精が泣くことは大罪なのだ。けれど、もう。わたしは、我慢なんてできなかった。シオンと共に生きられないのなら、消えてしまったほうがマシだと思った。だから、声がかれるほどに泣き喚いた。…泣いて泣いて、そして気がついた。…自分の身体が半分、透けていることに。 <br /><br />（ああ…わたし、消えるんだ…）でも、不思議と怖くはなかった。シオンと一緒にいられなくなることを思って胸が潰れそうな思いをしたあのときの苦しさから考えてみたら、消えることぐらい、なんてことないやって思えた。本当に、こころの底からそう思ったんだけど。「ルネ！」不意に自分の耳に飛び込んできた、その声に。わたしはビックリして、思わず泣くことを忘れてしまった。声の主を探そうともせず、葉陰から顔を出すことも忘れて、わたしは放心状態に陥っていた。わたしを、呼んだのは。他の誰でもない。シオン、そのひと――だったから。「ルネっ」「し…シオ…」「お願いだから泣かないでくれ。今すぐ泣くのをやめてくれ」葉の向こうに一瞬移ったシオンの青い瞳を、わたしは正確に確認することができなかった。そうするよりも前に、シオンの腕の中に包まれてしまっていたから。「消えられたら困るんだ」「うっ…ひぃ…っく…」けれど、わたしは。 <br />　自分がシオンの腕に抱かれているという現状とそれまで感じていた苦しさに翻弄されてしまって、すぐに泣き止むことができない。「こうなる前、もっと早くに。…ルネ本人に言うべきだった。それがたとえば、１８の春になるまでに口にしてはいけないものだったとしても」「し、シオン…？」空気に溶けかけたわたしの身体をいたわるような目で見ると、シオンはハッキリとした口調でこう言う。「自分は――いや、ぼくは。ルネのことが好きだ」「…え、シオン。いま、自分のこと」ぼくって。性別判定をもらうまでは、自分の性別を決めるような一人称は使ってはいけないのに。そう、わたしが言おうとすると。そんなわたしの言葉を遮るように、シオンはわたしの唇にキスをする。「んっ…！ …っ、はあ。シオンっ…！？」「いきなりごめん。でも、ルネが助かる方法は、もうこれしかなかったから」「どういうこと？」「さっき見かけた時点で、すでにもう。…ルネの身体の半分は、神様のところに行ってたから」「ああ…身体、透けてたこと？」「そう。そんなルネをこちらに引き戻すには、ルネの愛する者が口づけを送るしかないんだって」でも、ルネがぼくがルネを思うのと同じようにぼくのことを好きじゃなかったら、申し訳ないから。消えそうになるルネを見ても、まだ迷ったんだけど。 <br />「ルネ、ぼくの名前を呼んでくれただろう？ シオンが好きってさけんでくれただろう？」「え、うん」シオンの言葉に、思わず顔が熱くなる。そうだ。消えることよりも、違う伴侶を持つことを想像した瞬間、絶望にも似た恐怖を感じたわたしは、泣きながら思わず叫んでいた。「シオンが好き、愛してるって…わたし、そう叫んでた…」「本当は、雄体のぼくのほうが先に言うべきだったのに、それもごめん」自分が雄体判定を受けたら、わたしが口頭決議所に出向く前に、すぐに告白しにくるつもりだったと言って、シオンは目を細める。「遅くなったせいで、危うくルネを失うところだった」「シオン…それじゃあ」「愛している。ルネのことを、生涯の伴侶にしたい」ルネじゃなきゃ、嫌だ。そう言って、また抱きしめてくれるシオンのぬくもりを、さっきよりも確かに感じる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/zfrs.html" target="_blank">超級脂肪燃焼弾</a> <br />「あ…身体が」「よかった、戻れたのかな」「でも、シオン。わたしたち――すごい罪を犯してしまったんだよね？」シオンはともかく、わたしはまだ個体判定を受けてないし。しかも、その判定だって、雄体になることがほぼ確定なのに。不安になったわたしがそう尋ねると、シオンはくつくつと笑ってわたしの髪を撫でる。「ルネ、自分の身体をごらんよ」「え…？ ああっ！」中性だったときにはなかった確かな胸のふくらみ。身体のやわらかさ。触れていたシオンの腕と比べたら、確かに細い腕。ピンクに染まる肌。いつの間にか、そういったものが自分の身体に現れていたから。そして、それはまぎれもなく、雌体のあかしだったから。全身の力が抜けそうになる。「え、いつ…？ なんで…！？」「ぼくがキスしたからだよ。そして、ルネがぼくを愛してくれていたからだよ」「で、でも…っ！ わたしが雌体になったからって、シオンの伴侶になれるとは…っ」 そんなに都合よくまとまるとは思えないよ。そう言いかけたわたしの唇を再度うばうと、シオンはくすぐったそうに笑う。 <br />「ルネ、知らないの？ 妖精が恋をした時は、例外的に長老会や命の糸が決めたどの条件も吹き飛んでしまうんだってこと」「ええっ？ そ、そうなの？」妖精は恋を運ぶものではあっても、恋をすることは稀だからね。そう言いながら、シオンは微笑む。「ルネがどう思ってくれているかの不安はあったけど、ぼくはもうずっと幼い頃から、どうすればルネと一緒に生きていくことができるか考えてたんだ。そして、１７の夏に相談したんだ。どうすればルネと一緒にいられるのかなって」「なつ…？ あっ、もしかしてそれって、ホタル火の夜のこと？」 あの夜。わたしがシオンへの気持ちに気がついたあの賑やかな夜。シオンは、見知らぬ雌体と仲睦まじげに語り合っていた。そのときのことを思い出して、わたしがそうたずねると、シオンはちょっぴり驚きながらも頷く。 <br />「ルネ、見てたんだ」「う、うん。いつもみたいに四人で語り明かしたかったから、シオンのこと探してて。それで偶然、見ちゃって」そう、あのときの雌体のことは、あれからもずっと気になっていた。だから、思いきってわたしが、「あれは誰だったの？」と、尋ねると。シオンは、こっちが拍子抜けするほどあっけらかんと、こう答えたのだった。「姉だよ」「えっ、お姉さん？」「そう。…１８の儀式に関しては、ぼくよりも先に伴侶を迎えていた彼女のほうがどうしたって詳しいからさ。…１８を迎える前にどうしても聞いておきたいことが山ほどあったんだ」「そう…だったの」「うん。…さて、それじゃあ行こうか」「え、行くってどこに？」抱いたままだったわたしの身体をようやく解放すると、シオンはいつものように優しい笑顔でわたしを見つめる。そして、道の先を指差す。 <br />「口頭決議所だよ。行って、ぼくとルネのことを報告しなきゃ」「ば、罰せられたりしないかな」「しない。それどころか、めいいっぱい祝福してもらえるよ」 わたしの不安をよそに、あまりにもシオンが明るく言うから。逆に固まったまま、その場で怖気づいていると。そんなわたしのそばに駆け寄ってきて、シオンは。ふわり。わたしのことを抱き上げると、また頬にキスを落とす。一度だけでなく、二度も、三度も。そのやわらかな口づけだけでも、わたしは気を失うほどの幸せを感じずにはいられないのに。シオンはさらに、わたしを幸せにする言葉をくれる。シオンがそばにいてくれること。それは、けっして当たり前のことではない。けれど、それを自然だとそう感じていたい。そして、わたしが隣にいることを、シオンにも同じように感じていて欲しい。この先もずっと。永遠に。「早く行って、幸せになりますって宣言しよう。それに、伴侶の調整もあるだろうから、急いで行かないとほかの妖精に迷惑かけちゃうよ」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/syg.html" target="_blank" >縮陰膏 </a><a name="more"></a>

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<title>紙飛行機</title>
<description> こつん。俺の頭に当たったのは、白地に罫線のはいった縦長の三角形。本日３機目の紙飛行機。「てめ…、いい加減にしろ」机の上に広げた週刊ジャンプに着陸したソレを、俺はぐしゃりと握りつぶした。「谷内やちくんてばひどーい。それ、最高のバランスに折れたのにぃ」他人の頭に紙飛行機を意図的に当てておきながら被害者ヅラで不平を鳴らす坂下は、白い小さな顔も華奢な肢体も少女じみているのに、やるこた小学生男子な高校２年生だ。２年生が修学旅行で出払っている３日間、身体が弱いというよく解らない理由で体...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-04-10T11:10:43+09:00</dc:date>
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　こつん。俺の頭に当たったのは、白地に罫線のはいった縦長の三角形。本日３機目の紙飛行機。「てめ…、いい加減にしろ」机の上に広げた週刊ジャンプに着陸したソレを、俺はぐしゃりと握りつぶした。「谷内やちくんてばひどーい。それ、最高のバランスに折れたのにぃ」他人の頭に紙飛行機を意図的に当てておきながら被害者ヅラで不平を鳴らす坂下は、白い小さな顔も華奢な肢体も少女じみているのに、やるこた小学生男子な高校２年生だ。２年生が修学旅行で出払っている３日間、身体が弱いというよく解らない理由で体育すら見学しっ放しの坂下と、陸上部でハードル競技に励みすぎて腰椎を傷め旅行を断念した俺は、二人きりの教室で課題をこなすことになっている。その初日から３日目の今日に至るまで、坂下はせっせと紙飛行機を折り俺に向けて飛ばしていた。 紙くずと化した紙飛行機を教室の後ろのゴミ箱に捨てに行った帰り、その途中の席にぐでーっと座っている坂下の旋毛を、俺は折り曲げた人差し指の角でぐりぐりしてやった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/weigesanbian.html" target="_blank" >偉哥三鞭</a> <br />「あたた。ギブっす、谷内くん、ギブ」はぁぁぁ…。俺は盛大に溜息をつく。「おまえさー、なんでそう俺にかまうわけ？」訊くと、「好きな子には意地悪すんのが男の子だし」と、旋毛を両手で護りつつ、たわけた返事をよこした。「『だし』じゃねぇ。まじウザいからヤメロ」坂下には真面目に答えるつもりはないらしいから、俺はそれだけを言い捨てて自分の席に戻った。「愛してるのにぃ」まだ言うか。でもソレには反応してやらずに、「くん付けすんのもヤメロ。キショい」と、日頃思っていることを口にした。クラスの連中は男子も女子も、互いの苗字か名前を呼び捨てにしているのに、なんでだか坂下は俺だけに「くん」をくっつけやがるんだ。「でも谷内くんは『谷内くん』て感じだし」「『だし』言うな。その喋り方嫌…」嫌い、と言おうとした舌が固まった。坂下の瞳がふるっと揺れたように見えたから。そんな目をするのは反則だ。どっちかっつーと苛められてるのは俺だろ？「課題できたのかよ？」話題を逸らす。「谷内くんがジャンプ読んでる暇にね」黙っていればキレイな顔に、坂下は小生意気な薄笑いを浮かべた。さっきは泣きそうだったくせに。ふん。俺は無意味に鼻を鳴らしてジャンプを机にしまい、初日で飽きて放り出していた課題を再開した。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/weiting.html" target="_blank" >維亭ダイエット Slimming Energy</a><br /><br />　翌日の朝、坂下と俺の机の上は修学旅行のお土産で埋まった。それぞれに親しい友人がいて、そのメンツは見事なほどにかぶらない。坂下組は大人しい文学少年タイプで、俺組は体育会系になりきれない軟派アスリートたち。よって、買ってきてくれたお土産もずいぶん毛色の異なったものだ。坂下の机の上には沖縄の貝や砂を使って創られた綺麗な小物、俺の机の上には「貰って困る観光土産ベスト１０」みたいなブツが積み上げられた。「イヤガラセかよ」包みを開けてがっくりと落とした俺の肩を、かわるがわる叩いて悪友たちは笑ったけど、「身体治して、いつか自分で行って、自分で好きなもん選びな」というのは、半ば以上本気の励ましなんだろう。<br /><br />　放課後、部活を休んでいる俺が土産の詰まったレジ袋をシャカシャカ言わせて校庭の隅の駐輪場に向かっていると、もうひとつのシャカシャカが小走りに追いかけてきた。 「谷内くん」「だーかーらー」くん付けはよせ、と言いかけた鼻先に、坂下が小さな青いビニール袋を突き出した。「やる」「なに？ゴムとか…」ちょっと茶化してみたかったのに、坂下は少し俯いて長い睫をしばたたき「お土産、かぶってたから、一個やる」と口を尖らせた。尖らせる場面ではないと思うけど、とにかく尖らせた、愛らしく。「お…そか。さんきゅ」一日に一度は反則な表情をする奴だ、とか内心でこぼしつつ袋を開けると、中から貝殻細工の小さな天使が現れた。「へぇ、カワイイな」思わず「カワイイ」なんて乙女な単語を口走るぐらい可愛い。しかし男が男にコレを買うか？文学少年の友情はよくわからん。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/wnh.html" target="_blank" >維尼好(WeiNiHao)泡沫消毒液 摩絲型</a><br />「よかった」坂下が心底ホッとした声を出した。何がそんなによかったんだ？訊こうとして、視線を天使から坂下に移すと、その視界の中でヤツはふいに膝を折った。「坂下？」返事がない。胸を押さえて、地べたに丸まってしまった。「おいっ」しゃがんで細い肩を揺すると、坂下がほんの少しこちらを向いて「へ…き」と言った。「平気」と言いたいらしいが。「平気には見えないぞ、坂下。顔面蒼白だし」焦りまくる俺に坂下は、「あ…『だし』っ…て言…た」と息も絶え絶えにツッコんだ。こんなときにツッコんでんじゃねぇ、言って坂下の手首を掴めば、脈拍が異常な速さだ。「心臓か？」訊けばコクリと頷く。「保健室の…オバサ…呼んで…わかっ…るから…のヒト」「解った！すぐ呼んでくっからな！生きとけよっ」 <br /><br />　保健室を目指している間、俺の頭の中には、なぜかずっと坂下の紙飛行機が飛んでいた。飛行機を浮かばせる上昇気流に俺も乗っているみたいに、自己最高記録間違いなしのスピードで、腰の痛みも忘れて走った。保健室のオバサンを連れて駐輪場に戻ると、坂下は意識を飛ばしてしまっていた。俺が保健室で事情を説明してすぐにオバサンが要請した救急車は、ほんの数分で学校に着いた。坂下の紙みたいに白い顔だとか、閉じた蒼い瞼だとか、意思の通わないモノみたいな手だとか、サイレンの音だとか、オバサンのてきぱきとした動きだとか、突っ立ってる自分の爪先だとか、全部がテレビ画面の向こう側の映像みたいに遠かった。坂下は救急車に乗っけられて行ってしまった。オバサンが付き添ってった。俺は、坂下のカバンと修学旅行土産の詰まったレジ袋と共に、駐輪場に取り残された。「死なねーよな」誰に言うともなくつぶやいて、坂下の荷物を拾い上げた。すると、レジ袋の下から折りかけの紙飛行機が出てきた。俺が走り去ったあと意識を飛ばすまで、あの状況で坂下はこれを折っていたらしい。「あのバカ…」無性に腹が立って乱暴に紙飛行機を掴むと、それは半分開いている。その内側に、力の入らない弱っちい文字が書かれているのに気づいた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/weimob.html" target="_blank" >唯美OB蛋白痩身素第4代</a><br /><br />「あ」<br />「い」<br />「し」<br />「て」<br />「た」<br /><br />　愛してた。愛してた？「た」だとっ！？坂下が俺を「愛してるのにぃ」とほざいたのは、つい昨日のことだ。冗談としか思わなかったし、頭がいいのにバカを見下さなくて、口では毒を吐くけど実は優しい坂下のことは元々嫌いではないとは言え、ヤローに本気でンなこと言われたら退く。だけど、なんでいきなり過去形になるんだ？それだけは許せない。３日間毎日俺の頭に紙飛行機をぶつけてたくせに、これだけ遺書みたいじゃないか。毎日、と思い返して、ふと気づいた。ぶつけてたのが目的じゃなくて手段だったとしたら…。こんなふうに、俺に紙飛行機を開かせたかったのだとしたら…。俺は坂下のぶんも自分のぶんも荷物を置き去りにして、教室に駆け戻った。教室には数人のクラスメイトがまだいて、全速力で走ってきて脇目も振らずゴミ箱に突進し中のゴミを床にぶちまける俺を、アタマおかしい奴を見る目で見ていた。そんなん平気だけどね。昨日まで修学旅行だったからゴミは大して溜まってなくて、罫線のはいったぐしゃぐしゃの紙飛行機たちはすぐに見つかった。震える手で、俺はそれを一つ一つ開いていく。その全てに、五文字のひらがなが書かれていた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/wmeidb.html" target="_blank" >唯美OB蛋白痩身素第1代</a><br /><br />　あ　い　し　て　る<br /><br />　一音ごとに想いをこめたのに違いない、丁寧な優しい文字。悪ふざけで書ける文字ではないと解った。生きとけよ、坂下。これ全部持って見舞いに行ってやる。過去形になんかさせてやらない。坂下に面会が許されたのは一週間後だった。「見舞いに来てやったぞ」恩着せがましく言うと、坂下はベッドに上体を起こして、「生きといてやったぞ」と偉そうに笑んだ。「谷内くんが『生きとけよ』って言ったから、願いをかなえてやった」相変わらず「谷内くん」だ。でも今の俺には、坂下が頑なに俺を「くん」付けする理由が解ってしまっている。「おまえ、自分が死ぬと思ってんだろう」坂下が黒目がちの大きな瞳を瞠った。「死んだあとも俺がおまえを忘れないように、クラスで一人だけ『谷内くん』なんだろ？」坂下の色の薄い唇が「あ」という形に開く。「そんで、俺にぶつけてた紙飛行機は、こりゃ恋文だよな」と、カバンから紙飛行機だった紙の束を出した。ラブレター、って言ってもよかったんだけど、恋文、のほうが恥ずかしいからこっちにした。案の定坂下は頬と耳を真っ赤にして俯いた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/obdbss.html" target="_blank" >唯美OB蛋白痩身素 全身痩</a><br />「あ　い　し　て　る」森本レオばりに優しく、恋文を読みあげる。まだ一枚目なのに、坂下は首筋まで赤くしている。「あ　い　し　て　る」二枚目。「あ　い　し　て　る」三枚目。「あ　い　し　て　る」四枚目。五枚目、六枚目……。坂下は泣き出した。谷内くんは意地悪だ、震える声でそう言った。意地悪？冗談じゃない。「俺は怒ってるんだよ」「ぼくがきみを…好きになったから？」「ちげーよ！」つい声を荒げて、俺は最後の紙飛行機を坂下の手に押し付けた。「あいしてた、だと？ふざけんな。俺が気づかないような告白して、おまえが倒れて俺が頭真っ白になってた間にそれ過去形にして…」怒りのような、悲しみのような、愛しさのような感情がこみ上げて、俺はぎりっと奥歯を噛み締めた。<br />「おまえがあのまんま逝ってたら、過去形の恋文なんか遺された俺はどうやって忘れるんだよ」「谷内くん」「忘れらんねぇだろ」「谷内くん」「だから、くん付けすんなってばよ」「谷内…」「そんなことしなくても、おまえは俺のトクベツだよ」「……」あ、固まった。固まっても可愛いな、坂下は。今は俺の本棚にある、貝殻細工の天使よりも可愛い。そんなふうに感じてる俺は、既に末期だよ。末期な俺は、坂下の小さな頭をそっと胸に抱いた。「手術、ぜったい成功するから」言うと、坂下の肩がきゅっと緊張した。「知ってたの？」「おまえのお母さんから聞いた」「ぜったい成功する？」「する」なんの根拠もなく断言した俺の声は、涙を含んで揺れていた。失敗の可能性も少なからずあるという手術。でも受けなければ後がないのだと、坂下のおふくろさんは泣いた。 「しかたない、他ならぬ谷内の願いだから叶えてやるよ」「頼むよ」本当に、叶えて。「ずっと現在形で『あいしてる』って言ってくれよ。応えるから、応えたいから、俺」こんなセリフは出来れば女子相手に言いたかったけど、こくんと頷く腕の中の男子がこんなに大切なんだから仕方がないよな、と納得する俺がいた。 <a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/wmobdb.html" target="_blank" >唯美OB蛋白痩身素 第3代</a><br /><br />「もう一回言って」「街なかだぞ。いい加減カンベンしろ」「やだ。応えるって言ったじゃん」「応えてるだろーが。ほれアイシテル、アイシテル、アイシテル」「心がこもってない…」「ってー！」足踏みやがるし。元気になった坂下は血色がよくなったぶん更に可愛いから、好きな子ほど苛めたい男子たる俺は、ついついからかいたくなるわけで。爪先の痛みに空を仰ぐと、そこには雲ひとつない青色が広がっていた。紙飛行機日和だ。<a name="more"></a>

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<title>希望の星</title>
<description> 村の集会場で、太鼓の音に合わせながら、踊りが始まった。やぐらの周りを囲んで、大きな円を作っている。「幸子も踊れよー。」となりのおっちゃんが、赤ら顔で踊りに誘う。もう、お酒臭いんだから。「後で行くー。」そういうと一瞬おっちゃんはつまらなそうにしたけれども、すぐに機嫌よく近くのお姉ちゃんに絡んでいく。「お前、踊らないの？」おっちゃんよりもずっと若くて綺麗な声が私の耳をついた。胸が高鳴る。「純兄ちゃん…。」純兄ちゃんは近所のお兄さんで、憧れの人だ。村の中で数少ない、隣の市の高校に...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-03-31T17:06:42+09:00</dc:date>
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　村の集会場で、太鼓の音に合わせながら、踊りが始まった。やぐらの周りを囲んで、大きな円を作っている。「幸子も踊れよー。」となりのおっちゃんが、赤ら顔で踊りに誘う。もう、お酒臭いんだから。「後で行くー。」そういうと一瞬おっちゃんはつまらなそうにしたけれども、すぐに機嫌よく近くのお姉ちゃんに絡んでいく。「お前、踊らないの？」おっちゃんよりもずっと若くて綺麗な声が私の耳をついた。胸が高鳴る。「純兄ちゃん…。」純兄ちゃんは近所のお兄さんで、憧れの人だ。村の中で数少ない、隣の市の高校に通っている人。この村のほとんどの人間は、村内にある高校の分校に通っている。大概の人間が高校を出ると農業に携わるので、高校なんて卒業したという事実さえ残ればいいという人間が多い。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/mgzl.html" target="_blank" >米国EnduRx</a><br /><br />　そんななかで純兄ちゃんは市内の一番頭のいい高校に通っているんだからすごいもんだ。1時間に1本のバスに乗って。頭がいいだけじゃなく、純兄ちゃんはテレビに出てくる芸能人みたいにカッコイイ。これで憧れるなという方が無理な話だ。「お前踊るの得意だろ。」「そうだけどさ。」「踊ればいいのに～さっちゃん。」純兄ちゃんとの会話に割り込んできたのは、和子ちゃんだ。この村一番の美少女といっていいだろう。純兄ちゃんのかっこよさとは雲泥の差があるけれど。和子ちゃんはひらひらしたワンピースを着ていた。そんな太い足をして、よくそんなに短い丈の服を着られるよな、と思う。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/mgzs.html" target="_blank" >米国戦神 American mars</a> <br /><br />　さっきまで二人が、集会場奥の神社の物置でいちゃついていたのを私は知っている。ことわっておくけれどのぞきの趣味なんてない。ただ、30分ほど前に二人して祭りの会場からいなくなったと思ったら、頬を上気させ、服をちょっと乱して戻ってきたからだ。二人は高校3年生。そんなことしたってちっともおかしくない。そして私は中学1年生。今この年で5歳という年齢差はとても大きいと思う。「さ～ちこっ！」と、はっぴ姿の祐二に手を取られた。純兄ちゃんの弟で、私とは同い年だ。「輪の中に入れよ。踊ろう！」「うん、そうだね。」手を引かれるので仕方なく輪の中に入る。「お似合いねえ、二人とも。」そういうと、和子ちゃんは純兄ちゃんの腕をさらにつかんだ。自分の豊かな胸元をぐいぐいと押し付けている。そうされて、ちょっと純兄ちゃんは顔を赤らめつつも、嬉しそうな顔をする。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/fyuanchun.html" target="_blank" >福源春</a> <br /><br />　仲が良くて、結構なことですね。「兄ちゃんな、東京の大学に行くんだって。」「東京！？」たまたま一緒に学校から帰りながら、祐二が教えてくれた。東京なんて、ビックリしてしまう。この村ではない隣の市の高校に通ってるというだけでも驚きなのに。市内一の高校に通ってるだけあって、やっぱり違うんだ。村の年寄りたちも、純兄ちゃんのことは神童だといって騒ぎ立てていたものだ。でも、東京の大学になんか行ってしまったら、滅多にあえなくなる。それは寂しいな。それに、和子ちゃんはどうするんだろう。「和子ちゃんは市内のデパートに就職するんだって。」「そうなんだ。じゃあ、どうなっちゃうんだろ。」「続かないだろ。離れちゃあさ。」<br /><br />　秋から冬へと受験勉強を続け、純兄ちゃんは希望通りの大学に入れたそうだ。東大だとか早稲田だとか、有名な名前ではなかったけれど、東京にあって純兄ちゃんが入るぐらいの大学なのだから、すごい大学なんだろう。お別れの日、多くの村人が純兄ちゃんを見送った。和子ちゃんなどは朝から泣きどおしで、出発時間の頃には顔がぐしゃぐしゃだった。「それじゃ、みんなも元気で。」純兄ちゃんは雪の名残がある中、実に爽やかに旅立っていった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sainikeao.html" target="_blank" >賽尼可奥</a> <br /><br />「幸子とこうしていられるなんて夢みたいだ。」高校2年生になった、村祭りの日。４年前に純兄ちゃんと和子ちゃんが戯れていたであろう物置で、私と祐二は同じようなことをしていた。「ご、ごめんな。俺、夢中で…。」祐二も初めてなら私も初めてだ。しかも物置小屋で布団も何もなく、立ったまんまでは大変だ。いそいで服の乱れを整えて、物置を出る。「あ～ら、いけないんだ～。」離れたところに、赤ちゃんを抱いた和子ちゃんがいた。彼女は祐二の予想通り純兄ちゃんとは別れ、今はもう他の人の奥さんにおさまっている。<br /><br />　しかしまずい人にみられたもんだ。歩くスピーカーとあだ名されるこの人に見つかるとは。もともとそうだったのが、結婚して子供を産んで、ますますひどくなっている。「優等生のさっちゃんがこんなところでいけないんだ～。」私は自分でも予想外なことに、純兄ちゃんが通っていたのと同じ高校に通っている。和子ちゃんはそれが妬ましいらしい。和子ちゃんに限らず村の人は私の存在を歓迎しない。女のくせに生意気な、という態度が見てとれる。なんて、閉鎖的な村なんだろう。「何言ってんだよ。和子ちゃんだってうちの兄貴とここでやってたくせに。」祐二が綺麗に反撃をかましてくれて、和子ちゃんが怯む。二人手を取って、会場に戻った。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sazhiyou.html" target="_blank" > SaZhiYou</a><br /><br />「兄貴さ、村役場に就職するんだって。」この知らせに、正直私は胸が高鳴った。ただ、少しだけだけど。高校に進学してみてわかったのだけれど、純兄ちゃんは村人の中では抜きんでていたものの、いざ外の世界に出てみれば神童というほどの存在ではなかった。純兄ちゃんの行った大学は、私なら楽々入れるレベルの大学だったのだ。だから、もはや桁違いの憧れの人という気はしない。それでも楽しみではあった。村の人などは英雄の凱旋だなどと騒いでいる。<br /><br />　春になってこっちに帰ってきた純兄ちゃんは、送り出された時ほどの晴れやかな顔ではなかった。帰ってきて嬉しいには違いないようだけど、英雄扱いされることに明らかに申し訳ないという顔をした。「大歓迎されるのも複雑なんだよね。」帰郷のお祝いの宴会に呼ばれた時、たまたま二人になって、ぼそっと純兄ちゃんが呟いた。手には、5年前には吸っていなかったタバコを持って。「さっちゃんはわかるだろ。俺の大学の程度だとか、いろいろさ。」「…うん、まあ。」「恥ずかしいことに、就職活動しても思うようなところに行けなくってさ。だったら地元に帰ってしまったほうがいいや、って。情けない。」聞きたくなかった。純兄ちゃんはみんなの憧れだから。希望の星だから。負け犬みたいなセリフ、聞きたくなかった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sazhiyouyi.html" target="_blank" >灑の友 SaZhiYou</a> <br /><br />「この村が好きだって気持ちも、あるんでしょ。」「そりゃまあ、大前提だけどなあ。」ふーっとタバコの煙が吐き出される。「祐二と付き合ってるんだって？」「うん。」「どうせあいつがさっちゃんに夢中なんだろ。さっちゃん、綺麗になったからな。」「えっ…。」これにはちょっと胸がときめいた。負け犬オーラをまとっていても、純兄ちゃんはやっぱりすっごくかっこいいから。「で、でも、和子ちゃんには勝てないよ。」「和子？ああ、あいつはかわい子ぶってるだけだろ。」驚いた。和子ちゃんに擦り寄られてニヤニヤしていた張本人のくせに。「そりゃあね、外に出て色んなことを知ったからね。ここにいる頃はうぶだったけど、今はもう、なあ…。」「今は恋人は？」「いないよ。地元に戻るって言ったらもう、それで終わり。」「そうなんだ…。」都会に出て、純兄ちゃんはどんな恋をしたんだろう。私と祐二の間にあるような、子供じみた戯れとはわけが違うんだろうか。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/ribenxiushentang.html" target="_blank" >日本秀身堂</a> <br /><br />「さっちゃんはどうすんの？」「え？」「大学、行くの？」「うーん…。」「好きなことできるのも、今のうちだよ。外に出られる力があるなら、そうしたほうがいい。」「でもせっかく純兄ちゃんがこっちに帰ってきたのに、離れるの、いやだよ…。」言ってしまって、少しだけ後悔する。案の定純兄ちゃんはポカンとして私を見つめた。「…今のは聞かなかったことにしていい？」「どうして。」「だってお前、祐二の女じゃないか。」「だから、祐二は弟だから。一番純兄ちゃんに近いから。」本当に、残酷で馬鹿だと自分でも思う。でも、それが事実なんだもの。「…やっぱりさっちゃんは外の世界に出たほうがいいな。」「出てるよ。高校に行っていろんな男の子と友達になったけど、やっぱり純兄ちゃんが一番だもん。」「あんな高校に通ったくらいで外の世界を見た気になっちゃだめだ。」純兄ちゃんはぎゅっとタバコを握りつぶして立ち上がった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qm.html" target="_blank" >曲美 きょくび</a> <br /><br />「えーっ…。」東京の大学に行く、と言ったら、祐二はあからさまに嫌な顔をした。「いやだよ、そんなの。幸子と離れるなんて嫌だ。」「…でも、もう決めたんだ。外の世界を見てみたい。」「だって、俺、言ってたじゃん。兄貴が勤めに出て俺は田んぼを継ぐんだって。なのに、お前、東京なんかに出て、どうすんだよ。」頭をハンマーで殴られたような思いだった。市の高校に通っている私を誇りに思っているような態度だったのに、結局は祐二も村の人と同じだったというのか。女は家庭に入るんだから、余計な勉強なんて必要ないというのか。「祐二の家の事情と、私の進路と、どういう関係があるって言うの。」「え？だって…。俺たち付き合ってるんだぞ。もう高校３年なんだし。そしたら将来のことだって考えるだろ。俺のこと好きだって言ってくれてたろ。」しまった。つられて言った言葉を、祐二はしっかりとした既成事実のように大切に心に保管していたらしい。そうか、そうなのか。体を重ねている時にふと口から漏れただけの言葉を、こうして大事にするものなのか。相手のことが本当に好きだったら。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/shentitangkangxiu.html" target="_blank" >軽体堂康秀</a><br /><br />　秋から冬になる頃には、勉強を言い訳に、私は祐二のことを遠ざけた。はじめはあれこれ言っていた祐二も、さすがに私にはかまわなくなっていた。ただ、なにぶん小さな村のことで、私が祐二のことをこっぴどく振ったと噂されるようになった。はじめは進学のことを承諾していた両親も、‘そこまでして東京に行きたいのかい？’などと言うようになった。何を言ってるの？馬鹿馬鹿しい。ある日、純兄ちゃんがうちにやってきた。母などは、‘祐二くんのことでなにか文句をいいにきたんじゃないか’と警戒していたが、ちょっと違った。「俺は何も噂なんか流してないからって、祐二がさ。」私の部屋に二人きりでお茶を啜りながら純兄ちゃんはこんなことを言った。祐二のいいわけをわざわざ伝えにきたらしい。私だってそんなことはわかっている。祐二が振られたことにいじけて、悪口を言いふらすようなこと、するはずがない。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qingyingyihao.html" target="_blank" >清盈一號</a><br /><br />「そんなのわかってるよ。それで、どうしろっていうの。」「そんな、怒るなよ。あいつはさっちゃんのことが本当に好きなんだからさ。嫌われたくないんだろ。」「じゃあ別に、純兄ちゃんが来ることないじゃない。電話の一本も寄越せばいいのに。」「それはそれで自分の口から言うのはあまりにもいいわけくさくて嫌なんだろ。」私はイライラしていた。よりによって純兄ちゃんの口からこんなこと言われたくなかったのに。「…しかし、こないだなんか大学行こうかどうしようか、迷ってる感じだったのに。」「外の世界に出てみろって言ったの、純兄ちゃんのくせに。」「そうだけどさ。」そして私は東京の大学に受かった。純兄ちゃんの通っていた大学とはレベルの違ういい大学だ。でも出発の日には、純兄ちゃんの時と違って村をあげての見送りなんてなかった。私はこれから東京にいく。今までみたいな、閉鎖的な思いをしなくていい、都会へ。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qxs.html" target="_blank" >強效痩</a><br /><br />「…あんた、あの、さっちゃんかい。」村役場の就職試験の面接で、係りの人が飛び上がった。外の世界には色々あった。そして、私にとってはいろいろありすぎた。私は正直、純兄ちゃんとは違って、東京のそれなりの会社に就職するだけの力を持っていた。でも、これから暮らしていくのはここじゃない、と思った。不思議と。彼氏は私を必死に説得した。でも、どこまでいっても彼は私の感覚を理解できないようだった。村の人も理解できないようだった。そして、私の扱いに困っていた。男の純兄ちゃんはすんなり受け入れて、女の私に戸惑うなんて、どういうわけだろう。面接の日、久しぶりに純兄ちゃんに会ったけれども、彼もやはり目を丸くしていた。でも、面接官のそれとは違っていたと思う。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/gjdhw.html" target="_blank" >杞菊地黄丸</a><br /><br />　翌年の春、勤めが始まった。仕事内容はそれほど難しいことはなかったけれど、村の人と打ち解けるのには努力を要した。どの人も、私にどう接していいかわからない様子だった。未知なる物へ遭遇するかのように。そして、陰口を叩いていたことを後ろめたく思っているようでもあった。そこらへんはかしこまらずに馴染みの言葉遣いで接することでどうにかなっていったと思う。そして純兄ちゃんの協力も大きい。都会帰りで事情がわかる人と一緒にと、純兄ちゃんの身近な部下のような立場にしてもらったから。純兄ちゃんは28歳になっていたけれどもいまだに独身だった。かたや祐二は23歳にしてすでに一児の父となっていた。相手は、同級生のエイ子ちゃんだった。彼女は昔から、私と違って優しくて、可愛らしい子だった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qzxttg.html" target="_blank" >奇正消痛貼膏</a><br /><br />「さっちゃん、踊らないの？」年に一度の村祭りの日。10年前の時と同じように純兄ちゃんが隣にいる。「しばらく踊ってないから自信がないなあ。」「大丈夫だよ。小さい頃にやってたことって体が覚えてるから。」「うん…。」言いつつも、足が動かなかった。あの輪に入るには、なんだかまだ早い気がする。「純一、踊らないの？」和子ちゃんが駆けてきた。もう子供も大きいというのに相変わらず丈の短い服を着るのが好きらしい。だんなは嫌じゃないのかな、と思うんだけど、むしろそんな和子ちゃんを‘自慢の嫁’くらいに思っているらしい。「俺はいいよ。のんびりしたいから。」「もう、つまんないわねえ。」ぐいぐいっと豊かな胸を押し付け、名残惜しそうに子供の元に戻っていく。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qg.html" target="_blank" >奇果</a><br /><br />「あれがまだ通用すると思ってるんだもんなあ。」「だって、和子ちゃんまだ若いもん。」「やり方が古いしワンパターンだけどな。」顔を見合わせて、二人、クスクス笑う。「でも昔は、純兄ちゃんもああされてにやけてたよね。」「そりゃ昔はね、うぶだし、盛りの頃だし。」「やだ、そういう言い方。」ぱしっと肩を叩く。と、腰にそっと手がまわされた。「…どういうつもり。」「そういうつもり。」「盛りは過ぎたんでしょ。」「好きな女が相手なら違う。」と、そっと腰に腰が当てられた。「抜けよう。」小さく、低い声が耳を甘く撫でる。ずっと前から欲しかった、魅惑の言葉。視界の隅に、輪の中にいる祐二がこちらを見ているのが感じられた。「私たち、もう子供じゃないのよ。」「わかってる。」「遊びで付き合う気、ないし。」「俺だって。」手の力が強くなる。「幸子が好きだから幸子としたい。」物置の中で、私は純兄ちゃんとひとつになった。「ここで和子ちゃんとしたんでしょう？」「おまえだって、祐二としたくせに。」私は汚れた机にしがみついた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qizhiyouwy.html" target="_blank" >妻之友</a><br /><br />「面接に来たとき、あんまり綺麗になっててあせった。」純兄ちゃんはそれはもう、うれしいことをいってくれた。「別人なんだもんな。都会に行って洗練されて。俺にとってさっちゃんは年下の小さな女の子だったのに、しっかり女になって帰って来るんだもんな。参った。」「そんなこと、ないよ…。」「あるよ。だから誰にも渡したくないと思った。」　１０年。　この人への気持ちを自覚してから、こうなるまで１０年かかった。もちろん、その間に色々なことがあったし、色々な人と付き合った。祐二も含めて。その間、私はいつだって自分の気持ちに正直に生きてきた。村の人たちからどこか冷たい目を向けられても。もしもまわりの目が怖くて行動することを諦めていたら、こんな幸せは手に入らなかっただろう。だから、これからも正直に生きていく。純兄ちゃんの…純一の腕の中で、そう決めた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/pzhrg.html" target="_blank" >片仔廣軟膏</a><a name="more"></a>

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<title>彼次第</title>
<description>今日はあたしの１８年かけての勝負の日。池田光憲――あいつに。気持ちを確かめる。あたしは新たな決意を胸に、チャイムのボタンを押す。まもなくしてガチャガチャと鍵を外す音。ドアが開かれ、現れたのは身長１８０センチの男。まあ、あたしが１７２センチあるから、身長差は１０センチもない。だけど、こうしてみるとやっぱりデカい。彼の目元には変わらず愛用している黒ぶちの眼鏡。こいつの名前は光憲――あたしの初めての彼氏だったりする。彼は開口一番に言い放った。「相変わらず、時間に律儀な奴だなぁ」「そ...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-03-25T19:24:53+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
今日はあたしの１８年かけての勝負の日。池田光憲――あいつに。気持ちを確かめる。あたしは新たな決意を胸に、チャイムのボタンを押す。まもなくしてガチャガチャと鍵を外す音。ドアが開かれ、現れたのは身長１８０センチの男。まあ、あたしが１７２センチあるから、身長差は１０センチもない。だけど、こうしてみるとやっぱりデカい。彼の目元には変わらず愛用している黒ぶちの眼鏡。こいつの名前は光憲――あたしの初めての彼氏だったりする。彼は開口一番に言い放った。「相変わらず、時間に律儀な奴だなぁ」「それって褒め言葉に聞こえないんだけど？」「いや。よく迷わなかったな、って。感心したところ」「・・・あ、そ」呆れた。時間を守るは当たり前のことでしょ。住所なんて地図見ればすぐに分かるじゃない。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/txwyh.html" target="_blank" >天仙丸1号</a> <br /><br />「とにかく、あがれよ。一通り片付け終わったところだから」「ん。お邪魔します」あたしは門をくぐり抜け、玄関の前に立つ。ちょうど横にいた彼は訝しげにあたしの姿を見下ろす。「何？何かついてる？」「・・・別に？あんま最近、スカート見てなかったなって」「よくそんなこと憶えてるわね」「・・・まぁとにかく上がれって。今、なんか出すからさ」彼の言葉に甘えて、ブーツを脱ぎスリッパを履く。続いて彼もスリッパに履き替えて、階段を上る。あたしは光憲の後ろに続いて、二階の突き当たり西の部屋に入る。初めて入った印象は、閑散とした部屋だった。無機質というか、冷たいというか、温かい色のない部屋。だけど広くて嫌にスッキリとした部屋。光憲がいつも暮らしている空間に今、いる。共有する空気。・・・・・・不思議な感じ。あたしは、しばらく部屋を見渡していた視線を彼へと向ける。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dabaidu.html" target="_blank" >大敗毒</a><br /><br />「ああ、適当にその辺に座れよ」すっと指さされたのは白いソファ。心なしかうちのより大きく見える。だが彼の身長を考えれば納得がいく。そう自分に言い聞かせ、言われたとおりに窓の下にあるソファに座る。持っていたミニバッグを左横に置かせてもらうことにした。それから両手を横に置いて、彼を見上げる。「・・・座んないの？「なんか飲み物でも持ってくるよ」彼は踵を返し、部屋から出て行く。あたしは特に引き止めることはせず、その背中を見送った。パタン、と閉じられるドア。あたしは手持ち無沙汰になってバッグから携帯電話を取り出す。ふと液晶画面に目線を落とすと、メール着信ありの表示。・・・・だれだろ？<br /><br />不思議に思いつつ、ピンクの物体を開く。３回ぴこぴことボタンを押し、受信メールフォルダを見つける。すると友達の恵子からのものだと分かった。指定して開くと、いつもの見慣れた文章の羅列が出てきた。たまにギャル文字が混ざるそれを要約すると、『さっき美容院行ってスッキリ切ってもらった』という報告。確か彼女は来月に推薦を受ける予定だった気が。・・・・ああ、それで。返信しようかと僅かに迷ったが、まぁ後でもいいか、と二つ折りのそれを閉じた。そのとき、階段を上ってくる足音が聞こえた。それは確実にこちらに近づいてきていた。あたしは立ち上がり、ドアの前まで駆け寄った。そして、ゆっくりとドアノブを開ける。すると案の定、目の前にはお盆にジュースを載せた彼がいた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/mgjcc.html" target="_blank" >魔根金虫草カプセル</a><br /><br />「サンキュ」「イエイエ。どういたしまして」適当に笑みを浮かべ、彼を通してからドアを閉める。背後から聞こえるカタン、と置かれる音。振り向くと、彼が持ってきたそれらをソファの前にある机に置いていた。あたしが近づくと、光憲はどっかり腰を下ろした。「炭酸大丈夫だったよな、美咲」あたしは彼の左横に腰を下ろす。「うん。平気」「そっか」返事を聞くや否や、彼はペットボトルからそれぞれコップに注ぎいれる。そしてハイ、と渡された。「ありがと」あたしは早速オレンジ色をした飲み物を口にする。だけど、彼はそれには口につけず立ち上がり、勉強机のほうへ歩いていく。その光景を大人しく見やっていると、彼が机の隣にあるＭＤデッキの前で何やらがさごさしていた。<br /><br />「・・・曲、何でもいい？」「うん」そうして流れ出した曲はあたしの知らない洋楽だった。ふぅん、こういうのを聴くんだ。彼はいつの間にか隣に戻っていて、ファンタを飲んでいた。あたしはそれが飲み終わるのを待ってから、切り出した。「ねえ、ノリ。あたしのこと好きじゃなかったんだよね？」「・・・は？どしたの、美咲」ことん、と置くグラスの音。けれど、あたしは彼の顔が変わるのを見逃すかとばかりに見つめる。「どうもしないよ。思ったことを率直に言っただけ」「ふーん」何にも思っていない、といった口調。そして彼は無造作に眼鏡をはずし、丁寧にレンズを拭く。不自然さのない、いつもの彼の行動。だが。ちょっと、そーゆー態度をとるわけ？それならこっちにだってそれ相応の・・・・。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/santiniubian.html" target="_blank" >三体牛鞭--三體牛鞭</a><br /><br />そう思った、とき。彼は拭き終わった眼鏡を机の上に置いて、ゆっくりとこっちを見た。真っ直ぐに視線が交わり、お互いの顔が瞳に映し出される。だけど、あたしは奇妙な金縛りにかかっていた。なに、この視線。離せない。・・・・・どうして。彼が目線をずらさない限り、こちらもずらせない。動くことが、できない。・・・・・どうして。同じ疑問をもう一度、心の中で繰り返す。両者の間に流れる長い沈黙。あたしはついに息が切れ掛かっていた。呼吸の仕方が、分からなくなっていて。もうギブアップしたい衝動に襲われていた。すると。急に視界が暗くなった。ああ、もう意識を手放すことになっちゃったんだ。けど、それは違った。息が入ってきた。唇から。<br /><br />それは、つまり――――っっ？！！何をされたのか認識ができるときには、それはもう離れていた。目の前には変わらずいる、彼。そのとき、あたしは息の仕方は思い出した。じゃなくて。「なに、するのよ」「さぁ？自分の胸に聞いてみれば」「・・・っ、ちょっ・・・！」今度は顎をつかまれて拘束される。それからすぐに降りかかってくる甘い囁き。「嫌なの？」耳元で囁くのはやめてほしい。背筋に悪寒がわずかに走ったじゃないの。しかし、それを彼に伝える前に。再び口を塞がれた。かすかに触れる彼の体温。・・・温かい・・・。当たり前だけど。そう思っていると、ふと気が付いた。・・・・・ちょっと長くない？　これ。思ってみるとその通りで、長い接吻を交わしていた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/heibeiwang.html" target="_blank" >超強 黒倍王</a>「・・・・・・・・・。・・・・・んーっ！」なかなか離してくれない彼に抗議の声をあげる。すると、しばらくしてゆっくりと離された。けれど、長い余韻が唇に残っていた。何となしに上目遣いで彼を見上げる。<br /><br />「・・・息切れしてんぞ」誰のせいよ。ていうか、なんでノリは何ともないわけ？――・・・ああ、慣れてるからか。そんな考えに耽っていたら、抱きすくめられた。「美咲が言いたいことは何となく分かる」「・・・・・・あっそう、言ってみなさいよ」「イヤだ。癪じゃん、そういうの」「なんで」そう言うと、今まで見えなかったノリの顔が正面に来て。彼には珍しく、顔を少し歪ませていた。「・・・それはこっちが聞きたい台詞。いきなりどうしたわけ、何かあった？」「何にも」「嘘。バレバレだって、美咲。隠し事苦手なんだから、すぐ顔に出るよ」む。いいわよ、そっちがその気だったら。こっちだって、もーヤケよっ！<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/tbwys.html" target="_blank" >天宝五夜神カプセル</a> <br /><br />「あたしのこと嫌いなんでしょ？なんでこういうことするの？」「こういうことって、どういうこと？」「賭けで負けたから、あたしに声掛けて。それで付き合ってるんでしょ？あたしたち」あたしは一気にまくし立てた。その言葉にやや動揺が隠せない彼。それからぽつりと呟くように声が聞こえてきた。「靖に聞いたんだ」「弁解・・・できないよね。事実なんだもの」「・・・・・・・・。なんで『嫌い』って、そう言えるの？」あたしを見下ろす挑戦的な視線。だけど、あたしだって怯むかと彼の瞳を射る。「隣にいたら分かるわ。ノリは別にあたしが好きで一緒に居るんじゃない。そーゆー雰囲気なら敏感だもの」「へえ。・・・雰囲気、ね」「それにあたしを女として見てないでしょ？ただのじゃれてくる子供の扱いと同じでしょ？」「・・・違うよ」「キスだって今のが初めてで。いつだって、あたしに触れようとはしなかった」「・・・・・・・・・美咲はどうしたいの？別れたい？」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sanjinguilin.html" target="_blank" >三金桂林西瓜霜</a> <br /><br />「・・・・・・・・・美咲はどうしたいの？別れたい？」そういう彼の表情は、怒っているとも悲しんでるともどちらとも取れなかった。あたしは彼の思いが掴めず、どうしたらいいか分からなくなっていた。ただ呆然とするしかできず、彼の言葉を頭の中で反芻していた。――別レル？――誰ト？それからようやく意味を理解して我に返った。あたしは。別れたいのかな・・・この人と。だけどすぐに違うと頭を振るう。そうじゃない。あたしはね、光憲。「あたしが嫌い、って肯定して」「美咲、言っていること目茶目茶・・・」「言ってよ。だって、光憲はそう思っているんだから。簡単でしょ？」そう、これは簡単なこと。だけどフト思った。これってただの自己満足のためなのかなって。だとしたらあたしは冷静な彼の目からどんなに愚かに、馬鹿に映っているんだろう。そう思うと、なんだか悲しくなった。あたしは居たたまれなくなって彼から目を逸らし、俯いた。すると、すぐに低い声が聞こえた。<br /><br />「それ、さ。何の誘導尋問？」ゆっくりと尋ねる声は落ち着いていた。が、あたしの癇に障るのは十分な言葉だった。ユウドウジンモン？何よそれ。あたしを馬鹿にしているの？本気じゃないって、冗談だって思っているわけ？！・・・いいわよ、勝手にそう思っていれば！「もういい。これ以上、まともに話せそうにないしね。あたし・・・帰る」「待てよ。自分から言い出しておいて逃げる気？それって卑怯じゃないの？なあ、美咲。これから他の男のところに行かれたら俺、どうにかなる。頼むから、行くなよ。俺の前からいなくなるな」それがさっき人を小ばかにした人がいう台詞？そんなの、冗談じゃないわよ。こっちがどれだけ勇気出して言ったと思っているわけ？<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/xiangsilu.html" target="_blank" >徳国相思露</a> <br /><br />「嘘ばっかり。光憲はあたしの存在なんてどうでもいいって思ってる」「思ってない」「あたし帰るから。・・・さよなら！」あたしは今度こそ踵を返し、隣のカバンを持って立ち上がる。けれど、それより早く彼が動いてあたしの前に立ちふさがっていた。流石に自分より高く力のある男に勝てるとは思えない。あたしは最後の抵抗とばかりに彼を睨みつけた。でも、それに効果が生まれることもなく。彼は自嘲気味に微笑んで、苦々しく言った。「おとなしく帰すって思ってた？美咲」いかにも怒っていますという彼の迫力に、無意識に後ろへ逃げようとする。だけど、あたしの行動なんてお見通しとでもいうかのようにすぐに右手首を捕まえられていた。あたしは声を震わせながら必死に抵抗を試みる。<br /><br />「今だって思ってるわよ。そんなハッタリ通じない」「へぇ。体に分からせないとダメみたいだな。もうどうなっても知らないから」そう言うや否や、両肩を押さえつけられ、そのまま二人一緒に後方へ倒れこむ。ボサッと音とともにソファに体が埋まる。目の前には、無表情の光憲の顔。あたしはようやく事の事態に気付き、慌てて声を出す。「・・・やっ！止めてよ、この万年発情期男！」「は？俺、美咲に触れるのこれが初めてのはずだけど？もしかして、既に誰かに頂かれちゃってるとか、そーゆーこと？」なんで恥ずかしいことを平然と言えるんだ、この男は。そんな思いを込めて、彼を軽く睨む。だけど。何も言わなかったのがあたしの状況をさらに悪くした。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dgxsl.html" target="_blank" >徳国相思露 液体媚薬</a> <br /><br />「否定しないんだ、俺の彼女は」「もう彼女なんかじゃ・・・っ」「いつの間に別れたの。美咲。俺は認めてないけど」もう後ろへ逃げることはできないっていうのに、彼はにじり寄る。距離という距離がどんどん狭まり、鼻の先がくっつきそうなぐらいになっていた。あたしはこれ以上ないというぐらい心音が高鳴っていた。こ、こんな至近距離で見つめるなんて非常識よぉ！そんな思いは彼には伝わらないらしく、そのままの距離を保ったまま、光憲は口を開く。「で？どうなの？・・・美咲」「どうだっていいじゃないっ！」「・・・・・・怒るよ？結構、俺にとって重要なことなんだけど」彼の瞳に射すくめられ、あたしは何もできないでいた。言葉は喉に詰まり、動きは彼に封じ込められ、瞬きさえもその瞳に吸い取られる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/shengjing.html" target="_blank" >東方神龍</a> <br /><br />「で、どうなの？」再びの問いかけ。あたしは最早逆らうことができなかった。だけど素直に言うのは・・・やっぱり悔しいわけで。左右に首を振るのにとどめて置いた。すると、こちらが拍子抜けするぐらい彼は顔をほこばせて。子供みたいに無邪気な笑顔を浮かべていた。・・・・・あたしはさっきの不毛なやり取りを繰り返すことができなくなっていた。その、顔のせいで。何も言えなくなっていた。そうしていると彼はゆっくりと身を起こした。あたしは上にかぶさっていた重みがなくなったことでようやくそのことに気付き、起き上がる。彼はすぐさまにあたしの視線を捉えて、口を開いた。こっちが何か言うまで何も言わないと思っていたばかりに、思わず息を呑む。「俺ね」「・・・・・・・」「美咲のことずっと前から・・・好きだったよ。あいつらが賭けに美咲を名指ししたのはそれを知ってたからだよ。それから本当に付き合うことになったときは正直、夢心地だった。ずっと・・・そんな感覚だった」あたしは何を言われているのか理解が追いつかず、呆然と聞いていた。だって、ホントに予想外のことだったから。ノリは呆けているあたしに構わず喋り続ける。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qrjfth.html" target="_blank" >旗人減肥套盒</a> <br /><br />「美咲はただ何となく俺に付き合ってて。だから俺の好きのほうが大きくって、それを美咲にぶつけたら離れていくんじゃないかって思ってた」そうして、ゆっくりとこっちを見た。その顔はどこか悲しそうで。なんでかは分からないけど。でも、やっぱりあたしが原因なんだろうなって思った。そう考えると、彼にかけるべき言葉が思いつかなかった。「・・・・・・・」「ほら、何か言えって」「嘘吐き」「・・・どこが？」「そんなの聞いてないっ」「当たり前だろ。今、言ったんだから」ノリは鼻を軽くこすり、目線を宙に向ける。そんな恥ずかしさを隠そうとする素振りに、あたしは内心微笑んでいた。けれど次の瞬間、あることに気が付いた。<br /><br />「じゃあ、どうしてあたしに触れようとしなかったの？」「お前の体を俺の汚れた手で穢れさせたくなかったんだよ」「・・・・・・・はァ？何言ってるか、いまいち分からないんだけど」「ともかく、そういうこと。・・・分かった？」「分かるわけないでしょ！」だが、彼はその場の雰囲気に似つかわしくない満面の笑みを浮かべていた。あたしは第六感で逃げ腰になる。けれど、彼がそれを逃がすはずはなく。既に再び腕を拘束されていた。笑みだけはそのまま顔に張り付いたまま。「美咲ならそう言ってくれると思った」「・・・な。・・・えッ」押し倒される。すぐに上にのしかかって来る重み。あたしは急に危機感を覚えて、おもむろにうろたえる。だけど、至近距離にいる彼はとても嬉しそうな表情で。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dgzdb.html" target="_blank" >徳国 増大宝</a> <br /><br />「平気だって。痛いことしないし。体に直接分からせてあげるから、美咲はそのまま何にもしてなくていいよ」「・・・・・・ちょっと。誰が大人しく頂かれるって言った？」「俺？」その自信過剰なところ、直して欲しい・・・かも。あたしは無意識に腕を伸ばして、彼の頭を両手で包み込む。光憲は軽く目を見張った後、しずかに睫毛を伏せた。長い睫毛をあたしはのんびりと眺めていた。そうして彼はやんわりとあたしの腕をはずし、むくりと起き上がった。それから、下に敷かれたあたしの体を器用に避けてソファの端に座った。と、不意に大きな溜息が聞こえた。そして、彼はゆっくりとあたしを振り返った。<br /><br />「・・・・・・やっぱ美咲って、俺に抑制かけるタイプだな。はぁ、・・・ごめん悪乗りしすぎた。起き上がれる？」「ん、平気」「先に断っておくけど、今度は絶対譲らないから。覚悟だけはしといて」「・・・は？　何を譲るわけ？」「執行権」「・・・・・・」やっぱり彼には敵わないな、と思った。そう思うと自然に笑みがこぼれてきて、それを目ざとく見つけたノリが言った。「あ、今笑ったな？」「だって可笑しい。やっぱりノリはノリなんだもん。それを改めて思うと、ちょっとね。・・・幸せだなって思ったの」「・・・そっか。まぁいいけど、今月中には頂く予定だから覚悟しといて」「面と向かってそんなこと言わないでよ」「いいじゃん、先約先約」そう言う横顔は晴れ晴れとしていて、あたしはノリさえ止めなかったら別に良かったんだけどなって頭の片隅で思った。でもまぁ焦ることでもないし、今すぐに求められても困ってたんだけど。とにかくこの言葉に限るでしょ、――あたしの心は『彼次第』。泣かすのも、嬉しくさせるのも、幸せにしてくれるのも、光憲次第。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/zengdabao.html" target="_blank" >増大宝V12</a><br /><br />俺の彼女は強気で負けず嫌いで正直な話、扱いに困ることもしばしば。それでも隣にいると決めた理由は勿論――惚れた弱みというヤツなんだろう。神辺美咲、現在付き合っている俺の彼女の名前だ。美咲と付き合い始めて早何ヶ月……俺には珍しく清い関係を保ったままの順調な付き合いが続いてる。まぁ偶に変に勘ぐった美咲から「別れる宣言」をされたりすることもあって、それでも何とか宥めて美咲の不安を取り除くのに必死になったりもしているが。それでも俺たちの間柄は、一応「順調」な関係のはずだ。しかし、今の俺は幸せ絶頂の只中には少し離れたところにいる。原因なんて考えるまでもない。なぜこうなってしまったのか甚だ謎な、靖司の提案で決まってしまったダブルデート。てっきり断るとばかりに思っていた美咲はあっけなく承諾した。その横にいた俺は一人自問自答する羽目になっていたのだが、袖をぐいと引っ張られて挙句、目を輝かせ「どこ行こっか？」と言われた日には内心理性との限界も致し方ない。……というよりも、これ以上至近距離で見つめることはできる限り止めて欲しいというのが切実な願いだ。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/rongchanggangtai.html" target="_blank" >栄昌肛泰</a><br /><br />なのに、だ。なぜかこういう時に限って、美咲はいつにも増してベタベタと俺にくっついてくる。こっちの気持ちも少しは理解してくれよ、と思うのは無理な要望だっていうのは百も承知なのだが、どうしたって心の呟きは止むことはない。果たして今の俺は表面上、楽しくしているよう見えるのだろうか。そんな疑問すら考えてしまうのだから、俺は今相当追い詰められていることに間違いはないだろう。「あー……」つい出た、独り言。靖司たちは絶叫マシーンが大好きなカップルだから同系統に立て続けに連れ回され、途中から俺の提案でもっと落ち着くコースにしようと美咲を連れ立って逃げてきた。少しぐらい放っておいたって、どうせ気付かないだろうしな。午前中からずっと叫びっぱなしだったんだから、少しは休憩させろっていうのも立派な理由になるだろう？それに折角来たんだから、美咲ともいい思い出を作ったって罰は当たらないはずだ。しかし俺の溜息のせいで美咲は心配そうな顔を向けていた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/gjdhwnsw.html" target="_blank" > 杞菊地黄丸 </a> <br /><br />「どうかした？あ、喉乾かない？何か買ってこようか？」「……いや。いいよ、俺が買ってくるから美咲はここで待ってな」そうして絡み付いていた腕をそっと解くと、一瞬切なそうな美咲の顔が目に入ってしまった。そんなに離れるのが嫌なのか、とも思うが美咲の性格上そんなにベタベタするのは好きじゃないはず。……あくまで俺の推測だが。それでも自分から言った建前、自販機方面に行かないわけにもいかず。俺は自分にそう言い訳をしながら美咲の元から離れる。さて、後でどう心境を探ろうか。内心次なる対策を考えながら、広場へと辿り着く。だがそこには既に先客が数人いた。仕方なく彼女たちが過ぎるまで待つかと少し離れているところで突っ立っていると、グループの中の一人が俺に気が付いたらしくおもむろに目が合う。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/txwqh.html" target="_blank" >天仙丸7号</a> <br /><br />「あれ？池田…先輩ですよね？」「は？」「ああそうだ、やっぱり！偶然ですね、こんなところで」言いながら、なぜか俺の傍まで近寄ってくる女の子に見覚えは……あっただろうか。離れていてもハッキリと聞こえる声、女の子らしい可愛い顔立ち。……うーむ。「ごめん、誰だっけ」「女子バスのマネージャーしてます。菅田です」なるほどね、それで俺のことも知ってるわけ。ようやく合点がいき、一人納得する。「あぁ……それで」「先輩、良ければ一緒にあたしたちと回りません？」聞き間違いか、これは。そう思って菅田さんの顔を見るが、冗談でもない様子だ。俺は頭を抱えたい心境で、「待って。……意味が分からない。どうして君と一緒に遊ばないといけないわけ？」落ち着きを払いながら言うと、菅田さんは不思議そうに目を丸くした。<br /><br />「そんなの決まってるじゃないですか。あたしが先輩のことを好きだからですよ。絶対今の彼女なんかより、得ですって。何なら二股でもあたしは全然」「……いい加減にしろ。得とか損とかそういう事で誰かと付き合うつもりはない。一緒にいたいから一緒にいる、それだけだ」何を言うかと思えば、……聞く耳を持とうとした俺が阿呆だった。これはもう普通な会話にはならない。俺はその場から離れるために背を向ける。けれども、諦めが悪いのか背中越しにソプラノの声が聞こえてくる。「でも…でもあたしだったら、先輩が悲しそうにしてるときに一緒にいます！今の彼女は先輩の心境なんか全然分かってない！！分かろうともしてない！そんな彼女じゃ、幸せにさせることなんてできないでしょう？！」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/txwsh.html" target="_blank" >天仙丸3号</a><br /><br />最後は最早、捨て台詞とも取れるような口ぶり。心の中で大きい溜息をつき、俺はもう二度と振り返らないことを決意してそのまま立ち去った。後ろから彼女の友達の声がしたような気はしたが、ヒステリックを起こされたってこっちが迷惑ってもンだ。俺だってそこまでお人好しじゃない。第一、今は大事な彼女とここに遊びに来ているわけで……。そこでようやく俺はまた気付くのが遅かったことを悟った。気が付けば、ベンチから立ったままの美咲が顔を歪まして俺を見ていたからだ。その複雑そうな表情は、明らかに今のやり取りを見ていたという証拠。さて……何て言うべきか。けれど逃げるわけにもいかない。腹を括ろうと自分に言い聞かせ、美咲の前へ立つ。だが美咲の方が先に口を開いていた。<br /><br />「可愛い子ね。いっそ乗り換えたら？」「……美咲。そんなに俺がいなくて寂しかったんだ？」「違うわよ、率直な感想を述べただけ」明らかに拗ねていると見て取れる分かりやすい行動に、俺は内心苦笑いを浮かべる。理由は勿論、これから俺が取る行動に対して、だが。「じゃあそうなることが美咲の望みな訳なんだ？俺が横にいなくなることが。そうだとすれば、そうするけど」「……ちがっ」本当に美咲は相変わらずだ。そろそろ俺の手を読むこともできるだろうに。どうしていつも、同じように俺の策にこうもあっさりと嵌まるのか。まぁそこが可愛いところと言えばそうなんだけど。じゃあ、ここは更に素直になって貰うとするか。俺は美咲の腕を軽く手前に引っ張り、体勢を崩しかけた美咲の体を引き寄せて耳元で囁く。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/txwlh.html" target="_blank" >天仙丸6号</a> <br /><br />「じゃあ、さっきのは言葉のあやってこと？」みるみるうちに、美咲の頬が薔薇色に染まっていく姿につい抱きしめる腕に力を込めてしまう。すると美咲が遠慮がちに俺の胸に両手を当て、上目遣いで見上げてきた。「だ、……だから」「うん。なに？」「悔しかったのよ、ちょっとだけ」その言葉に思考が一時停止する。美咲はこういう時は決まっていつも予期せぬ言葉を投げてくるが、まさかこう返してくるとは思わなかった。肝心なときに急に女の子らしく、しおらしくなってみろ。愛しさが込み上げてきたって無理はないだろ？……ていうか、ここが家だったと思う自分に苦笑いを禁じえない。俺は長い溜息を心の中でつくが、腕の中にいた美咲がかすかに身じろぎをしているのに気付き、反射的に腕の力を緩める。けれど、次の言葉で俺の力が強くて苦しかったわけではないことが明らかとなった。<br /><br />「光憲ぃ、何いちゃついてンの？」……ったくお前には配慮って言葉が存在しないのか？いや違うな、単に俺をからかって遊びたいだけだな、靖司の場合。俺は美咲を解放し、ご丁寧に水を差してくれた友人へ“ささやかな御礼”を試みる。「お前、人の事言えるのか？一週間前、クラスの連中の目も憚らず、堂々とキスしてたくせに」「ば…っ、あれは違うだろ！！だいたいあれはっ、光憲が変な噂を流すから彼女がよその男になびいちまって、それを取り返しただけだろ！」「だからって普通、人の目ぐらい気にするよな？彼女、あれからからかわれて大変だったって聞いた。……そうだったろ？」最後の同意は、靖司の彼女へと向けたもの。美咲の幼馴染でもある未樹が顔を赤らました状態で深く頷くのを確認し、靖司に向き直る。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/tianranshanyang.html" target="_blank" >天然山羊の眼</a> <br /><br />「ほら、どこをどう見たって、あれは場所を選ぶべきだろ？まぁお蔭でもう誰かに奪われる可能性は減っただろうけどな」「……うるせーよ」「ところで、これからどうする？もう粗方回ったんじゃないのか？」俺は全員を見回すと、皆が悩み始めていた。かくいう俺もそろそろ他の場所に移すか、それとも家へ帰るかのどちらかでいいかと考えていた。けれど静寂を破る一声によって考えは一時中断された。「あたし、行きたいところがあるんだけど」と遠慮がちに提案したのは美咲だった。美咲の横にいた未樹は少し驚いた素振りを見せつつも、すぐに瞳を輝かして言う。<br /><br />「いいじゃん、なら行こうよ。それで美咲、行きたいところってどこなの？」「んとね、未樹。ここからすぐのモールに美味しいケーキがあるの。久しぶりに行きたいなって。あとちょっと買い物もしたいし」「じゃあ時間もいい頃だし、行こうよ。ね、いいでしょ？」既に男サイドには異論は唱えられない雰囲気となっていた。「ああ、じゃあそうしよーぜ」靖司の了承で、場所を移して電車の中。彼女二人はドアすぐ横の座席で楽しく喋りに耽っていて、その光景を俺らは遠めから眺めていた。その楽しそうな笑顔を見ているとつい、俺は知らず呟いていた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/ssdy.html" target="_blank" >痩身の語 第三代</a> <br /><br />「……なぁ靖。どうやら俺、避けられているようなんだけど」「どうせ自業自得なんだろー？」「なんかお前に言われると腹立つな」「じゃあ、違うワケ？今度は完璧非がないって言い切れる口か？」「……いつからそう頭が回るようになったんだよ、痛いところつきやがって」俺が項垂れる羽目になるとは、いつもと逆の光景だ。それが非常に悔しい。とは言っても、今回ばかりは流石に落ち込んでいるから靖に反撃をする気力も最早ない。美咲の提案の後、出口を目指した俺たちはバスへ乗り込んだ。俺は美咲の横に立つと、彼女はあからさまに避けるように違う場所へとわざわざ移動していた。その理由なんて一つしかないからこそ、頭が痛い。そんな俺の苦悩を知らない靖は胸を張って断言した。「俺だって日々成長しているってことだよ。残念だったなあ、ノリ」「ふう。……しっかしまぁー、どうしたもんかねぇ」「女の子の考えることは分からないからなぁ」回りくどいことはどうにも苦手だ。俺たちは今までの苦い思い出から得た経験をしみじみと感じながら、お互い頷いていた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/nycqkfy.html" target="_blank" >神奇女用催情口服液</a><br /><br />「ケーキが……」「あたしたちのケーキが、売り切れだなんて……」「セールじゃあ仕方ないな」「他に美味しいものでも食べに行くか」女性陣の悲しい声に俺たちはそれぞれ慰めを試みる。「ここのが、美味しいって評判なの！だのに……はあ」「しょうがないよ、今度はちゃんと食べるんだから！ね？じゃあそうと決まったら買い物レッツゴー！」「う、うん……そうだね。うんそうしよっ」さすが友達だけあって要領を得ているなぁと軽く感心してしまう。だが。「あ、男子はテキトーその辺にいてよ。ちゃちゃっと終わらせてくるから」「ちゃちゃっとって……なぁ」「あーハイハイ。了解。いってらっしゃい」靖の言葉の先を読んだ俺は彼の口を封じ、美咲たちを笑顔で見送る。そうして女の子たちの姿が遠くなった頃、静かにしていた靖が暴れて俺の手から逃れる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sdcbppg.html" target="_blank" >蛇胆川貝枇杷膏</a><br /><br />「だーっもう！！あいつらがちゃちゃっとで済む日なんて来るもんか！」「……お前、それをさっき言ったら絶対根に持たれるぞ。そのくらい読めよな。だからお前らは喧嘩が多いんだろ」「ば…っ、第一あれはちょっとしたすれ違いだ！」「ほー？すれ違い、ねぇ？」耳たぶが赤くなっていく靖にまだまだ子供だなあ、と俺は心の中で笑う。そんな他愛のないやり取りを何度かしているうちに、美咲と未樹が姿を現す。「おまたせー♪ほら彼氏諸君っ、くたばってないで帰るよー」未樹の言葉に俺たちは背中を預けていた踊り場から起き上がり、階段を降りる。靖司と未樹が並んで歩き出すと、自然と美咲も俺の横へ来た。その事実にもう怒ってないのかと安心しながら尋ねる。<br /><br />「意外に早かったね？」「え？ああうん、買う物は殆ど決まってたから」「……で、何を買いに行ったの？」「女の子の秘密です」美咲は唇に人差し指を当て、楽しそうに笑っていた。けれどその中身については、その日の夜には明らかとなった。一同解散の後、美咲には未樹の家にお泊りという嘘をつかせ、そのまま俺の家に招いた。案外すんなりと承諾した美咲に若干驚きを隠せないが、どちらにせよ今夜独占できる事実は変わらない。だがまだ最後の確認事項がひとつある。一応の『確認』をしておかなければ、ならない。「美咲。心の準備はもうできた、んだよね？」顔を赤らめさせながらも頷く気配。俺は抱きしめたままの状態で首筋の紐を解く。そして手早く美咲の服を脱がすことに意識を集中させる。やがて、真新しい下着が目を釘付けにさせる。……買い物ってこれか、もしかしなくとも。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/shancunpian.html" target="_blank" >善存片</a> <br /><br />「美咲、ブルー好き？」「……うん。濃い青ってきれいじゃない？」「よく似合ってるよ」さらさらの細い髪の毛を背中へ流し、露となった首筋へ口付ける。甘い誘惑にもう心は捕まって逃げられない。逃げるつもりも、逃がすつもりも、既にないけれど。「だから、もう待てないから」それだけを言うだけで精一杯だったんだから、俺もまだまだ子供なのかもしれない。はにかんだ笑顔にもう逆らえないと、俺はある確信をしていた。美咲次第で、俺の心は簡単に揺さぶられる……それだけ彼女に惚れているのだという事実を。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/scdwysp.html" target="_blank" >善存多維元素片</a><a name="more"></a>

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<title>心許無い聖母(こころもとないマリア)</title>
<description> きっかけがなんだったのか。いつからだったのか。今となっては思い出せない。「先生、先生」「うん？」「見て。雪降ってるよ」「ほんと？」思わず立ち上がって身を乗り出した。窓の外は濃い群青で、グラウンドの向こうに街明かりが広がっている。彼が指差す先を、じっと目を凝らして見つめた。天気予報では明日の朝から降り始めると言っていた。予想以上に気温が下がったのかもしれない。冬の夕刻、彼と私以外誰もいない職員室の空気は冷え切っている。吐く息が白く、薄暗い室内にたちこめる。「雪……」探したけれ...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-03-16T17:20:51+09:00</dc:date>
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　きっかけがなんだったのか。いつからだったのか。今となっては思い出せない。「先生、先生」「うん？」「見て。雪降ってるよ」「ほんと？」思わず立ち上がって身を乗り出した。窓の外は濃い群青で、グラウンドの向こうに街明かりが広がっている。彼が指差す先を、じっと目を凝らして見つめた。天気予報では明日の朝から降り始めると言っていた。予想以上に気温が下がったのかもしれない。冬の夕刻、彼と私以外誰もいない職員室の空気は冷え切っている。吐く息が白く、薄暗い室内にたちこめる。「雪……」探したけれど、影も形も見当たらない。立った拍子にずり落ちてしまった膝掛けを彼が拾ってくれた。「あ、ごめんね。ありがとう」「嘘だよ」「え？」「雪。降ってないでしょ？」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qzxttg.html" target="_blank" >奇正消痛貼膏</a><br />　椅子から腰を浮かせたままの私を見上げて、彼は破顔した。ふはっと、吐息を零すような笑い方の癖。気づいたときから好ましく思っていた。高校生の平均より頭一つ背が高く大柄な彼も、表情によっては年相応の少年に見える。明るく無邪気に笑う彼を眺めるのが好きだった。ただ眺めるだけで。それはとても、安心する光景だった。彼は笑いながら謝った。私は気が抜けて椅子に座り込んだ。「先生、すっげ深刻な顔して机に向かってるから。ちょっと邪魔してみた」「そ、そう？　そんな顔してた？」「してた。何か問題あり？」提出課題の添削が思うように進まず、こんな時間まで学校に残っていること自体が問題ともいえる。<br />「大丈夫。みんなよく出来てるよ」プリントを捲りながら答える。むしろ私の方が要勉強だ。生徒たちがどこまで授業を理解しているのか、できるだけ詳しく把握しておきたい。一人一人の得手不得手や、もっとわかりやすい教え方、知りたいこと、学びたいことがたくさんあった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qg.html" target="_blank" >奇果</a> 「古典の文法活用が苦手な子が何人かいるみたいだから、そこは対応策が必要かな」「ふぅん」彼はにこりとした。「先生ってさ。一部の誰かに満点とらせることより、赤点スレスレのやつらのマルが一つでも増えるように考えてくれてるでしょ」全く意識していなかったことを指摘され、返事に詰まった。「数学のイワさんとか、単純な計算ミスでちょっと順位落としたりするじゃん、相当煩く言うんだぜ。英語の田中女史もさ、スペルミス一つ見つかっただけでもぉうっせーの。お小言の嵐」「私はまだ新米だからね。他の先生たちみたいに責任ある立場の人は難しいんじゃないかな、色々」口調は軽かったけれど、彼の愚痴めいた言葉を耳にするのは初めてで内心驚いていた。彼は成績優秀な生徒で、生活態度も申し分ない。当然、将来を期待されている。プレッシャーには強そうに見えるけれど、過度の期待が重かったりするんだろうか。屈託ない笑顔の裏で、負担に感じていたりするんだろうか。周囲には微塵も悟らせずに？よぎった考えに動揺する私をよそに、彼は笑みを深めている。「先生のそういうところ、すげー好き」なんの意図もないように。ためらいなく。だから好き。だけど好き。彼がそう口にするようになったのはいつからだっただろう。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qizhiyouwy.html" target="_blank" >妻之友</a> <br />「俺のは？」「え」「課題」「あ、うん。ばっちり。言うことないよ」「マジ？　やった」線の引き方、プリントの折り目一つでわかる。大らかさの中に丁寧で細やかな気質を兼ね添えた彼の、筋張った無骨な手が器用にチョークを使い、すらすらと淀みなく解いていく。正解し、クラスメイトの賞賛に照れ笑いを返す。賢く努力家で、驕ったところもない。課題の出来を褒められただけでこんなに喜んでくれるほど素直でもある。リーダータイプというよりも、どちらかといえばヒーローに近い。職員室でもたびたび話題になる。どこに出しても恥ずかしくない模範生だ。私の足元に跪いて、膝掛けをそっと掛け直してくれた。大きな手が、ふれるかふれないかのところにある。伏せたまつげが緩やかに上がった。強い瞳。さっきまでの柔らかさが消えて、もう、笑ってはいなかった。<br />「先生、寒くない？」「ありがとう。大丈夫よ」「俺は寒いんだけど。風邪引くかも」「ごめんね、こんな遅くまで。私、これ終わらせなくちゃ。まだ時間かかりそうだから、先に帰ってて」なかば懇願するように促すと、彼はため息をついて隣の椅子に座った。学生服に包まれた長い脚を持て余し気味に投げ出している。「先生ってほんと真面目だよね。まぁ、そういうところも好きだけど」薄暗い照明の下、彼は俯いている。少年らしさを残していながら、精悍な横顔。「なんか手伝えることない？　俺、待ってるからさ。ここで」「駄目。帰って」きっぱりと断る。平静を装い、取り繕って。聞かなかったことにする。何もなかったことにする。目は見ない。決して見ない。見てしまったら、拒絶の言葉なんてたった一言さえ出てくるはずがなかった。「お願い。もう帰って。待っててくれても……一緒に帰れない。駄目なの」「なんで？」率直な問いに答えられず、無言で下を向いた。「どうして、先生」<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/pzhrg.html" target="_blank" >片仔廣軟膏</a><br />　――どうして。秋休みに、仲の良い生徒たちで紅葉を見に行くということで、私も誘ってくれた。引率を兼ねたつもりがなぜか途中から一人減り二人減り、いつのまにか彼と私だけになっていた。戸惑いながら、少し先をゆく彼について歩いた。紅葉は見惚れるほど美しかった。けれど、彼は珍しく俯きがちで言葉少なだった。その横顔が耳まで赤く上気していることに気づいたとき。つられて火照った頬の熱さが、ふとした拍子によみがえる。今でも、鮮明に。<br />（特定の生徒と親しくし過ぎるのはどうかと思いますよ）（あなたはまだ経験の浅い新任教師で、しかも若い女性なんですから）（本人はもとより、他の生徒たちにも色々と影響があるでしょう）含みのある言い方。探るような視線。ショックだった。私が彼を頼りにしていたのは事実だ。他愛ない会話やしぐさ、やりとり、彼はいつも優しかった。私が緊張しているとどこからともなく現れて驚かし、笑わせ、励ましてくれた。落ち込んでいるとさりげなくそばに来て、親身になって話を聞き、慰めてくれた。彼は優しかった。最初からずっと優しかった。けれどそれは私にだけじゃない。私の方も、彼の存在を心地よく、頼もしく思っていながら、とくべつな感情を抱くことはなく、あくまで教師と生徒として接してきた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/pzhnhjdp.html" target="_blank" >片仔廣牛黄解毒片</a> <br />　――つもりだった。「先生」椅子の肘掛に手を添え、ぐっと身を寄せてくる。お互いの息がふれた。私はいっそう縮こまって沈黙した。無言でいなければ、何を口走ってしまうかわからない。お願い。早く。ここから出て行って。私のそばからいなくなって。「あぁ」低く掠れた、吐息のような声が耳元で響いた。肌が泡立った。「先生、こんなところにほくろがあるんだ。目元に、すごく小さいやつ。毎日見てたのに気づかなかった……」熱を帯びた、痛いほどの視線を感じる。「泣きぼくろがある人は涙もろいって言うけど、先生、学校では泣かないよね。でも先生の雰囲気に合ってる。すげー合ってる。良いと思う」沈黙を保つことが苦痛になってくる。自分で自分を守るように抱き締めた。<br />「先生、いつもそうやって心細そうにしてるから」肘掛に置かれていた手が浮き、何度かためらって、そろそろと動いた。頬を掠める指先に思わず身を竦ませる。私の反応に彼はいったん手を引き、また伸ばしてきた。今度は明確な意思を持って、ふれる。「なんでもしてあげたいって思うけど。顔見てたら、逆にもっと苛めたくなったりする。……ときどきね」言い訳みたいに付け加えた。「自分でも止められないから困ってるんだ。先生のせいだよ。どうにかしてよ。駄目とか言ってないで」冗談めかした、切実な訴えだった。私の言葉を待つ彼が黙ってしまうと、室内は無音になる。頬にふれたままの手は硬く、逞しかった。目を閉じ、感触に集中する。指先、関節、手のひら、体温。これが最初で最後だと思うと、想像以上に堪えた。惜しむ気持ちを押し隠して立ち上がる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/pdyy.html" target="_blank" >排毒養顔</a> <br />「約束があるの」彼の手を外し、暗い窓ガラスを見ながら話した。そこに、言うべき台詞が書いてあるつもりで。「私、お付き合いしてる人がいるのよ。仕事が終わったら迎えに来てくれることになってる。それから、二人で食事に行くの」「嘘だ」「本当よ。結婚の約束もしてる。だから、あなたの気持ちには応えられない。ごめんなさい」「嘘だ。信じない」言い切る彼の瞳は、けれど、不安や怯えを隠し切れないでいた。無意識なのか、私のカーディガンの袖をぎゅっと握り締めている。「ごめんね……」青ざめた彼の、絶望的な表情が胸に食い込んで痛い。謝ることしかできない私をひたすら見つめて、悪い夢なら覚めてくれと、一生懸命祈っているのかもしれない。　「先生、俺のこと好きって言った」――うん。言った。「そんな意味じゃなかったのよ。あなたはすごくいい子だし、たくさん助けてくれたから。それは感謝してる。とても」最初はただ、それだけのつもりだった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/nsbnsthg.html" target="_blank" >紐斯葆</a><br />　きっかけがなんだったのか。いつからだったのか。今となっては思い出せない。「あなたの気持ち、ずっと本気にしてなかった。あんまり簡単に言うから。今の子ってみんなそうなのかと思った。私が高校生の頃とは全然違うんだもの」「……本気にしてなかった？」彼はゆっくりと立ち上がり、震える声で繰り返した。「俺、簡単に言ってるみたいに見えた？」自分勝手に、一方的に、こんなに、こんなに、傷つける。許さないで。怒って。嫌いになって。お願い。早く。早く。私のそばからいなくなって。（俺、先生のこと好きだよ）（私もよ）何も知らなかった頃のように心のまま、応えてしまう前に。「誤解させてしまったことは、ほんとうに悪かったと思ってる。……ごめんなさい」俯き立ち尽くしていた彼は緩慢な動作で目元を拭った。「ひでー女」そのまま顔を上げることなく踵を返し、走り去った。バタバタと足音が遠ざかり、やがて聞こえなくなる。静寂が戻った。見下ろす靴先に、雫が数滴、散っている。目を逸らし、力の入らない腕でカーディガンの前を合わせて机に向かった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/niusibao.html" target="_blank" >紐斯葆OB蛋白痩身素</a> <br />「……寒い……」頬が冷たい。ぬくもりは消えていた。「早く終わらせて帰ろ」広げたままの提出課題の中から、彼の名前を探す。丁寧だけれどやや角ばった、男の子らしい字。目に焼き付けて、慣れておこうと思った。これから先、この字を見ても、彼の涙を思い出すことのないように。真っ直ぐな視線を、震える声を、思い出すことのないように。見つめるうちに、隅の余白に小さく、ともすれば見落としてしまいそうに小さく短く、一言だけ。問題とは関係のない質問が書いてあるのを見つけた。紅葉の下、俯いて歩く彼の姿が脳裏に浮かぶ。帰りの道中ずっと、どこか思い詰めたような、何か言いたそうな表情をしていた。――また一緒に行ってくれる？悩んで。迷って。とうとう最後まで口にしなかった言葉。今こうして書き残すことも、どれだけ葛藤しただろう。何度も消して書き直した跡がある。<br />　そんな思いを、これ以上ないくらい残酷に踏みにじったひどい女。本当にその通りだ。いっそのこと嫌な女だと詰られることを望んでいた。その方がまだよかった。その方が、きっと楽だった。……私が。震える指先を、紙の上で滑らせる。――いいよ。あのとき、あの場所でなら、きっと。目を閉じた瞼の奥。彼が笑っている。いつもの笑顔で、せんせい、すきだよと、駆け引きも何もなく、ただ笑って。「私もよ……」もう二度と伝えられない本音が、涙と一緒に零れ落ちた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/nanlu.html" target="_blank" >男露888</a><a name="more"></a>

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<title>溺愛シュガーハイ</title>
<description> 好きな人がいる。職業アイドル。十六歳、高校二年生。身長百七十六センチ、細身で華奢な美少年。少し挑戦的な目元は涼やかで、薄い唇から笑みがこぼれる様は、まるで少女漫画の王子様。性格はいたって温和。だけど少し悪戯っぽいところがあるみたいなのがまた素敵。二年前、某芸能事務所が開催したオーディションにて並居る強豪を打ち破り、アイドルグループＴＩＭＥの一員としてデビュー。芸能人と高校生の二束のわらじを履きながら、着々とファンを増やしている模様。 そんな彼の名前は藤本悟。先週ファースト写...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-03-10T19:17:23+09:00</dc:date>
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　好きな人がいる。職業アイドル。十六歳、高校二年生。身長百七十六センチ、細身で華奢な美少年。少し挑戦的な目元は涼やかで、薄い唇から笑みがこぼれる様は、まるで少女漫画の王子様。性格はいたって温和。だけど少し悪戯っぽいところがあるみたいなのがまた素敵。二年前、某芸能事務所が開催したオーディションにて並居る強豪を打ち破り、アイドルグループＴＩＭＥの一員としてデビュー。芸能人と高校生の二束のわらじを履きながら、着々とファンを増やしている模様。<br />　そんな彼の名前は藤本悟。先週ファースト写真集が発売したばかり。さて、どういうわけかその藤本悟と同じ高校、同じ学年、同じクラス、しかも座席は隣同士、という恐ろしいほどの幸運に恵まれて、毎日苦しいほどのときめきを抱えて死にそうな日々を送っているのが、工藤都紀。写真集は三冊（観賞用、保存用、人にみせびらかす用）予約して買った、生粋のアイドルオタク。いや、藤本悟オタクである。――アイドルだとかそうじゃないとかもう関係ない。都紀は藤本悟が好きなんだ。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/mgjcc.html" target="_blank" >魔根金虫草カプセル</a> <br /><br />　夕日が赤く染めた空を、カラスが一声鳴いて飛んで行く。貯水槽の影に座り込み、優雅に午後のサボタージュを楽しんでいた都紀は、西に傾く太陽を見ながら、大きな伸びをした。さて、そろそろ帰りのホームルームも放課後の掃除も終わっただろうし、教室に置きっ放しの鞄を取りに行ってさっさと帰ろう。立ち上がり、校則をゆうにぶっちぎった色々な意味でぎりぎりの長さのスカートのプリーツを整える。足取りも軽く貯水槽から飛び出そうとひょっこり顔をのぞかせたが、夕日に包まれた屋上の柵の際に人影を見つけて引っ込んだ。とりあえず都紀の所見ではただいま告白の真っ最中。こちらに背を向けた小柄な――と言っても、比較的長身の部類に入る都紀からしてだが――女子生徒と、彼女と向き合う男子生徒。あいにく逆光なので彼がどんな人なのかはわからない。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/santiniubian.html" target="_blank" >三体牛鞭--三體牛鞭</a> <br />　こんな状況で「はい、ちょっとごめんなさいよ」なんて出て行けるだろうか。いや行けない。青春真っ只中な二人を邪魔する権利なんて誰も持っていないのだから。というわけで、今は影の中でじっと息を潜めているのが大正解。断じて、野次馬根性というわけではない。本当だってば。「あ、あの、私、ずっと前からその……くんのことが好きで……それで、えっと……べ、べつに、つきあってほしいとか、そういうんじゃないんです。ただ、知ってほしかっただけで」ただ知って欲しいだけ。なんて奥ゆかしいことだ。おどおど言葉を続ける女子生徒に対して思ってしまう。さて、彼はどう返事をするのだろう。聞き耳を立てる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/heibeiwang.html" target="_blank" >超強 黒倍王</a> <br />「だ、だから、あの、ご、ごめんなさい！　忘れてください！」次の瞬間聞こえたのはかわいそうなくらい緊張しきった高い声。ちょっと待て、そんなタイミングでそんなこと言ったら、くっつくもんもくっつかないよ！　と内心突っ込む暇もなく、コンクリートを蹴る小走りの足音。後には男子生徒だけが残ったようだ。「……」気まずい。恥ずかしいのはわかるけど、せめて返事くらいは聞いて帰って欲しい。そろりと顔を覗かせる。早く帰ってくれないかな。すると人の気配に彼がこちらを振り向いた。「――工藤さん？」「さ……ふ、ふじもとくん」意味もなく彼の名前を呼んで、都紀は気まずさに引きつり笑い。まさかこの人がここにいるとは思わなかった。「ど、どしたの。こんなところで」見とれてしまいそうに鮮やかに、悟は整った顔に苦笑を浮かべる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/tbwys.html" target="_blank" >天宝五夜神カプセル</a><br />「ちょっと呼び出されたんだ。どうしよう、嫌なとこ見られちゃったかも」「えっと……見てない、から。大丈夫だよ」聞いたけど。「それにあたし、出版社に売ったりなんか絶対しないから！」「今時それぐらいじゃ出版社だって買わないよ」勢いで言うと、悟は少し表情を緩める。正真正銘の微笑みに今度こそ見とれた。「工藤さんって、やっぱりいい子だよね」「そう、かな……」いい子なんて言われ慣れてないから照れくさい。しかも発言者は好きなアイドルで片思いの相手だ。ニマニマしてしまうのをおさえられずにいると、悟が軽く首を傾げる。「どうかした？」「え、あ、な、なんでもない！　なんでもないよ、藤本くん！」これじゃあ浮かれているのがばればれだ。何か話題を別のところに持っていかないと。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sanjinguilin.html" target="_blank" >三金桂林西瓜霜</a> <br />「げ、芸能人って大変だよね。あ、ああいうことって、たくさんあるの」よりによって持っていった話題がそれか。「ああいうこと？」「その……告白されちゃったりとか」語尾がだんだんぼやけていく。ついあまり考えずに口に出してしまったが、これって気に障ったりとかしそうだ。嫌だな、気を悪くしたらどうしよう。小さくため息が聞こえた。「そういうファンレターも来るには来るかな。でも、直接言われたのははじめて」「へぇ……そうなんだ。なんか、意外」悟は屋上の柵にもたれかかって都紀へ視線を流す。この夕日が都紀の頬の色を上手にごまかしてくれますように。「どうして？」「なんか芸能人ってもっと、こう、激しい感じのがたくさん来るのかなーって」「全く無いってわけじゃないけどね。よっぽどひどいのは事務所で止めるみたいだし」思い出してうんざりしたのか視線を伏せる悟に慌てた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/xiangsilu.html" target="_blank" >徳国相思露</a> <br />「ご、ごめん、変なこと聞いた。芸能人ってやっぱり大変だよね」悟はゆるゆると首を振った。「工藤さんが謝ることじゃないよ。大変なのは否定しないけど」「……やっぱり？」芸能人、しかもアイドルという職業がただきらびやかなだけではないのはなんとなく少しだけわかる。「やっぱり、そうなんだ」呟くと、悟は少し表情を曇らせた。「――好きな子が見てくれるとは限らないっていうのは、辛いかな」「……え」<br /><br />　七つ目のタルトをたいらげて、ホイップクリームのたっぷり乗ったプリンへと手を伸ばす。口の中が甘い。吐く息も甘い。こんな食生活を続ければ、糖尿病へとまっしぐら。でもいいの。これはやけ酒ならぬやけ糖分だから。明日からはちゃんとご飯食べるから。口の中でさらりと溶けるホイップクリームを飲み込んで、甘く重いため息をつく。わかってるわかってる、よくわかってる。好きな子がいる。そんなの、当たり前のことじゃないか。別に特別なことでもなんでもない。都紀が悟に恋するように、悟も誰かに恋してるんだ。ベッドによりかかり、殺風景になった部屋を見回した。今悟に囲まれた部屋にいるのは辛すぎる。今まで集めたCD、DVD、写真集などなどには、しばらく押入れで眠ってもらおう。そう思いながら黄白色のとろけそうなプリンを味気ないプラスチックのスプーンですくった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dgxsl.html" target="_blank" >徳国相思露 液体媚薬</a> <br />　どんな、人なんだろう。あの悟が好きになるくらいだから、きっとすごい美少女だ。たとえば、そうだ、今やってる映画の主役を張ってるあのアイドルみたいな、華やかな美少女。「……あは。美男美女カップル」笑ってみる。空元気だ。言葉とは裏腹に飛び出てくるのはため息ばかり。ため息が、重い。<br /><br />　一晩明けて、立ち直るとまではいかないけれど少し心は落ち着いた。だけどなんとなく学校に行きたくなくて、うだうだうじうじワイドショーを眺めていたらおはようというにはちょっと遅い時間に起きた兄によって、弁当箱と一緒に家から叩き出された。しかたがないので自転車をとろとろ押しながら、普段の三倍は時間をかけて学校に行く。時刻はすでに五時間目の終了間近。職員室の遅刻者名簿に工藤都紀と殴り書き、折り悪くちょうど職員室でまったりしていた生徒指導からお小言をいただき、二年Ｃ組へ。もう六時間目の授業が始まっていたので、後ろのドアを静かに開けて、窓際二列目一番後ろの自分の席に視線をやって、瞬間逃げ出したくなった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/shengjing.html" target="_blank" >東方神龍</a><br />　いるし！　藤本悟！窓際の一番後ろの席で少し気だるげに頬杖ついて、ぼんやり黒板を見つめている。細い黒ぶちの眼鏡が嫌味なくらい似合っていて、ああ王子様は眼鏡をかけてもやっぱり王子様だ、とぽーっとしながら思った。すてき、すてき、今日もすてき。ああ、また惚れ直しちゃ……じゃなかった、惚れ直してる場合じゃない。今の心情にふさわしい効果音はどきん、じゃなくて、ずきん……っ（ハートが痛む音）だ。失恋、したんだから。胸がきゅんきゅん疼いて苦しい。そっと視線を外そうとがんばっていると、午後の授業に飽きたのか、ふと、悟が、こちら、に、顔を、向ける。目が、あった。悟、微笑む。<br />　都紀、たじろぐ。悟、唇だけでおはよう。都紀、黙ってドアを閉める。そのまま、屋上に向かってダッシュ。ぜーぜー息を切らしながらお気に入りの貯水槽の裏へ回り込み、腰砕けになって座り込む。耳まで燃えそうなほど熱いのは絶対走ったからなんかじゃない。どうしよう。どうしよう。わかってるのに、どんどん好きになっていく。抱えた膝に顔を埋める。溺れそうだ。この感情、どうにもならない。苦しくて苦しくて、肩が震えてどうしようもなかった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/qrjfth.html" target="_blank" >旗人減肥套盒</a>  <br /><br />「――さん、工藤さん」軽く肩を揺さぶられ、都紀は薄く目を開く。少しうとうとしていたみたいだった。そういえばゆうべあまり寝ていない。延々と直射日光に晒されていた頭は上手に回ってくれなくて、まとわりつく何かを払い落とすように頭を振る。「こんなところで何してるの？　倒れるよ」都紀を起こした人影が顔を覗き込んでそっと手のひらを額にあてる。少し低い体温が気持ちいい。長いまつげ、薄い唇、きれいなきれいな――。「ちょっとうとうと……っっっっっ！！」覚醒した頭に一気に流れ込んできた情報に、声にならない奇声をあげた。「ふ、ふじもとくん！　どうしたの、こんなとこで！」「それ、こっちのセリフだよ」なんとなく少し機嫌が悪そうだ。気まずい気分でごまかすようにへらへら笑うと、都紀を凝視した悟の表情がふと曇る。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dgzdb.html" target="_blank" >徳国 増大宝</a> <br />「……もしかして泣いてた？」「え？」「目、赤いよ」「あー……ちょ、ちょっと、虫歯がしくしく痛くって」わざとらしくほっぺを押さえて痛がるポーズ。われながらあまりにも嘘くさい言い訳だけど、とりあえずそれ以上の追求はなかった。「……そっか。様子がおかしかったから心配してたんだ」「……」罪悪感。大嘘つきだ。額が擦り切れて血まみれになるくらい土下座したい。後で必ず歯医者に行こう。「ごめんなさい、ほんとごめんなさい」思わず呟くと悟が少し怪訝そうにする。そして何か言いたげな雰囲気で都紀の隣をさした。「ねえ、隣いいかな？」返事をする間もなく腰を下ろした悟に、喉の奥で悲鳴を飲み込む。今の都紀にこの距離はちょっと近すぎる！心臓が口から飛び出しそうだ。近すぎる。ため息さえも鮮明に感じるような近さに、自分のドキドキが漏れていないか不安になる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/zengdabao.html" target="_blank" >増大宝V12</a> <br /><br />　――好きな子が見てくれるとは限らないっていうのは、辛いかな。「藤本くんの好きな子って……どんな子」不意にあの日の言葉がよみがえり、無意識に口からこぼれていた。悟は少し目を見開いて、けれどその次には、とてもとてもなんだかすごく優しく笑う。「いい子だよ。すごく」はにかんだ笑顔が胸に痛い。藤本悟にこんな顔をさせるなんて、その子はとんだ幸せ者だ。その子に対して憎らしいとか、妬ましいなんて感情は、湧いてこない。だけど、だけど。「……いいなぁ」「え？」こちらを向いた悟の顔から笑顔が消えた。「くどう、さん」整った眉がきゅっと寄る。「どうして、泣いてるの？」伸ばされた指先が、都紀の頬に触れる直前、ためらうように震えて止まった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/rongchanggangtai.html" target="_blank" >栄昌肛泰</a><br /><br />「工藤さん！？」気がつくとその場から逃げ出していた。決して背後は振り返らずに、きちんと並んだ白い階段を一気に駆け下りる。頭の中がぐるぐるしてる。どうして逃げ出したのか自分でもよくわからない。だけど、とにかくあの場からいなくならないと、と思った。耳の奥で鼓動がうるさい。心臓がそこにあるみたい。乱れる息を無理やりつなぎながら都紀はひたすら走った。走って走ってずっと走って、何度目かの踊り場を駆け下りて、スカートをなびかせながら片足を軸にくるりと体をひるがえす。その瞬間視界の上の端の方、ちらりとなんだかすごくありえない光景を見た気がした。「工藤さん！」あれ、と一瞬足が止まる。どうして悟が。妙に思いつめたような顔をして、息を切らしながら。明らかに都紀を追ってきている。気づいた途端に足がまた動き出していた。逃げ足の速さだけなら自信がある。最後の五段を一気に飛び降り、ちらりと背後を振り返る。階段を降り始める悟を視界に映して、もう一度床を蹴った。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/gjdhwnsw.html" target="_blank" > 杞菊地黄丸 </a> <br />「工藤さ……あっ！」背後で狼狽した悟の声が聞こえた。思わず振り返った都紀が目にしたのは階段を踏み外した悟の姿。傾く体、手すりを掴み損ねてもがく指、見開かれた目。窓からさしこむ夕日が宙に舞った悟を照らして、まるで教会のステンドグラスみたい。ああ、まるで夢のよう。本当にきれいで口をぽかんと間抜けに開けて、悟から逃げていたことさえ本気で忘れて思い切り見惚れた。ああ、美形ってやっぱりどんな状況でも美形なんだ――。じゃなくて！「悟君っ！！」思わず反射的に、落下する悟に向かって腕を伸ばしていた。「受け止めるからっ！」「やめっ……！」と、大見得を切ったはいいけれど、いくら無駄に身長が高くても体力体格その他諸々は至って平均的な都紀が、いくら細身で華奢なつくりをしているとはいえ、健康な高校二年生男子（＋重力）を受け止めきれるわけもない。ぶつかった衝撃で都紀は崩れて、二人はそのまま勢いでもつれあうように転がりながら、硬いコンクリートの壁にぶつかってやっと止まった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/txwqh.html" target="_blank" >天仙丸7号</a> <br />　腕だの肩だの腰だの背中だの、ぶつけまくった体のあちらこちらが痛くて思わず呻く。重しが載ったみたいに体が重い。重し、重しが。重し！？　違う、これ重しじゃない。投げ出された都紀の上に悟の体。言い方を変えると、悟の下に都紀の体。まるで押し倒されたみたいな、ちょっとやそっとじゃ経験できない密着状態。誰かに見られたら確実に誤解されるとか、全国の藤本悟ファンに確実にたこ殴りにされるとか、そういう問題じゃない。このままだと都紀が死ぬ。動悸息切れその他諸症状で！だって、本当にやばいんだ。シャツ越しに感じる体温とか、耳元で聞こえる掠れた吐息とか。「も……だめ」このまま死ぬのもこれはこれで幸せかも、と思い始める頃悟がゆるゆる体を起こす。こちらを気遣うような物憂げな悟の表情。床に転がったままそれを見上げ、うっとりしながら吐息を漏らした。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/txwsh.html" target="_blank" >天仙丸3号</a><br />「工藤、さん、怪我は」怪我？　そうだ、けが。怪我。「怪我！　悟君大丈夫！？　怪我！　どっか怪我！」腹筋の力で飛び起きて、座り込んだ悟に詰め寄る。「平気！？　どっか痛くない！？　どこも平気っ！？」都紀は別に平気だ。あざを作ろうが骨を折ろうがどんな怪我をしたって別に平気。だけど悟には、悟にはたとえ擦り傷一つ負わせちゃいけない。「工藤さんこそ……立て、る？」「うん、あたしは平気。大丈夫だから」明るく笑うと、立ち上がった悟が都紀に向かって手を差し伸べる。これは、その、その手に掴まって立ち上がれ、ということか。「あ、あ、あ、ありが、と……」口から飛び出そうな心臓を必死になだめながら、線の細い悟の手を取る。ああ、生きててよかった。今は辛いけど生きててよかった。軽く腕を引かれ、右足首に力を込める。その途端――。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/txwlh.html" target="_blank" >天仙丸6号</a><br />「いっ！」鋭い痛みが右足を駆け抜け、その場にへたりとくずおれた。「どうしたの！」「……ひねった、みたい。で、でも、たぶん、うん、だいじょうぶ」えへへと悟に向かって笑ってみせる。「大丈夫じゃ、ないよね」「ううん、全然平気！」脂汗が浮いてるのはきっと気のせいだ。「嘘だ」「平気、平気平気、あたし強い子！」「立てないのに？」「……」「痩せ我慢したっていいことないよ」「……いたいです。すごく」脂汗はやっぱり気のせいじゃない。激痛が脈拍にあわせて襲ってくる。これはちょっと洒落にならないかも。「肩貸すから、保健室行こう」かがみこんだ悟の肩にためらいながらも腕を回した。近すぎる体温に息が止まりかける。なんとか左足だけで立ち上がり、間近の悟の顔をちらりと見上げた。「大丈夫？」耳元で直接聞こえる声はＣＤなんかと違って心臓に悪い。このどきどきがどうか悟に伝わらないように。心の中で祈りながら保健室へと向かった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/tianranshanyang.html" target="_blank" >天然山羊の眼</a> <br /><br />　放課後の保健室、一般生徒の帰宅時間と部活終了までのぽっかり空いたエアホールみたいな時間帯、頼みの綱の先生は今日は一年生の遠足の引率で鎌倉まで行っている。いなくてもいい時にはいるくせに、肝心の時に限っていないなんて。ああ、なんて間が悪い。黒いビニールクロスの長いすに腰掛けたまま本気で死を覚悟する都紀だった。「あ、ああああああああああの、あたし、これくらいなら……！」「動かないで、もうすぐ終わるから」誰もいない保健室で四苦八苦しながら裸足になると、右足は真っ赤に腫れ上がり、自分で言うのもなんだけどすごく痛々しい有様だった。どう考えてもこの状態で自転車をこいで帰宅するのは無理なので、家に電話をかけて迎えを頼んだ。保険証も持ってきてって頼めばよかったなんて思いながら迎えを待って座っていると、なぜか都紀の足元に座り込む悟。たじろぐ都紀に苦笑して、「大丈夫だよ、痛くしないから」なんておっしゃった。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/ssdy.html" target="_blank" >痩身の語 第三代</a><br />　いや、痛いとか痛くないとかって問題じゃない。のけぞってきつく目を閉じて、足をそっと支えて持ち上げる体温や、怪我を避けて優しく触れる指の感触にひたすら耐える。嬉しいんだか苦しいんだかわからない。だけどこの思い出にすがって都紀は一生生きていける。――嘘。「ごめん、痛かった？」腫れた足首に包帯を巻き、都紀の眉間によったしわに目をやってつぶやく悟。「……だ、だいじょぶ、です」のけぞったまま頬を赤くして熱に浮かされたようにつぶやいた。だめ、心臓が飛び出る。都紀の隣に腰を下ろして悟は何かを考えるように視線を伏せる。「ごめん、ね」苦いものをこらえるような声に都紀は困って悟を見る。「えっと……なんのことでしょうか」「泣かせて、怪我までさせちゃって。ほんと、ごめん」「そんなのっ、全部あたしが勝手にやったことだもん！　全然平気、悟くんが気にすることじゃないってば」慌ててまくしたてると、突然悟が顔を上げた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/nycqkfy.html" target="_blank" >神奇女用催情口服液</a> <br />「名前」「……なまえ？」「どうして、名前呼んでるの」……あ。墓穴掘った！「な、なんでもない！　せっかく同じクラスなんだし、いつまでいつまでも他人行儀なのもなんだかなーって感じだし、ちょおっとフレンドリーになってみようって思っただけ！　べ、べつに頭んなかじゃいっつもさとるくんってハートマークつきで呼んでるとかってわけじゃないから！ ＴＩＭＥのファンクラブとか入会してないし、ＣＤとか写真集とか全部持ってるとかじゃないから！　ましてや、悟くんのこと恋愛対象として大好きです、なんておこがましいこと全っ然思ってないから！」もはや自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。悟はなんかぽかんとした顔で都紀を見ているし、もう最低、泣きそう。美形ってやっぱこんな表情させても美形なんだ。じゃなくて。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sdcbppg.html" target="_blank" >蛇胆川貝枇杷膏</a> <br />「今のって」悟の声が妙に真剣なのが居心地悪くて、顔をそらした。さっきの発言が、墓穴どころか自分からその中に飛び込んで土をかけて踏み固めちゃったくらい、色々大暴露していることくらい自分でもよくわかっている。これからどんな顔して悟と顔を突き合せればいいんだ。悟に恋をするだけでも申し訳ないのに、いつも見てます、大好きです、なんてストーカーじみたことまで言ってしまうなんて。ああ、大体好きな人がいるっていうのにこんなこと言われても困るだけだろうに。ぐるぐるぐるぐる、あまり回転数のよろしくない頭で悩む。「その……ずっと見ててくれてたってことで、いいのかな」確認するような悟の言葉にやけっぱちな気分でうなずく。後はもうどうにでもなれ。引かれようがなんだろうがもう覚悟はした。キモイでもキショイでも、悟が言えばきっとすてきな言葉に聞こえるはずだ。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/shancunpian.html" target="_blank" >善存片</a> <br />「だったら、すごく嬉しいんだけど」自分の耳を疑った。「あ？」思わず真顔。予想していないことに直面すると、人間って固まるんだ。「……なんで」もしかしなくてもファンサービス？固まったままつぶやくと、悟の視線が少し揺れる。長いまつげがアンニュイな感じに伏せられる。あ、きれい。ためらうような短い沈黙。「やっぱり、好きな子が応援してくれてたら嬉しいと思わない？」今、とんでもなく都合のいい、めちゃくちゃな幻聴を聞いた気がする。まさかね。きっとこれ夢だ。本当は階段を踏み外した悟とぶつかった時に、どこかに頭でもぶつけたんだ。それで元から締まっていたかどうかもあやしい頭のネジが二、三本抜けて夢でも見ているに違いない。試しに立ち上がってみよう、夢だからきっと痛くないはず。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/scdwysp.html" target="_blank" >善存多維元素片</a><br />　せーの！「あ、バカ！」「いっ！」痛かった。そんな都紀をあざ笑うように。ものすごく痛かった。なんだよ、やっぱり痛いじゃん。夢じゃないじゃん。「何、やってんの」「……夢だから、きっと痛くないと思ったんだけど」けげんそうな表情がイタイ。痛いじゃなくてイタイ。ニュアンス的に。「だ、だって、言ってたじゃん。好きな子、いるって」悟が目を見開いた。「工藤さんって……」「な、なに」「……何でもない。気にしないで、――都紀ちゃん」「……」都紀ちゃん、つきちゃん、つ、き、ちゃ、ん。ああ、やっぱりこれ夢だ。試しにもう一回立ち上がってみよう、今度はきっと痛くないはず。せーの！「いっ！」「バカ！」夢みたい。夢じゃないけど夢みたい。呆れたような悟の笑顔が嬉しくて、なんだか泣きそうな気分になった。ああ、溺れそう。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/sanyejianfeicha.html" target="_blank" >三葉減肥茶</a><a name="more"></a>

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<title>あなたを逃して、愛を逃します</title>
<description>秋は個が恋愛をする季節に適するので、私はたくさん望んで期待することがあって、しかし更に多くのは私の感情に関してです。 この時にひとしきりの秋風が頬に吹いて少しも物寂しいことと感じて、この静かな夜を見ていて、私の心は落ち着いていることができません。しばらくとても感慨を覚えて、たくさん自分に関して思うことができ(ありえ)ます。私は自分が結婚に適しないと感じます。ずっと単身を想像しています。どうして？腹の中はだらける魂を持っているかもしれません；に従ってつけることが好きかもしれませ...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-03-04T17:33:09+09:00</dc:date>
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秋は個が恋愛をする季節に適するので、私はたくさん望んで期待することがあって、しかし更に多くのは私の感情に関してです。 <br /><br />この時にひとしきりの秋風が頬に吹いて少しも物寂しいことと感じて、この静かな夜を見ていて、私の心は落ち着いていることができません。しばらくとても感慨を覚えて、たくさん自分に関して思うことができ(ありえ)ます。私は自分が結婚に適しないと感じます。ずっと単身を想像しています。どうして？腹の中はだらける魂を持っているかもしれません；に従ってつけることが好きかもしれません；一人の生活にも慣れるかもしれません。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/nb.html" target="_blank" >男宝 ナンパオ</a>  <br /><br />私は過去を考えていて、愛情か？私はありますか？私は絶えず自分に聞いて、私のこの生涯がすべて更に愛情があることがあり得ないと心の中で考えました。私はどのように努力してすべてそれを近付きますかます持つことができないのに関わらず、私のこのような男の人のようかもしれなくて、本当に女の人が愛に行くことに値しません 。 考えは私をその年代に持ち帰って、あの時私はよく1時(点)ぼんやりしている感じがあることに対して、あのようなはとてもあの人に会いたくて、それなのに恐らくあの人に会って、こっそりともしかすると彼女も私が好きだと思って、 私は1人の内気な男の子で、沈黙はもしかすると私のその時最もよくある状態で、敬慕する女の子が各種の幻想を持っていることを眺めて、 突然喜んで突然悲しみます……<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/glxgs.html" target="_blank" >桂林西瓜霜</a><br /><br />若香はとてもきれいな女の子で、はっきりしていて白くてきれいな皮膚を持っていて、目のとても大きいまつげはとても長くて、 とても長い容姿端麗で有能はずっと肩まで(へ)垂れます ，精巧な体つき、顔はいつもとても甘いほほえみを掛けていて、とても映画スターのようです：霍思燕。一回彼女の第に会う時、自分の動悸を感じるのが突然不規則になって、まるで腹の中で15匹のウサギを詰めているのが心が混乱して、あれは今までになかった感じです。あれは私がちょうど会社に着いたのです 時 ，私は食堂で並んで食事をして、突然女の子は私で挿し込む前に生産隊に入隊して、動作のため速い原因はすぐに私の足の上で踏んで、私の痛い呼ぶこと：あなたはどうして私を踏みますか？彼女は私が一目でちょうど発生する事が彼女と関係がありませんようだますを見て、ご飯を打ったことがあって私が着席して彼女まで(へ)面と向かいますじっとしています 非常に腹を立てたのは彼女を見ています ，私は彼女を謝りただたいだけ 。 彼女は私が言うことをちょっと見ます：すぐにあなたを踏まないで、あなたは踏んでき終わって、足を私のそばまで(へ)伸ばすと言って、私は豪快に遠慮しないで彼女の足の上で踏みました。このようにして私達知りました。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/glgwsjp.html" target="_blank" >亀鹿睾丸生精片</a> <br /> <br /><br />    事務室に帰るのは私が同僚にその女の子を聞きます誰で、同僚は私に彼女が私達のBOSSの文員なことを教えて、私は今回面倒をかけることができると思って、後で食べる苦しみがあります。当日に私は彼女の報復に遭いました：一部のファイルは私はコピーしなければならなくて、私はふだんのようにコピーに行って、彼女は私の目の前に来て聞いて、あなたは新しく来るのです の ぽきんか？正しいです、ちょうど一週間まで着きます。あなたはコピーが訴えるファイルを受けて申請しなければならないことを知っていますか？これは私はまだ知りません。先に申請を書きます！私が書いてコピーすることを申請することを待ちます時、彼女は、あなたは複写機を使って登録しなければならないことを知りませんか？とまた私の目の前に来て言います。私はまた彼女に走ってそこに登録をしっかりと行って、メモ帳を開けて発見するのは空白ので、私は彼女がかけらを探していることを知っていて、ようやくファイルをコピーし終わって、私は大丈夫で帰らなければならないと思って、彼女に居住を叫ばれます：帰って来て、何組コピーしてどのように書いていません。私はまた書いて、5分のしっかりと行うことができる事はふだん私は半余り時間を使います。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/guibw.html" target="_blank" >亀鼈丸</a><br /><br />    会社で彼女はきれいなのが人の眼球の女の子をくくるので、彼女の男の子を求めて本当に“滔々としている江水に似通って連綿と続いて絶えないで、またもし黄河は氾濫してますます収拾がつかなくなるならば。”不思議なのは、それでは数人は彼女を求めて、彼女は意外にもひとつすべて気に入っていないで、ひとつひとつすべて彼女に拒絶されました。実は、私は第1回が出会って彼女に好きになってから、しかしこのような情況を見て、私は退却して、私は女子学生を求めたことがあることがなくて、もし若香ならばに 断って、私は面目がないで会社で混じりました。  <br /><br />    若香について ，この私の第1回の愛する人、私は側で彼女に関心を持つことしかできなくて、このように私が感じるのもとても幸せで、少なくとも毎日すべて自分の好きな人を見ることができます。残念ながらよいことは長続きしないで、半年ならないで、 若香 ひとつと宋を飛び回って小さく無為に過ごして恋愛をさせました、あの男の子の長いいっぱいな帥の、どんな能力がない、更に平常外でけんかしてなぐり合って、聞くところによると会社に入ってそれとも彼の１つの親戚に頼って(寄りかかって)関係して、このような一人、聞くところによると意外にもまだです 若香 主導的な立場の追求の彼。私はいまだかつてない不思議に思うことと感じて、特にあれら以前は 若香 拒絶する男の子、彼らはすべて不満します。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/gxyl.html" target="_blank" >正骨水</a>  <br /><br />その時私もたいへんなくして、私は本当に仕方がなくてこのような事実を受け入れて、ちょうどあの何日間このニュースのを知っていて、私は同様に魂をなくしましたそうで、どうして事はすべて元気が出ないで匹、水を飲むのさえ塞ぐのが慌てると感じます。愛する人の他の人での胸を見たくないため、私は逃避を選んで、ほどなく私はあの会社を離れます。 <br /> <br /><br />時間過ぎたのはとても速くて、またたく間に2年で、 若香の名前はだんだん私に少しずつ忘れられました。いくらかの日は前私は何同僚と一緒にバーに行って同僚のために誕生日を祝って、ちょうど私達の遊んだ喜ぶこと時に、私の眼光は１つの地方に転向することが気がなくて、思わず大いに驚いて、あの上で鋼管のダンスの女の子を跳んで、若香であるようです ……ふと見ると彼女はきわめて暴露する服を身につけていて、厚化粧をして、その時感動して向こうへ行って彼女を見分けて、私はこのようにする過去は若香がとてもばつが悪いことを譲ることができ(ありえ)たいです。1曲が跳び終わることを待って、私はバックグランドに突き進みました。 若香は私を見て、目は開くのが円、彼女の表情は私に教えて、私は本当に過ちを認めていない人です。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/gongxiening.html" target="_blank" >宮血寧</a> <br /><br />若香はまだそんなにきれいで、彼女と比較して、周囲のすべての女の子はすべてそんなに暗いことに見えて、彼女は私が見えて、ただ淡く微かに笑いますと、上着を着ながら、と私は話をします。もとは、彼女は私で会社を離れてほどなく会社から出てきました。彼女の竟会が踊り子になることを思い付かなかった。私達の隻談何分、彼女の片付け終わったものは私と別の１つの場所に急いですぐ歩くと言って、慌ただしい私達は意外にもすべてお互いに連絡方法を残すことを忘れました。 <br /><br />    私にとって、若香との偶然に会うこと、ひとしきりの荒れ狂う風のようで襲ってきて、打つのは手元(体)にひとしきりの大きい痛みで、あとで残していないで私に彼女のいささかの痕跡を思い出させます。私はそれから以前は会社の同僚は知っていて、もとは私で会社を離れてほどなく妊娠して、この時に宋は飛び回って別の1人の女の子に好きになって、非情なのは彼女を振って、彼が個が無為に過ごすのなため、若香もどうすることもできません。間もありません 若香 会社をも離れました。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/cpccj.html" target="_blank" >垂盆草沖剤</a> <br /><br />若香がこのような経歴があることを耳にして、私の心の本当に良い痛み、私は黙々としてのは彼女のために祈ることしかできなくて、もし天に昇るならば本当に神霊がいて、この可哀相な女の子を守ってくださって下さい。 <br /><br />続けざま 何 日は私はすべて夜眠ることができなくて、多くの夜の後で、私は彼女を探すことを決定します。もし彼女は彼女が弁明します2年前に弁明するべきな愛に彼氏がないならば。晩、私は彼女の現れたことがあったあのバーに来て、若香の台の上で一生懸命努力している出演を見ます。私は位置を探しておりて、私は彼女の出演を見る気持ちがない、彼女の出演の朝食が終わることを望みます。態度 ちょうど 私がバックグランドに行って彼女を探して彼女がすでにいなかったことを終えて、私はバーの扉の外に彼女に走ってタクシーの中に座り込んで、私はちょうど彼女の名前を叫んで、タクシーの飛ぶように速いのは離れて行って、私はまたようやくやっとそこに若香の電話番号まで(へ)バーのバックグランド1人の従業員に帰ります。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/fukeqianjinpian.html" target="_blank" >婦科千金片</a> <br /><br />私は動かして若香の電話を通して、えさをやって、こんにちは！１つの耳に心地良い音。若香ですか？私は呉夜です。彼女は言います：はい、私はまた用事(事件)があって、過ぎて更に雑談することができ(ありえ)て、停電する話に掛かると言います。 <br /><br />    夜明け方に私の携帯電話は鳴り響いて、若香の電話で、彼女は聞きます：私を探して用事があるか？私は言います：私はあなたと地方を探して単独で話すと思っていますか？彼女は言うことをためらいました：いいでしょう！私は左岸にになります。私の左になる岸はひとつが服装を暴露して妖艶な女の人に着飾って1枚の単独の位ですることを着ることを見ます 置きます 上たばこを引き出して、私が彼女の目の前に来るのは若香です 。あなたは変わって、私は言います。あなたはかまうな、彼女は多少いらいらして言います。どんな事を出しましたか？私は聞きます。私は私の苦痛を減らすことができると言いましたか？彼女はたばこを吸いながら、言います。私はあなたを手伝うことができるかも知れなくて、私は深く見ています 彼女 言います。彼女の底の下、たばこを1口吸って話をしていません。あなたの今過ぎたどのようなことか？私はまた聞きます。彼女はすこし笑って言います：あなたはすべて見ませんでしたか？ある人はあなたを配慮しますか？彼女はかえって大きい目を開いて私を見ています。 私はあなたを配慮したいです ， 私がぐいっと彼女の手を捉えると言ったことがあります 。彼女 力を入れて私から手に抜け出してくる、わざと私の目つきをよけたことがあります 言います：遅くなりました。 若香，私はあなたを愛します！私の深い情の言うこと、彼女は杯をテーブルの上の杯を捕まえます 子の中 酒はすべて私の頭の上に着きます あっという間に立ち去ります。私は追っていないで、意義がないためです。それから私は二度とこの都市で彼女に会ったことがありません。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/fuzhifang.html" target="_blank" >負脂肪Exilis250</a>  <br />  <br /><br />    間もなくて、私は彼女のの手紙を受け取ります： <br /><br />夜、 <br /><br />    このように呼んであなたが許すかどうかを知らないで、あなたがこの手紙を受け取る時、私はすでにこの都市を離れて、永遠に離れます。私は本当にとてもうれしいあなたはまた私を覚えていて、また私を愛することを言えます。あなたと言ったのはすべて胸の真ん中の中の話で、実は、私からちょうどあなたを見る時、私の心の中はあなたを入れて、あなたを除いて、このようにする長年、私の心は二度と第2人を詰めたことがありません。あなたの第に会って一方では、私はあなたが好きで、あなたの眉はそんなに濃くて、鼻筋は高くて、どのように形容することを知らないで、要するにあなたがまるで似ていて日光が見えたことが見えます。あります、あなたがいつ服を着るのがすべてそんなに重んじて、あなたはよく話をしませんますが、事をしてきちんとしていて、私はしかし口に出せないのはあなたが好きで、しかしあなたはこれまですべて私と多くひと言を言いません 。 私はあなたが私が嫌いなのではありませんかを知りません ，そこで私はわざと食堂であなたの足を踏んであなたの注意を引き起こしたくて、もちろん後の仕事の中でわざとあなたの切り株を探す私があって、しかしあなたは決して気にとめることができません 。それから、私の選択と宋飛翔 いっしょに ，彼であなたを怒らせたくて、あなたを見てみて私を気にかけるかどうか、今私まで(へ)も本当に彼が好きなことがあるのではありませんかにはっきりしていないで、しかしどのくらい過ぎていないで、私は彼に侮辱されて、私は本当に彼を殺したくて、彼に訴えるとも思ったことがあって、彼が悪くないことを考えてみることができて、人 長いのとても 帥、私に対して また 良くて、 家庭は悪くなくて、 私はよく彼とこの生涯を決定して、それから私は彼が多くの女の人がいることを発見して、私はしかしすでに私は彼の子供を抱いて、彼が知っていたことを思い付かなかった後に締めないで関連しません 心 私、また私を殴って、私にどうして彼の子供を抱いてまだ彼に教えないことを聞いて、私は一気にして子供を落として、彼を離れました。私はたぶんあなたを探して、私の心の中はずっとあなたを気にかけて、あなたの会社の入り口私に来てあなたと1人の女の子のフォアハンドが引っ張って着手が見えて、私は離れることを選んで、私が私があなたを補充できないことを知っているため、あなたを心の中で埋蔵することしかできません。生活の私ののの行くことため 仕事を探して、あなたは1人のまったく寄る辺がない人がこの都市で1部の仕事を探し当てるのがどんなに難しい事なことを知っていて、１つの偶然の機会私 踊り子をします 。 私は本当に意外にもそのような場所はあなたに見ることができ(ありえ)て、私の心の中は本当に刀を削っているようです。その日の晩私実はべつに別の公演でありません、ただ私は本当に面目がないであなたの目の前に立って、慌ただしい歩くこと。その日から、私は毎日晩にすべてあのバーに行ってダンスをして、私はどうして心の中がとても矛盾していますを知らないで、一方では思っているのです 会います あなた、一方は私はまた恐らくあなたに会います。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/gyc.html" target="_blank" >福源春 女性用媚薬カプセル</a> <br /><br />    あなたが私を探して言うことができ(ありえ)ることを思い付かなかった：私はあなたを愛して、私はあなたのこの解答を得て、私はすでにとても満たしました。 私は本当にとてもあなたに対して言っていないことを後悔します：私はあなたを愛して、私は本当にとてもあなたが好きで、心の底から。私 この生涯、十分に生きて、本当に何の意味もありません ， 来世もし私はきっと1人の勇敢な人をするならば、勇敢な言うこと&#8212;&#8212;夜、私はあなたを愛します！ <br /><br />2006年8月2日 <br /> <br /><br />    手紙を見ていて、私の目は涙が流れて下りてきて、手紙を見終わって私がすぐ若香の電話をかけて、つないで聞く人がない、そこで私は警察に通報しました。警官は翌日私に死体を見分けさせて、警官は言います：私達は昨日1家のホテルを受け取って警察に通報して女の人このホテルで死んで、私達が検査にした(作った)ことがあって彼女が属して自殺して、量を過ごす睡眠薬の招く死亡を服用するのです。私が泣きたいと思うのは音声がありません。誰を責めることができますか？私達がすべてただあまり勇敢でないだけであることを責めて、やっと双方を逃すことができ(ありえ)ました。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/fenliuguafu.html" target="_blank" >風流寡婦(フウリュウカフ)蒼蝿粉</a> <br /><br />自分がいつやっとこの感情を出て行きますかを知らないで、 しかしこの感情は私の心にいっしょに深く傷跡をかきました。身の回りを見ている人はみな恋愛して、 結婚、 私はますます寂しくなりもっと来てますます夜の感じが好きで、もしかすると夜やっと本当に私に属します。 <br /><br />数年、私はずっと一人はこの都市の中にいます。身の回りはいかなる人がありません……<a name="more"></a>

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<link>http://ryokuzai.seesaa.net/article/114789974.html</link>
<title>トマト</title>
<description>「総一くん、これをあげるわ」 僕より四つ年上の彼女は、いつも僕の兄の名に因んだ縞模様の着物を好んで着ていた。「貿易商の伯父が種をくれて、私が育てたのよ。欧羅巴だか亜米利加だかの野菜なんですって。私はまだ食べてないんだけど、美味しいかしら」 玄関先に訪れた彼女がそう言って僕の手の平に落としたのは、真っ赤な菜果だった。形は柿に似ているがヘタは細くて深い緑色をしていて、熟れた無花果のように柔らかい手触りに、ぷっくりとした張りがある。「変なの」 澄んだ菜果の艶を見つめながら憮然と呟く...</description>
<dc:subject>日記</dc:subject>
<dc:creator>chinaseiryokuzai</dc:creator>
<dc:date>2009-02-25T13:22:03+09:00</dc:date>
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「総一くん、これをあげるわ」<br />　僕より四つ年上の彼女は、いつも僕の兄の名に因んだ縞模様の着物を好んで着ていた。<br />「貿易商の伯父が種をくれて、私が育てたのよ。欧羅巴だか亜米利加だかの野菜なんですって。私はまだ食べてないんだけど、美味しいかしら」<br />　玄関先に訪れた彼女がそう言って僕の手の平に落としたのは、真っ赤な菜果だった。形は柿に似ているがヘタは細くて深い緑色をしていて、熟れた無花果のように柔らかい手触りに、ぷっくりとした張りがある。<br />「変なの」<br />　澄んだ菜果の艶を見つめながら憮然と呟くと、彼女に頬を突つかれた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/duoleshi.html" target="_blank" >多楽士コンドーム 潤滑型</a> <br />「お礼は？」<br />「…………ありがとう」<br />　子供扱いをする彼女に釈然としない物を感じながら礼を述べると、それだけで彼女は満足そうに微笑む。<br />「じゃあ、こっちは縞の分。ちゃんと渡してね」<br />　空いている方の手にもう一つの菜果を手渡すと、彼女は他の友人にもあげるのだと言って去って行った。<br />　たったこれだけの用の為に、わざわざ家にやって来たのかと思うと、少し呆れる。高台にあるこの家に来るには、気が遠くなるような石段を上がらねばならないというのに。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/didou.html" target="_blank" >迪豆 DIDOU</a><br />　彼女を見送ったその足で、勝手へと向かう。<br />　板間は少しひんやりとしていて、土間から更に漂ってくる冷たい空気に身震いをする。誰もいない台所でまな板と包丁を取りだし、菜果の一つはまな板の上に、もう一つの兄の分はまな板の傍らに置いた。そして、僕は僕の菜果に包丁を向ける。<br />　優しく膨らましたシャボン玉のようなそれにゆっくりと刃先が入れられ、けれど、そのシャボン玉は弾けることはなく、代わりに――真っ赤な血を流した。<br />　背筋を無数の冷たい毛虫が這い上がるような気がして、あまりに赤いその色にどぎまぎしてしまう。外見だけでなく中身までもが真っ赤な食物を、僕は肉以外に知らなかったのだ。<br />　種を包んだ腸は膠状に固まりかけた血液その物で、赤い液体を垂らす包丁を握った手に人殺しの気持ちを思い知らされる。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dilebxie.html" target="_blank" >迪ふ楽不泄カプセル</a> <br />　その果汁の色と抱いてしまった感想に辟易して、後退る僕は傍らに置かれた兄の菜果を肘で突いてしまった。<br />　危急に気づいた時にはすでに遅く、菜果は受け止める間もなく床板に叩きつけられ潰える。赤い飛沫が舞い、僕の頬に恨みがましく張りついた。<br /><br />　その日の夜、兄が彼女との婚約を告げた。<br /><br />　僕は頭まで被った布団の中で、押し殺したような咳を繰り返す。無理矢理吐き出したような咳に、喉が酷く渇いた。<br />　布団から頭を出して、枕もとの盆に置かれた水差しに手を伸ばして起きあがる。ガラスの杯に水を注ぎ、口に含むと寝癖のついた髪を撫でながら溜息をついた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/deguoqingren.html" target="_blank" >〓国情人 粉剤</a><br />　昔から僕は気管支系が弱く、喘息で生死の淵をさ迷った事もあった。東京から空気の綺麗なここへ預けられたのは、まだ七つの頃。ここは、父の今は亡き恋人の住まいにして、父の妾宅。妾腹の兄が住む家であった。<br />　杯を盆の上に戻すと、寝巻きの乱れを正し、掛け布団の上に置いていた羽織を肩に掛ける。<br />　畳を這うように文机に近付き、その上に置かれた一通の手紙を手に取る。真っ白いだけの素っ気無い封筒。表には大庭総一の文字があり、裏には父の名があった。中には東京行きの汽車の切符と、父からの簡素な手紙。<br />　――縞の祝言が終わり次第帰って来い。<br />　ブルーグレーの万年筆が冷たく別れを突きつける。そう、今日は兄と彼女の祝言の日なのだ。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dbmr.html" target="_blank" >大宝美容日霜</a><br />　僕は膝を抱え、文を見つめる。母屋の浮き足立つような華やかな喧騒が微かに聞こえてきて、この笑い声は彼女の伯父だろうか。<br />　咳が出て熱っぽいとはいえ、無理をすれば祝言の席にも出られただろう。いや、無理をしてでも出席すべきだったのだ。そうして、皆と共に慶ばしい席を祝うべきだったのだ。<br />　けれど、それはどうしても出来なかった。<br />　紋付袴の兄の隣で、綿帽子の下から微笑む彼女の姿を見れない。心底見たくないと思う。涙が出る程いとおしい気持ち。<br />　広げた手紙を折って封筒に戻すと、切符を手に取ってみる。それを眺めながら、インバネスコートの仕舞い場所と汽車に乗る手筈を思い浮かべた。<br />　雪見窓の向こうに広がるのは、鮮やかな紅葉の錦。紅と黄の落ち葉は砕かれた林檎を敷き詰めたようで、縞模様を着だす前の彼女を思い起こさせた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dabao.html" target="_blank" >大宝美容晩霜</a><br />　池の中では赤と白との斑の鯉が泳ぎ、水面の紅葉を揺らす。<br />　あの日、切り殺され潰えた菜果を、自分はどうしてしまったのだろう。頬に掛かった血のなめらかさばかりが残って、噛締めた思いを思い出せずにいる。<br />　そっと障子を開け、庭の沓脱石に素足を下ろす。ひんやりと冷たくて、足の裏に楓の葉が貼りついた。<br />　池を挟んだ向こう側に母屋の渡り廊下が見えて、思わず息を呑む。<br />　決して見たくないと思っていた。けれど、見てしまってはもう仕方がなく、居ても立ってもいられない。朝露も乾き切らぬ落葉の上を走り、足の爪に濡れた黒土が入り込み、指の間に紅葉の細い葉が絡む。<br />　母屋の渡り廊下を行く、紋付袴と白無垢姿。<br />　彼女は裾にでも躓いたのかよろめき、兄の腕に縋りつく。二人の目が合って、照れくさそうに頬を染め笑い合うその姿といったら。<br />「兄さん、姉さん」<br />　池を覆う石の上に立ち上がり、力いっぱい声を張り上げると、肩の羽織が落ちて赤い落ち葉に覆われた。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dbd.html" target="_blank" >大敗毒カプセル</a> <br />「ご結婚おめでとうございます！」<br />　僕に気付いた兄は破顔して、彼女は花嫁であることも忘れて慎みなく叫ぶ。<br />「総一くん、ありがとー！」<br />　二の腕まで剥き出しになるのも構わず手を振る彼女に、兄が慌てて袖を押さえている。その二人の様子が何だか可笑しくって、僕は笑わずにはいられなかった。<br />　幸福そうなその姿を見てしまっては、もうどうしようもない。<br />　二人にはこの笑顔だけが届けばいい。きっと、この瞳から零れ落ちる透明な物には気付けない。きっと、遠くて気付けやしないのだ。<br />　祝いの言葉に嘘はなかった。けれど、この涙もまた事実である。あの菜果と共に潰えた思い。<a href="http://www.china-seiryokuzai.com/view/dakening.html" target="_blank" >達克寧 霜剤</a><br /><br />　トマトを駄目にした僕を、兄も彼女も優しく許したのだから。 <br /><a name="more"></a>

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